中日新聞に作家の吉川トリコさんが「だだくさをひとさじ」というタイトルで、連載されています。
今回は「誰だ『家事ラク』って言っているのは!?」というテーマで書かれています。
住宅系の雑誌やサイトを見ているとよく目にする「家事ラク動線」という言葉に、無性に腹が立つ。
買い物動線や洗濯動線など、効率的に家事が行えるように考えられた動線のことをそう呼ぶようだ。
家事が楽になるならむしろ歓迎してしかるべきなのに、なにがそんなに気に障るのか。
おそらくはその欺瞞性に引っかかっているのだろう。
この社会では、長いあいだ性別役割分業の名のもとに女性が家事を担わされてきた。
いまだに家事時間は男女でも大きな開きがあるし、我が家も例に漏れず、私がメインで家事を担当している。
広い世界には家事が好きで好きでたまらない人もいるだろうが、基本的に家事というものは面倒でやりたくないもの、しかしだれかがやらなければならないものだと私は思っている。
そんな私からすると、「家事ラク動線」なんて言葉を(とりわけ男性の営業なんかに)口にされると、動線を工夫したぐれえで「家事ラク」たあ随分おめでてえな、さてはおめえさん、ろくに洗濯もしたことねえだろ? 一日二日の話じゃねえ、三百六十五日明けても暮れてもだぜ?と、うざがらみの一つもしたくなる。
建設中の我が家も家事動線を考慮した間取りにはなってはいるが、あくまで「家事効率化動線」であって、断じて「家事ラク動線」と呼べるようなものではない。
だれにもできる仕事だと軽んじられたり、主婦は暇だとみなされたり、ことほどさようになめられがちなのが家事である。
家庭用洗濯機が発売された当初、主婦が楽をすることに苦言を呈する輩が続出したとなにかで読んだことがあるが、マジで家事をなめんじゃねえよこのくそたわけがと言いたい。
お掃除ロボットが自力でごみを捨て、食洗機が汚れた食器を回収し、洗濯機がアイロンまでかけるようになってようやく「家事ラク」と呼べるのであって、現状では到底及ばないというのが私の認識である。
とはいえ、「家事効率化動線」だといまいち引きが弱いから、住宅会社の営業が「家事ラク動線」という言葉を使いたがる気持ちも、まあわからないでもない。
以上です。
>家庭用洗濯機が発売された当初、主婦が楽をすることに苦言を呈する輩が続出したとなにかで読んだことがあるが
こんな事をいう輩がいたんだ。
恐らく男で、家事を一度もやったことがない連中が言ったのでは?
定年後少しは家事の手伝いをするようになりました。
まあ、家事をするなら会社に行って仕事をする方が楽ですね。
何しろ家事はエンドレスなので。
そんな事が分かってきましたが、それを言うとかみさんが「それを知っていてもやろうとしないじゃないの、たまには食事を作ってよ!」と言われてしまいます。苦笑
悲しき鉄道員 [日本語訳付き] ショッキング・ブルー
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます