今月6日に94歳で亡くなったシドニー・ポワチエさんについて、中日新聞の「中日春秋」が取り上げていました。
中日春秋
貧しいトマト農家の家に生まれた。学校は十二歳のときから通っていないので、文章を十分に書くことも読むこともできなかった
▼十代半ばでニューヨークに渡り、レストランの皿洗いの仕事についたが、住む家もなく駅で寝泊まりしていたそうだ。米国の俳優で、黒人として初めてアカデミー主演男優賞を獲得したシドニー・ポワチエさんが亡くなった。九十四歳
▼「夜の大捜査線」「いつも心に太陽を」。ポワチエが演じる知的で、落ち着いた役柄を思い出すが、読み書きができなかったとは。役者の道に入るのにはさぞ苦労したことだろう
▼助けた人物がいる。ある夜、レストランでポワチエ青年はたまたま新聞を手にしていた。年老いた同僚が聞いた。「なにか、新しい記事は」。青年は答えた。「うまく読めないんだ」-
▼それから毎晩、その同僚が仕事の後で読み方や発音、文法を教えてくれた。心優しい同僚に手を合わせたくなる。そのレッスンが人生を変え、名優への道を開いたばかりではない。役者となったポワチエのスクリーンでの活躍が差別の厳しい時代にあって、どれほど黒人たちを勇気づけたことか。後進の黒人俳優の大きな目標にもなった
▼こんな話が自伝にあった。未熟児だったポワチエを母親が心配して占い師に見せたそうだ。「大丈夫だよ。この子は世界を旅し、有名人になるよ」。全部当たった。
以上です。
若い頃 シドニー・ポワチエさんの映画「いつも心に太陽を」、「夜の大捜査線」、「招かれざる客」を見て感動したものです。
Το Sir With Love - Lulu (Lyrics)