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まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.サルは人間に進化したのになぜまだサルはいるんですか?

2015-11-19 08:53:48 | 哲学・倫理学ファック
今年度の看護学校の講義はすべて終了いたしましたが、

看護学生の皆さんからいただいた質問にはまだまだお答えしていきます。

この質問はサルから人間への進化 (=本能の壊れた動物) の話をしたときにいただいたものですが、

この質問には虚を衝かれました。

知らない人ってこういうふうに考えてしまうんですね。

そういえば去年もこんな質問をもらったのでした。

「Q.サルから人間に進化したように他の動物も進化して別の生物になったりしないんですか?」

今どき進化論を知らない人なんていないだろうなんていう先入見をもって臨んではいけませんね。

今回の質問の答えは去年の質問への答えと同じですが、

今回はこういうふうにお答えしておくことにしましょう。

A.進化というのは、ある種が別の種にすべて変わってしまうということではなく、
  ある種から別の種が枝分かれして新しい種が増えるということですので、
  元の種が環境適応に失敗して絶滅してしまわない限りは、
  元の種も新しい種もいずれも地球上に残ることになります。

もしも森が全部なくなってしまっていたら、

森の中、樹の上での生活に合わせて進化を遂げていたサルは絶滅していたかもしれませんが、

幸いそういうことにはならず、森はある地域で減少しただけで他の地域では存続したので、

サルもそういう地域では人間へと枝分かれもせず、絶滅もせずにすんだのでしょう。

こうしてサルと人間はそれぞれ地球上に残ることになったのだと思われます。

つまり進化というのは全てが入れ替わるということではなく、

枝分かれして新しいものが増えるということなわけです。

というか、サルと人間どころか動物も植物も細菌類も含めてすべての生物は、

最初に存在したごくごく単純な作りの原始生命体からどんどん枝分かれ (=進化) してきたのであり、

40億年という長い時間をかけて、単純なものから複雑なものまでかくも多様な種が生み出された、

と考えるのが進化論なわけです。

こういうことって現代人の常識ではないのかなあ?

ウィキペディアの 「進化」 の項目の冒頭では次のように説明されています。

「生物は不変のものではなく、共通祖先から長大な年月の間に次第に変化して

 現生の複雑で多様な生物が生じたということが、膨大な証拠から分かっている。」

さらには 「生物は共通祖先から進化し、多様化してきた」 という説明とともに、

次のような図も載せられています。



この図の中心部分から枝分かれ (=進化) が始まったわけで、

書かれてはいませんが、この中心のところにいるのがすべての生命の共通祖先になります。

つまり、私もあなたもサルもゴキブリもチューリップもノロウィルスも、

すべての生命体は元を正せば同じ祖先から生まれた兄弟姉妹ということになるわけです。

進化が生じるたびに元の種が全部絶滅してしまっていたら、

今ごろ地球上には人間しかいなくて他の動物も植物も何も存在しないということになってしまい、

食べ物も人間だけということになって、それはそれはヘヴィーな世界になっていたことでしょう。

人類だけになってしまわずに生物の多様性が保たれていて本当によかったですね。

これからも生物の多様性を保っていけるような自然環境の保全に努力していきましょう。

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