ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱に思う:
1969年のことだったと記憶する。未だアメリカの会社に移籍する前のことだったが、当時知り合ったばかりの(業界の第有名人だった)UKの大手製紙会社の日本代表者だった日系カナダ人のGN氏のたっての依頼で、ロンドン郊外から日本市場参入を目指して初来日された、誇り高き英連合王国の人だった営業部長氏のお手伝いをしたことがあった。念の為にお断りしておけば、私はその頃は国内市場担当の営業マンだった。
その営業部長氏と放課後に語り合った中で最も印象深かった怒りの表現が「なるほどUKの人とはこういう物の見方をするのか」と思わせられたのだった。それは「日本にやってきた何が最も不愉快だったかと言えば『アメリカ人に間違えられることだ』と語気鋭く感情を露わにして言ったこと」だった。イギリス人慣れしていなかった私は正直に言って「そこまで仰るのか」と驚いた。UK人がアメリカ人を嫌っているとか軽蔑的だとは、薄ボンヤリと聞いたことがある程度の先入観だったので、衝撃的だった。その後の経験でも、これはUKでは一般的な現象だと思わせられた。
以前にも繰り返し述べたが、私は英語の発音を子供の頃から教えられたアメリカ式のアクセントには執着せず、寧ろ我々には発音しやすいクイーンズ式との中間を目指すようにしてきた。それはクイーンズ式にはアメリカ式の舌を巻くような“r”の発音がなく、我々には真似しやすいからである。だが、基本的にはアメリカン・イングリッシュ寄りだと思っていた。ところがである、UK系のオーストラリアやアメリカを嫌っているカナダでは、何度か“You speak beautiful English.”と褒めて頂けるのだった。少し困惑した。
そこで、その褒めて下さる訳を尋ねてみると「貴方の発音はアメリカン・イングリッシュではないからだ」と言われるのだ。念の為に申し上げておくとこれは自慢話ではなく「それほど彼等はアメリカを嫌っているのだ」と言いたくて例に挙げたのである。オーストラリアではそう言われても普通だと感じるが、カナダでは東部のトロントやサスカチワン州でも、西海岸のBC州のヴァンクーヴァーでも同様に嫌アメリカ感情を露骨に表された。要するに英連合王国系での対アメリカの感情の具合を言いたかったのだ。
ここから先はなるべく穏便に表現せねばなるまいが、ヘンリー王子はある程度感情的に離脱の弁を述べておられたと思うが、お妃様は何と言ってもアメリカ人なのである。エリザベス女王も穏便な表現を用いられて気を遣っておられたのだなと思えば思えないこともない。事実、既に女王のメーガン妃に対するお考えを忖度したと思える極端なことをいっていた報道もあった。この辺までで十分だろう。
前出の営業部長氏は私がある場面で「イングランドからお見えになった方」と紹介したのを聞いておられて、真っ向から否定されて「イングランドは英連合王国の一つに過ぎない。私はその連合王国から来たのだから今後はUKと言ってくれ」と厳しい顔で注文を付けられた。言わせて貰えば、私は彼の部下でも何でもない善意でお手伝いしていた日本の会社の社員だ。それでも誇り高きUKの方は注文を付けるのだ。これが“United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland”なのである。言うなれば、ヘンリー王子のお妃の選択の問題かなと思った所以だ。
念の為付記しておくと「私の発音がクイーンズ式だと褒められた」とアメリカの同僚たちに言ってみると、皆が「何処が?君の発音はアメリカ式以外の何物でもない」と言われたのだった。「所変われば品変わる」か。
1969年のことだったと記憶する。未だアメリカの会社に移籍する前のことだったが、当時知り合ったばかりの(業界の第有名人だった)UKの大手製紙会社の日本代表者だった日系カナダ人のGN氏のたっての依頼で、ロンドン郊外から日本市場参入を目指して初来日された、誇り高き英連合王国の人だった営業部長氏のお手伝いをしたことがあった。念の為にお断りしておけば、私はその頃は国内市場担当の営業マンだった。
その営業部長氏と放課後に語り合った中で最も印象深かった怒りの表現が「なるほどUKの人とはこういう物の見方をするのか」と思わせられたのだった。それは「日本にやってきた何が最も不愉快だったかと言えば『アメリカ人に間違えられることだ』と語気鋭く感情を露わにして言ったこと」だった。イギリス人慣れしていなかった私は正直に言って「そこまで仰るのか」と驚いた。UK人がアメリカ人を嫌っているとか軽蔑的だとは、薄ボンヤリと聞いたことがある程度の先入観だったので、衝撃的だった。その後の経験でも、これはUKでは一般的な現象だと思わせられた。
以前にも繰り返し述べたが、私は英語の発音を子供の頃から教えられたアメリカ式のアクセントには執着せず、寧ろ我々には発音しやすいクイーンズ式との中間を目指すようにしてきた。それはクイーンズ式にはアメリカ式の舌を巻くような“r”の発音がなく、我々には真似しやすいからである。だが、基本的にはアメリカン・イングリッシュ寄りだと思っていた。ところがである、UK系のオーストラリアやアメリカを嫌っているカナダでは、何度か“You speak beautiful English.”と褒めて頂けるのだった。少し困惑した。
そこで、その褒めて下さる訳を尋ねてみると「貴方の発音はアメリカン・イングリッシュではないからだ」と言われるのだ。念の為に申し上げておくとこれは自慢話ではなく「それほど彼等はアメリカを嫌っているのだ」と言いたくて例に挙げたのである。オーストラリアではそう言われても普通だと感じるが、カナダでは東部のトロントやサスカチワン州でも、西海岸のBC州のヴァンクーヴァーでも同様に嫌アメリカ感情を露骨に表された。要するに英連合王国系での対アメリカの感情の具合を言いたかったのだ。
ここから先はなるべく穏便に表現せねばなるまいが、ヘンリー王子はある程度感情的に離脱の弁を述べておられたと思うが、お妃様は何と言ってもアメリカ人なのである。エリザベス女王も穏便な表現を用いられて気を遣っておられたのだなと思えば思えないこともない。事実、既に女王のメーガン妃に対するお考えを忖度したと思える極端なことをいっていた報道もあった。この辺までで十分だろう。
前出の営業部長氏は私がある場面で「イングランドからお見えになった方」と紹介したのを聞いておられて、真っ向から否定されて「イングランドは英連合王国の一つに過ぎない。私はその連合王国から来たのだから今後はUKと言ってくれ」と厳しい顔で注文を付けられた。言わせて貰えば、私は彼の部下でも何でもない善意でお手伝いしていた日本の会社の社員だ。それでも誇り高きUKの方は注文を付けるのだ。これが“United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland”なのである。言うなれば、ヘンリー王子のお妃の選択の問題かなと思った所以だ。
念の為付記しておくと「私の発音がクイーンズ式だと褒められた」とアメリカの同僚たちに言ってみると、皆が「何処が?君の発音はアメリカ式以外の何物でもない」と言われたのだった。「所変われば品変わる」か。
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