まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

ネタバレ本deカフェ

2014-03-17 17:00:02 | 哲学・倫理学ファック
「てつカフェ特別編4」 はおかげさまで盛況のうちに終えることができました。
ギリギリまで苦しめられたレジュメもなかなか好評で、
「トランスレーター(牧野本とてつカフェ参加者との間の通訳) としていい仕事をしてくれた」
と著者御本人からもお褒めの言葉をいただくことができ、ほっと一安心です。

さて、特別編の興奮も冷めやらぬその翌日、「本deてつがくカフェ番外編」 が開催されました。
最近てつカフェに来てくださるようになり、
フォーラム福島で開催されたシネマdeてつがくカフェ記事を書いてくださったA新聞の記者の方が、
この4月から異動のため福島を去られることになったので、急遽企画されました。
その彼と純ちゃんが相談して、カミュの 『ペスト』 で本deカフェということになったわけですが、
私、『ペスト』 を読んだことないんですよ。
話が決まった3月6日の段階で本を持ってすらいませんでした。
しかも、特別編のポスター・横断幕等の準備や配付資料の印刷、
そして何よりもトランスレーターとしてのレジュメの作成に追われていて、
本を買いに行くヒマすらありませんでした。
けっきょく14日に本はなんとか入手できたものの、
番外編の当日になってもまだ1行も読んでないという状況でした。

早起きして読まなければと思ってはいましたが、
前日のシンポジウム (=饗宴) でとことん飲み尽くしていましたから、
けっきょく二度寝してしまったりして午前中を失ってしまいました。
午後になっても頭はまったく働かず、なかなか読み始めることができませんでした。
しかも、買ってみて初めて知ったのですが、『ペスト』 ってめちゃくちゃ厚いんですよ。
新潮文庫で458ページまであります。
文庫本のくせにこんなふうに立っちゃうんですよ。



今まで本deカフェで扱ったなかで一番厚かったのが 『動物農場』 で250~280ページくらい。
高橋哲哉の新書 『犠牲のシステム 福島・沖縄』 なんて224ページでしたから、
『ペスト』 の半分にも届きません。
なんだってこんな分厚い本を選んでくれたんだ、純ちゃんたちは
ちゃんと読むのはあきらめて速読であらすじだけでもつかもうとしましたが、
やっと2時くらいから読み始めて出かけるまでの2時間半ほど、
死にものぐるいで速読してみましたが、けっきょく半分弱しか進めませんでした。

会場に着いてみると参加者は意外と多く10名。
ところがちゃんと全部読んできた人はその半数ほど。
最初のほうのほんの数10ページしか読んでないという人や、
どこにも売ってなくてけっきょく入手できませんでしたという人までいらっしゃいました。
そんな人たちでもちゃんと対話に参加してくださるのですから、
さすがは 「てつがくカフェ@ふくしま」 という感じです。
他のところではどんなふうにやっているのか知りませんが、
ゆるい2人が世話人をしているだけあって、
福島の哲カフェはいい感じでみんなに愛される場に育ってきているように思います。
本読んでないけど話しに行きたくなる哲カフェってすごくありませんか?

とはいえ、実際にやってみるとわたし的にはちょっとツライ体験でした。
何がって、もう大ネタバレ大会なんですよ
半分ぐらいまで読んでちょうど物語への興味が湧いてきたところだというのに、
本deカフェの議論の大半はクライマックスである後半のほうに集中してしまいますし、
もちろん読み終わってないこちらが悪いんですけど、
皆さん容赦なくあそこでああなったときこうなったときという話をバンバンしてしまうんです。
もう、ええっていう展開の話を全部聞かされてしまうのです。
えっ、あの人死んじゃうの? とか、
あの人が実は後半まるで人が変わってがんばっちゃんうだよ、とか…。
まあミステリーとは違うので先がわかったとしても問題ないとは思いますが、
やはりできればきちんと読み終わってから参加したかったなあ
いずれにせよ、とてもいい小説のようです。
まさに福島の今とだぶってしまうような身につまされる物語であるようです。
もう急ぐ必要はないので、最初に戻ってじっくりと読んでみたいと思います。


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