がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

骨折、感染症 大幅に減少

2009年04月02日 | Weblog
2009年04月01日 18時10分記載

URL http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20090327-OYT8T00610.htm

「骨のがん 凍結治療

 石川県内に住む男性(62)は3年前、近くの病院で、太ももの骨のひざ関節部分に13センチの大きさのがんが見つかった。金沢大病院(金沢市)を紹介され、がんのある骨の部分を切断して体外に取り出し、低温でがんを死滅させた後、元の場所に戻す「凍結処理法」の手術を受けた。6週間で普通に歩けるまでに回復し、がんの再発もない。(科学部 本間雅江)

 骨のがんは、ひざなどの関節部分にできることが多く、手術でその部分の骨を切り取り、代わりに金属の人工関節を埋め込む治療が一般的だ。しかし、変形性ひざ関節症などの人工関節手術に比べ、大きく骨を切断することから、関節の動きが制限されるうえ、感染にも弱い。

 がんのできた骨の部分を体外に切り出し、約130度の高温で、がんを死滅させた後、骨を元の場所に戻す方法もある。しかし、熱のために骨のたんぱく質成分が変化し、骨がもろくなるのが弱点で、手術から5年以内に約70%の患者が骨折や感染症などを起こしている。

 凍結処理法は、これらの弱点を補う方法として、金沢大整形外科准教授の土屋弘行さんらが開発した。骨のたんぱく質は、凍結しても性質が変わらないことに着目。骨をマイナス196度の液体窒素に浸すことで、熱で骨をもろくすることなく、がんを死滅させる。

 マイナス196度の低温では、がん細胞だけでなく骨の正常な細胞もすべて死ぬ。しかし、骨を作るもとになるたんぱく質は壊れずに残るため、それを足がかりに新たな血管が生まれ、骨の細胞が再生する。

 手術は、がんのある部分の骨を切って取り出し、液体窒素に20分間浸した後、ぬるいお湯などでゆっくりと常温に戻す。取り出した骨が折れないよう金属の棒を中に通して補強。再び元の場所に戻して、筋肉や腱()を縫いつける。

 がんのできた部位によっては、骨を体から完全には切り離さず、一部を露出させて液体窒素に浸す方法も行っている。骨を切って取り出す方法よりも体への負担が少なく、回復が早い。

 1998年にこの手術を始めた金沢大病院では、これまでに80人以上が凍結処理法の手術を受けた。土屋さんによると、がんの再発はゼロで、骨折や感染症などの発生率も15%程度と、大幅に減った。

 ひざのように負担がかかる場所のがんでも6週間程度、部位によっては手術から1、2週間後には歩ける。土屋さんは「まずは、自分の骨を残せる凍結処理法を試してほしい。万が一、再発しても、人工関節に変える手術は可能」と説明する。

 ただし、がんが進行し、元の骨自体がもろくなっている場合は、凍結処理法は受けられない。

 同大などでは、一部に保険が適用される先進医療に認められている。金額は施設によって異なり数十万円程度かかる。(2009年3月27日 読売新聞)」

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