まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

『ストロベリーナイト』

2013-01-22 21:18:01 | 哲学・倫理学ファック
『ストロベリーナイト』 を見ました。
といっても映画ではありません。
映画は今週の土曜日 (2013.1.26.) から上映です。
ぜひ見たいと思っていますが、その前の予習として、
2010年のスペシャルドラマと昨年の今頃放映されていた連続ドラマを、
ツタヤで借りて見ておきました。

これも先に原作を読んでいたのです。
誉田哲也姫川玲子シリーズです。
その第一作が 『ストロベリーナイト』 なのですが、これはむちゃくちゃグロい小説でした。
殺人シーンがグロいのに加えて、犯人の幼少期の描写がエログロなのです。
自分これは最後まで読み切れないのではないかと心配したほどです。
途中から思わぬ方向に話は展開していって、あとは一気に引き込まれるように読みましたが、
最初のうちはこれどうなっちゃうんだろうとビビっていました。
ミステリーというよりはホラーに近い感じだったのです。
だから、これがもうすでにドラマ化されていたと教えられてものすごくビックリしたものです。
映画化ではなくてドラマ化ですか?
あれをテレビで放映してしまったんですか?
ていうか放映できたんですか?

スペシャルドラマ 『ストロベリーナイト』 は非常に上手く作られていました。
エロやグロのところがうまい具合にオブラートに包まれていて、
本当にギリギリOKのところでフツーの刑事物のドラマとして成り立っていました。
キャスティングも見事です。
原作のシリーズを全部読んでしまって頭のなかに強固なイメージができていても、
ああこれこれ、この役はやっぱこの人だよねと思えるような配役でした。
『ビブリア古書堂の事件手帖』 には爪の垢を煎じて飲ませてやりたい)
主人公の姫川玲子に竹内結子というのははまり役でしたし、
捜査十係の面々もこのメンバーでOKでしょう。
(西島秀俊の菊田はほんのちょっとカッコよすぎるかなあ?)
ガンテツに武田鉄矢は、最初名前だけ聞いたときは意外でしたが、
武田鉄矢はガンテツになりきっていました。
武田鉄矢はこの役をやることによって役者の幅を広げられたんじゃないかな。
今泉の高嶋政宏も同様のファインプレーで、やらせてみたらみごとなマッチング。
生瀬の井岡や津川の國奥はそのまんまのはまり役でした。
原作を読んでから映像化したものを見るという非常に危ない順番でしたが、
違和感なくドラマを楽しむことができました。
あえて苦言を呈するなら、渡辺いっけいの橋爪管理官は戯画化しすぎ、
佐田倫子の国仲涼子はカワイすぎましたが、まあ全体としては許容範囲内でしょう。

それから1年以上経ってから連続ドラマ化されたというのは、
どういう裏の事情があったのでしょうか。
第2作の 『ソウルケイジ』 や短編集 『シンメトリー』、スピンオフ作品 『感染遊戯』
等に収められた諸作品をうまく再構成しながら全11話の連続ドラマに仕上げられていました。
シリーズのタイトルが 『ストロベリーナイト』 になってしまったのは、
ちょっと残念な感じがしますが、これもまあ仕方ないでしょう。
『ストロベリーナイト』 というのはスペシャルドラマ化された、
あの1作にのみ有意味なタイトルなのであって、
姫川玲子シリーズ全体を統合しうるタイトルではないのですが、
スペシャルドラマを1本だけ作っちゃったあとにシリーズドラマ化が決まったんでしょう。
この連続ドラマ 『ストロベリーナイト』 のDVDを順番に見ていって、
全6枚とうとう見終わったところなわけです。

最後の3話分が第2作の 『ソウルケイジ』 でした。
『ソウルケイジ』 はシリーズ中一番のお気に入りの作品です。
冒頭部分は切断された手首部分だけが発見されるという、第1作と同様のグロいスタートでしたが、
誉田哲也特有のどんでん返し等もありつつ、姫川玲子の推理が冴えわたり、
しかも全体としてはものすごいハートフルな人情物語に仕上がっており、
小説を読んだときと同様、ドラマでもおいおい泣いてしまいました。
昔、『ライオン・キング』 みたいな血縁親子ものの物語がキライだと書いたことがありますが、
私は逆に血の繋がっていない親子ものに弱いところがあるようです。
東野圭吾の 『カッコウの卵は誰のもの』 とかも泣いちゃったよなあ。

さて、映画はシリーズ4作目、長編では3作目にあたる 『インビジブルレイン』 です。
これはまた今までとはちがって別の展開になっていくので、
これがどう映画化されるのか楽しみです。
早く公開されないかな。


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