まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

Q.趣味はありますか?

2010-04-21 18:04:56 | 哲学・倫理学ファック
A.はい、あります。















































「趣味はありますか?」 という質問に対しては、
基本的には Yes or No で答えればいいはずで、
「はい、あります」 とだけ答えればそれで解答終了になります。
このような質問をクローズド・クエスチョンといいます。
クローズド・クエスチョンをすると 「はい」 か 「いいえ」 で話が終わってしまいますので、
会話が弾みません。
したがって、コミュニケーションを取る際には、
できるかぎりクローズド・クエスチョンは避けて、
オープン・クエスチョンをするようにと指導されるはずです。
オープン・クエスチョンとは答える側がいろいろなことを自由に答えられるような質問です。
「なぜ」 とか 「どのように」 など、5W1Hがついているような疑問文です。
すでにいくつかご紹介した 「どう思いますか?」 という質問はオープン・クエスチョンの典型です。
ただし、「どうですか?」 とか 「どう思いますか?」 というのはあまりにもオープンすぎて、
逆にどう答えていいかわからず、話が弾まなくなってしまうのですが、
一般的にはクローズド・クエスチョンではなく、
オープン・クエスチョン (答えやすいオープン・クエスチョン) で聞いてあげることが必要です。

入院している患者さんに、
「体調はいいですか?」 と聞いてしまうと、「はい」 または 「いいえ」 で終わってしまいますが、
「体調はいかがですか?」 と聞いてあげると、いろいろと答えてくださるかもしれません。
人によってはこれでは質問が漠然としすぎていて、
ことばにつまってしまう方もいらっしゃるかもしれないので、
そういう場合には、質問を言い換えて、
「どこか痛いところやツラいところはありませんでしたか?」 とか、
「昨日と比べて気分はいかがですか?」 とか、
「何か気になるところはありませんか?」 などと具体的に聞き直してあげるといいでしょう。

実を言うと、「何か気になるところはありませんか?」 という質問は、
厳密にはクローズド・クエスチョンなのですが、
しかし、普通の日本語の感覚をもっている人であれば、
これに 「あります」 「ありません」 とだけ答えたりはしないでしょう。
これは冒頭に 「何か」 がついているからだと思われます。
今回の質問も、「何か趣味はありますか?」 と聞いてくだされば、
オープンに答えやすかったでしょう。
まあ、普通の日本人なら 「趣味はありますか?」 と聞かれただけでも、
「あります」 「ありません」 とだけ答えたりはせず、
ちゃんとどんな趣味があるのかまで答えてくれるだろうと思いますが、
私は普通の日本人ではないので、意地悪な答え方をしてみました。

いちおうオープンな答えも付け加えておきますと、
・お酒を飲むこと
・美味しいものを食べること (作るのも少しは好き)
・読書
・DVD鑑賞 (ハリウッド系のハッピーエンドの映画中心)
・テレビ鑑賞 (お笑い系やバラエティ系番組中心)
・ロール・プレイング・ゲーム
・音楽を聴くこと、歌うこと
などでしょうか。
「はい、あります」 と勢い込んで答えたわりには、なんだか大した趣味はありませんね。
でも、本人にとってはどれも大事な趣味なわけです。
というわけで、

A.はい、趣味はあります。

が、ご質問に対するお答えとなります。

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