白河の看護学校と同日に開講してきた郡山の看護学校の 「倫理学」 ですが、
学校側のイベントの関係で、最終回のみは別日の開講となりました。
しかも、当初10月16日に予定されていたのですが、その日は台風のため休講。
けっきょく10月31日にリスケ (=リスケジューリング) され、
前回から3週間ほど間が空いての久しぶりの最終回となってしまいました。
その間に学生さんたちは初めての実習にも行ってきたようです。
さて、白河の看護学校とは異なり郡山の場合毎週1コマずつですから、
あまりゆっくり講義全体を振り返っている余裕はなかったのですが、最終回の振り返りシートに、
今まで 「倫理学」 を学んできて印象に残っていること、学びの深まったことを書いてもらいました。
簡単にご紹介していきましょう。
まずは各回ごとの内容について。
「今までの授業を通し、一番印象に残っていることは、「死後」 についてである。死後については誰も知ることができず、どんな世界になっているのかが不思議に思うし、怖いという恐怖も感じる。死ぬまでにやりたいことをし、後悔のないように生きていかなければいけないということを倫理学の授業で学んだ。」
「脳死判定については深く考えさせられた。よく情報で聞く言葉であり、医療界でも注目されているテーマの一つであるが、国によって判定基準が異なる、世界での明確な決まりはないという点にまず驚いた。そして、その一つ一つの段階を見ていく中で、どの一線をこえたら死として良いのか、自分で考え答えを出すことにより、自分自身の考えも改めて知る事ができた。さらに他者の意見を聞く事により、やはり答えを一つに絞るという事は難しい事なのだと感じた。」
「私は7回の中で 『安楽死』 について考えたことが印象に残っている。どんな死に方が一番良いのか、答えは絶対に一つに絞ることは出来ないし、人それぞれの答えがあると思った。どの答えも間違ってはいないが、実際に患者に安楽死をさせるとなると相手の気持ちやその患者の家族の事も考えてしまう。だからこそ安楽死は簡単に出来ることではないし、誰が決定していいのかも分からない。安楽死について何か資料など参考になるものがあれば読み、自分の考えを深めたい。安楽死だけでなく他のテーマもリンクされていると思うので連携させて考えたい。」
「19年間生きていて、一度として自分の理想の死に方など考えたことがありませんでした。そして、それだけ自分が死というものに向き合っていなかったのだと強く思いました。人それぞれ色々な考えがある中、患者さんたちは死と向き合い考え続けているんだということに改めて気づかされ、私達が看護師になるため、患者さんにどんなことができるのか、どんな能力を身につけなければいけないのかを考えさせられました。これからも考え続けることを大切にしていきたいです。」
「どこからが人間の死といえるのか、自分は死を告知されたいかされたくないか、どのような死に方をしたいかなど、自分や家族、周りの大切な人の死をリアルに考え、その考えをグループのメンバーと共有し合うことができました。自分も家族も大切な人も、難しいことではあるけれど、なるべく本人の希望に沿った死に方ができるよう、普段からコミュニケーションを大切にしようと思います。」
「死を意識することで得られるメリット。生命や時間の大切さが分かり、やりたいこと、やり残しはないか考えること、死への準備、家族に思いを残す為の準備など、人それぞれ使い方がいろいろあると思った。倫理学ではたくさん学んだ。これからも疑問に思うことは考え続けたいと思う。ありがとうございました。」
「倫理学の授業を受けて、自分の中では死に対する考え方が変わった。一番印象に残っている授業は、今回 [=最終回] の死や病気から意識すること、病気や死が近づくことで時間の大切さなど人間として生きている幸せを実感できるのだと思った。その時間を支える看護師という職業のすばらしさも再確認できた気がする。哲学というものも視野に入れることができた。」
「一番学びが深まったのは、今日の授業の死・病気についてと、看護師はどうあるべきかについてです。実習へ行き現場を見てきたことで、『死』 についての考え方や見方が変わりました。『死』 について考えるのを避けるのではなく、しっかり考え、時間はかかっても自分の答えや意見などを持つことは大切なことだと思うようになりました。また看護師という職業の意味や患者さんと接する上でどういった存在であるべきかなども考えることができました。自分も、身体的な世話や治療補助はもちろんですが、精神的な部分の世話を大事にし、看護していきたいなと思います。『看護師は哲学者でなければならない』 という言葉もとても印象に残りました。ありがとうございました。」
以上、個別的な学びについての振り返りでした。
けっこう多くの人が、これからも考え続けていきたいと書いてくれていて、
それは私としては望外の喜びです。
個別の学びだけでなく、この講義全体での学びについても振り返ってくれていた人がいましたので、
それらも紹介しておきましょう。
「グループで話し合ったりすることは他の授業でもあったが、自分の考えを書きとめておいて、それをグループで読んで考えを伝えることはやったことがなかったので、楽しかった。いつもききのがしたりしてたけど、じっくりと意見を知ることができた。」
「今まで学んだことをしっかりと受けとめ、これが答えなのではなく、これからも考え続けていきたいと思いました。」
「実習に行った際、私の病棟はあまり亡くなる人が多い病棟ではなかったのですが、倫理の授業を受けて、死についてこんなにも深く考えたことがなかったので、実習をはさんででしたが、死について学べて良かったです。」
「生の誕生で学ぶこともたくさんある。生の終わり (finish) で学ぶこともたくさんある。生と死は深く、いくら考えても考えてもきりがないおもしろい一生のテーマだなと先生の授業で感じました。ありがとうございました。」
「看護師を志してから人の 『生』 にしか注目していなかった。授業で生と死の関わりを知り、今後学ぶ事に対して、生と死の視点から見ていくことにした。学生の間だけでも、死への価値観が皆それぞれ違っていたので、他者の考えについて理解を深め、視野を広げていきたい。」
「今後は、今までの授業で学んだことを、常に考え、立派な看護師を目指していきたい。」
「常に人間は生きているし、私は生きている。そして死に向かって1秒1秒をすごしているのだと考えが深まった。」
「倫理学の授業で ”死” について深くふれることが出来たと思う。これからも知識をつけるの他に、未来について、患者について、看護師というの名の哲学者になれるように精進したい。」
「7回の授業で学んだことをこれからの勉強にも生かせていけると思うので、そのとき感じたことや考えたこと、思ったことを忘れないようにしたい。先生の授業で学んだことはたくさんありました。7回だけでしたがありがとうございました!」
こちらこそありがとうございました。
私としては若干駆け足の慌ただしい授業だったなという反省があるのですが、
そのなかでいろいろと深く受けとめていただき感謝申し上げます。
君たちは4年間の課程なのでまだまだ先は長いですが、
その間もずっと考え続け、悩み続けて、プロフェッショナルとしての理想の看護師になってください
学校側のイベントの関係で、最終回のみは別日の開講となりました。
しかも、当初10月16日に予定されていたのですが、その日は台風のため休講。
けっきょく10月31日にリスケ (=リスケジューリング) され、
前回から3週間ほど間が空いての久しぶりの最終回となってしまいました。
その間に学生さんたちは初めての実習にも行ってきたようです。
さて、白河の看護学校とは異なり郡山の場合毎週1コマずつですから、
あまりゆっくり講義全体を振り返っている余裕はなかったのですが、最終回の振り返りシートに、
今まで 「倫理学」 を学んできて印象に残っていること、学びの深まったことを書いてもらいました。
簡単にご紹介していきましょう。
まずは各回ごとの内容について。
「今までの授業を通し、一番印象に残っていることは、「死後」 についてである。死後については誰も知ることができず、どんな世界になっているのかが不思議に思うし、怖いという恐怖も感じる。死ぬまでにやりたいことをし、後悔のないように生きていかなければいけないということを倫理学の授業で学んだ。」
「脳死判定については深く考えさせられた。よく情報で聞く言葉であり、医療界でも注目されているテーマの一つであるが、国によって判定基準が異なる、世界での明確な決まりはないという点にまず驚いた。そして、その一つ一つの段階を見ていく中で、どの一線をこえたら死として良いのか、自分で考え答えを出すことにより、自分自身の考えも改めて知る事ができた。さらに他者の意見を聞く事により、やはり答えを一つに絞るという事は難しい事なのだと感じた。」
「私は7回の中で 『安楽死』 について考えたことが印象に残っている。どんな死に方が一番良いのか、答えは絶対に一つに絞ることは出来ないし、人それぞれの答えがあると思った。どの答えも間違ってはいないが、実際に患者に安楽死をさせるとなると相手の気持ちやその患者の家族の事も考えてしまう。だからこそ安楽死は簡単に出来ることではないし、誰が決定していいのかも分からない。安楽死について何か資料など参考になるものがあれば読み、自分の考えを深めたい。安楽死だけでなく他のテーマもリンクされていると思うので連携させて考えたい。」
「19年間生きていて、一度として自分の理想の死に方など考えたことがありませんでした。そして、それだけ自分が死というものに向き合っていなかったのだと強く思いました。人それぞれ色々な考えがある中、患者さんたちは死と向き合い考え続けているんだということに改めて気づかされ、私達が看護師になるため、患者さんにどんなことができるのか、どんな能力を身につけなければいけないのかを考えさせられました。これからも考え続けることを大切にしていきたいです。」
「どこからが人間の死といえるのか、自分は死を告知されたいかされたくないか、どのような死に方をしたいかなど、自分や家族、周りの大切な人の死をリアルに考え、その考えをグループのメンバーと共有し合うことができました。自分も家族も大切な人も、難しいことではあるけれど、なるべく本人の希望に沿った死に方ができるよう、普段からコミュニケーションを大切にしようと思います。」
「死を意識することで得られるメリット。生命や時間の大切さが分かり、やりたいこと、やり残しはないか考えること、死への準備、家族に思いを残す為の準備など、人それぞれ使い方がいろいろあると思った。倫理学ではたくさん学んだ。これからも疑問に思うことは考え続けたいと思う。ありがとうございました。」
「倫理学の授業を受けて、自分の中では死に対する考え方が変わった。一番印象に残っている授業は、今回 [=最終回] の死や病気から意識すること、病気や死が近づくことで時間の大切さなど人間として生きている幸せを実感できるのだと思った。その時間を支える看護師という職業のすばらしさも再確認できた気がする。哲学というものも視野に入れることができた。」
「一番学びが深まったのは、今日の授業の死・病気についてと、看護師はどうあるべきかについてです。実習へ行き現場を見てきたことで、『死』 についての考え方や見方が変わりました。『死』 について考えるのを避けるのではなく、しっかり考え、時間はかかっても自分の答えや意見などを持つことは大切なことだと思うようになりました。また看護師という職業の意味や患者さんと接する上でどういった存在であるべきかなども考えることができました。自分も、身体的な世話や治療補助はもちろんですが、精神的な部分の世話を大事にし、看護していきたいなと思います。『看護師は哲学者でなければならない』 という言葉もとても印象に残りました。ありがとうございました。」
以上、個別的な学びについての振り返りでした。
けっこう多くの人が、これからも考え続けていきたいと書いてくれていて、
それは私としては望外の喜びです。
個別の学びだけでなく、この講義全体での学びについても振り返ってくれていた人がいましたので、
それらも紹介しておきましょう。
「グループで話し合ったりすることは他の授業でもあったが、自分の考えを書きとめておいて、それをグループで読んで考えを伝えることはやったことがなかったので、楽しかった。いつもききのがしたりしてたけど、じっくりと意見を知ることができた。」
「今まで学んだことをしっかりと受けとめ、これが答えなのではなく、これからも考え続けていきたいと思いました。」
「実習に行った際、私の病棟はあまり亡くなる人が多い病棟ではなかったのですが、倫理の授業を受けて、死についてこんなにも深く考えたことがなかったので、実習をはさんででしたが、死について学べて良かったです。」
「生の誕生で学ぶこともたくさんある。生の終わり (finish) で学ぶこともたくさんある。生と死は深く、いくら考えても考えてもきりがないおもしろい一生のテーマだなと先生の授業で感じました。ありがとうございました。」
「看護師を志してから人の 『生』 にしか注目していなかった。授業で生と死の関わりを知り、今後学ぶ事に対して、生と死の視点から見ていくことにした。学生の間だけでも、死への価値観が皆それぞれ違っていたので、他者の考えについて理解を深め、視野を広げていきたい。」
「今後は、今までの授業で学んだことを、常に考え、立派な看護師を目指していきたい。」
「常に人間は生きているし、私は生きている。そして死に向かって1秒1秒をすごしているのだと考えが深まった。」
「倫理学の授業で ”死” について深くふれることが出来たと思う。これからも知識をつけるの他に、未来について、患者について、看護師というの名の哲学者になれるように精進したい。」
「7回の授業で学んだことをこれからの勉強にも生かせていけると思うので、そのとき感じたことや考えたこと、思ったことを忘れないようにしたい。先生の授業で学んだことはたくさんありました。7回だけでしたがありがとうございました!」
こちらこそありがとうございました。
私としては若干駆け足の慌ただしい授業だったなという反省があるのですが、
そのなかでいろいろと深く受けとめていただき感謝申し上げます。
君たちは4年間の課程なのでまだまだ先は長いですが、
その間もずっと考え続け、悩み続けて、プロフェッショナルとしての理想の看護師になってください
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