雲水日記 佐藤義英著から
「旦過(たんか)」から
この部屋は日ごろ空き部屋らしく変にカビ臭い。
「夕刻来たり、翌朝(旦)過ぎ去る」というのが
この旦過寮の意味だろう。
何やら規則めいた額が頭上に掲げられているが
文字も意味もわからぬ。
薄暗い灯影で感慨に耽っていると、
雲水が「茶礼!」といって赤膳に番茶と饅頭一つ、
それと投宿帖をのせて入ってきた。
八時ごろのこと。
茶を飲みはしてから雲水が持って来た堤灯(手行灯)の
明かりでかろうじて本籍、受業寺。
姓名などを記帳した。
しばらくして、今度は一枚きりの蒲団が運びこまれ、
「今度木板が聞こえたら寝なさい」といわれた。
しかし、ねずみのはげしい跳梁とこれから先の不安とで、
これではとてもまんじりともできそうにない。
翌朝、朝食がすんだ後に、番茶を一杯振舞われてから、
「どうぞご随意に出発を」と追い出された。
旅装をととのえて玄関での坐り込み、
前日同様の苦行をまた終日続けねばならぬ。
雲水の様子が手に取るように分かります。
面白いですね。
江島神社のお参りの続きです。
猿田彦大神に昔からどこかひかれるところありまます。
河津桜が蕾が膨らんでいます。
ありがとうございました。
雨宮りかさんの花ごよみから
「バイカオウレン」
歴上春とはいえ、庭に霜柱がざくざくと立つ。
すっかり霜で荒れた上に埋もれないように、
まっ白な梅花黄連の花がいくつも開く。
けなげに、でもたくましく。