中日新聞に定期的に掲載される「柴犬フランス歩記(あるき)」に「悩み多き人生の秋」というタイトルで掲載されていました。
作者は浅野素女(もとめ)さん、(フリージャーナリスト、指圧施療師)
五十代と言えば更年期に差し掛かり、人生の秋を迎えて深い悩みを抱える年齢だ。
定期的に指圧施療を受けに来るロールは、キャリアウーマンで独身。
教養豊かでゴルフが一番の趣味。
最近、美容整形を受けた。
何不自由ない暮らしだが、パートナーがいないのが心の負担。
ある男性の2年越しのアタックに心を動かされつき合い始めたものの、まあこれがお金もうけと不動産にしか興味のない人。
しばらくつき合って、やっぱりダメだと別れた。
その時の彼の捨てぜりふが、「君とのつき合いにこの一年で〇〇ユーロかかった」。
そんな男と別れてさぞスッキリしたでしょ、と思っていたら、数ヶ月後に元のさやに収まった。
どこでもカップルで行動するフランス社会で、「ひとりはやっぱりさみしい」と。
生活は別々で、週末やバカンスをいっしょに過ごす相手と割り切ってつき合っていくと言う。
一方、ソフィーはバツいちで娘がふたり。
仕事場のプレッシャーから健康を害して一時休職。
父母の家を一週交代で行き来する思春期の娘たちとの距離の取り方に悩む。
長年つき合っていた彼氏とも最近別れた。
続くスランプの時期を指圧施療で同伴してきたが、久しぶりに施療に訪れた彼女の顔は清々としていた。
「休暇を取ってひとりきりになって、ノルマンディーの海辺で過ごしたの。
毎日、海岸を歩いて、歩いて、潮風に吹かれながら考えた。
何が本当に大切なのかって。そうしたら、海が力を与えてくれた。
収入は減るだろうけど、以前の教職に戻ろうと思う。
私自身はむりせず今のまま、これでいいって思えるようになった」
若い時はとても美しい人だったと思う。
その横顔は、今はシワが刻まれてはいても、彼女がほほ笑むと、秋という季節だけが持つ光に照らし出される。
ふたりの女性のふたつの生き方。
ちがう答えの出し方。
どちらがいいとか悪いとかではなく、それぞれの、かけがえのない人生がそこにある。
以上です。
フランス人の風土は知りませんが、
フランスの女性は、男以上に働かれているんですね。
それだから収入も多く、優雅な生活を送られているように思いました。
また猛烈に働かれるから、悩みも多くあるような気がしました。
舟木一夫 ♪高校三年生