新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月29日 その2 内閣総理大臣岸田文雄氏の考察:

2022-06-29 08:35:44 | コラム
岸田文雄内閣総理大臣に望むこと:

もう内閣総理大臣就任後8ヶ月目が終わろうとしているのだから、私が岸田文雄氏をどのように見ているかを述べてみようと思う。

風の便りに聞いたのだが、アメリカ西海岸の南部に住む日本人の間では岸田文雄総理の評価が余り高くないそうなのだ。私は常日頃から「アメリカのテレビや新聞は殆どと言って良いほど、日本のニュースなど取り上げない」と言ってきた。では、彼らアメリカに永住するような同胞がどうやって日本国内の情報を手に入れているかを取り上げてみよう。

私が知る限りでは、アメリカの何処にいても我が国の新聞のその日の朝刊が、大袈裟に言えば簡単に読めるのだ。それは、東海岸ならば13時間、西海岸では16時間の時差を利用できるから、朝にはアメリカで印刷された日本語の新聞が読めるのだ。日本国内の朝刊の原稿は前日の深夜には用意できるのだから、それを直ちにアメリカに送って印刷すれば十分間に合うのだ。

私は実際にシアトルのFour Seasons hotelでは朝食で読売新聞と日本経済新聞が読めていたので、ブレックファストミーティングがない限り、朝刊を読んでから仕事に出掛けていた。また、ロスアンジェリースの邦人たちの間では「頂門の一針」が情報源として読まれているとも聞いている。という次第だから、アメリカにいても、時差を利用して日本国内のニュースが遅滞なく届いてくるのだ。

私には岸田文雄総理の現在までの総理大臣としてのご活躍振りを余り批判してこなかった。だが、海の向こうの方々は我々よりも限定された情報量から、岸田氏を見る目には厳しいものがあるようなのだ。私には国内では情報の過多であって、かえって判断に迷わされているような気もするのだ。

私は安倍内閣の頃から「次期総理の呼び声が高い岸田文雄氏の演説は抽象的で、聞き手を魅了しない。あれでは安部総理の後継となるのは・・・」ということが内部でも語られていると、漏れ聞かされたことがあった。だが、そうと聞かされても当然のことで、彼と接触がある訳ではないのだから、実感がなかった。しかし、実際に総理に就任されると「検討使」と揶揄されたように、常に慎重に検討される安全第一主義の方のようにさえ見えた。

しかしながら、飯島勲氏が指摘されたように元外務大臣の経験を活かされて、海外を回られて大いに外交能力を発揮されたし、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁にも積極的に振る舞われ、大いにその存在感を高めてこられた。その一方では、私には極端な円安、それにも起因する物価高、エネルギーコストの上昇等々の難しい問題への対応があるにも拘わらず、G7への出席等に出向かれるのは如何なものかと思ってしまう。電力供給不足に対する対応も十分とは思えない。

それはそれとして、岸田総理が次回のG7の会場を広島に決められたことには疑問を感じざるを得ない。それは「被爆地は広島だけではなく、長崎がある」からだ。私には遺憾ながら、ご自身の選挙区である広島を選ばれたのは「我田引水」的に見えてしまうからだ。長崎に対する配慮が欠けていないか。東京都内の開成高校から早稲田大学ご出身でも広島を選挙区にされているからなのかと思ってしまう。

過日、ある評論家が「国会議員は選挙区である地方の為に働いているだけで良いのか。そうではあるまい。国家と国民の為の働くべきだ」と指摘していた。尤もだと思って聞いた。彼がまさか岸田総理を脳裏において指摘していたのかどうかは知る由もないが、そうだったとしても仕方がないように思えた。私はG7も我が国にとっては重要なことだとは思うのだが、国内の重要案件を優先して欲しかった。

岸田文雄総理には物事の優先順位をお決めになる際に、国内の重要案件と国際的な問題の何れが国家と国民の為かを繰り返して慎重にご検討願いたいのだ。何処かに2億ドルを供与されるのも結構だ。だが、東京電力管内で節電に協力すればポイントを与えるというような弥縫策で、この市民にとって重要な電力供給問題のお茶を濁していられては感心できないのだ。



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