新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

巡り合わせが悪い時ではないのかな

2021-10-25 09:22:35 | コラム
新型コロナウイルス対策をこそ強化すべき時では:

昨10月24日の全国の感染者数は236人で、東京都に至っては1年ヶ月振りかで19人となっていたのは、大いに喜ばしい事だと思う。岸田総理のコロナ対策をその重要な政策として掲げておられた。第5波がこのように収まりつつある時こそが、絶好の医療態勢を強化しやがては襲ってくるものと予想される第6波に備えておくべき時ではないのだろうか。具体的にはこれまでその不行き届きが散々批判されてきた多くの私立の病院に感染者の受け入れ態勢を整わせるべく、政治が動くときだと思うのだ。更に、言うだけの医師会の協力態勢の強化も必要だろう。

だが、厚生労働省なのか、担当大臣なのか、分科会なのか、何処の何方が所管されているのか知らないが、現在の感染者減少傾向の分析というか解明が為されたとの報道はない。勿論、菅前首相が強力に推進されたワクチンの接種率が60%を超えたことは大きく貢献しているだろうし、外飲食店の営業時間短縮や酒類の供給停止も有効だっただろう。だが、それ以外に何が良かったのかとう解説も出てこないし、更なる対策も一向に各党の公約の中にも見えてこない。

何しろ間が悪いことに、現在は来たる31日の投開票日に向かって各党の立候補者は選挙運動に全力を注いでおられるようで、ウイルスの収束に向けての具体策を打ち出すとか、私立病院に対する働きかけなどに注力できる時期ではないようなのだ。これまでに大きな波が収まったときこそが、次なる波の発生に対して手を打って置くべしと言われながら、結局は何らの具体的な対応は取られずに終わっていた。現に尾身茂分科会長が理事長である地方医療振興機能機構の傘下のある病院などは、去る4月に患者を受け入れて、地区の開業医を驚かせたという実績があった。

これまでの所では、波から波の間隔は4ヶ月程度であるとかであるから、来年の2月頃には第6波の襲来は予測できる。それまでの間に然るべき手を打っておくと良いのだが、そのような声は一向に聞こえてこない。問題は受け入れ可能な病院を増やすことだけではなく、感染症患者の扱い方を心得ておられる医療従事者を増やすことでもあるし、機器類の充実も肝要だろう。だが巡り合わせが良くないことで、マスメディアの関心は選挙に向いているし、政策の批判や選挙結果の予想で忙しいようだ。

テレビなどでは時間短縮から解放された飲み屋で「矢張り、ここでこうやって飲む酒が美味い」などと喜ぶ人たちのことは取り上げるが、更なる新型コロナウイルス対策の絶好の時であるとは強調しない。この時間短縮解除も巡り合わせが悪い時になったように思えるのは、もう何十年も飲み屋の類いに入ったことがない私の僻目だろうか。間違ったらご免なさいだが、夜遅くまで無防備態勢で飲み歩くのは危険ではないのかと思えてしまうのだ。



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