新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本シリーズ第1戦の観戦記

2023-10-29 07:22:06 | コラム
山本由伸の試合開始前の表情を見て「これじゃ駄目だ」と断定した:

既に昨日指摘してあったことで、山本由伸が最も気懸かりだった。試合開始前の表情が映った時には「矢張りか」と、「「過度の緊張」と言うか「不安さ」が明らかに出ていたと見た。CSの第1戦前の顔付きと同じだった。案の定、投球も球速こそ150km以上出ていたが、解説の梨田昌孝が指摘したようにコントロールが不十分で、大袈裟に言えば「何処を狙って投げているのか解らなかっただろう」と見えたほど乱れていた。

それでも、阪神の打者にも緊張感が見えたので、4回までは「山本由伸」という名前の力で抑えることが出来て事なきを得ていた。私は「時間の問題」になるのではないかと密かに懸念しながら見ていた。そこにあの佐藤輝明のヒットが出た。私の見方では「ここから先に岡田監督の作戦の上手さが充分に出た」1球目での盗塁成功に加えて、日ハムからきた渡辺諒を使ったのが当たって「真っ直ぐ」を振り切られてポテンヒットでの失点になってしまった。

極論を言えば「山本由伸はそこまで」だった。兎に角、顔色が冴えないし、梨田昌孝が指摘したように投球間隔がバラついていて、調子が良いときのような規則正しいリズム感で投げられなくなっていた。キャッチャーの若月と考えが合わなくて間が空いたのか、山本が迷い出していたかの何れだろうが、中島監督の交代の思い切りが悪かったのも、山本個人の記録的失点になって現れてしまった。勝敗は山本を引っ込めたところで片が付いてしまった。

しかも、見込み違いだったと反省させられたほど、阪神の村上頌樹の出来が良すぎた。だが、正直に言えば「オリックスの打者の出来が悪かった」と言う方が当たっていたかも知れないほど、気持ち良さそうに投げている村上に無抵抗だった。以下に何でも、ヒット2本だけというのは無為無策ではなかったか。山本由伸を崩されると、打つ方まで沈黙してしまうのがオリックスの泣き所かなと、疑いたくなった。

阪神にも不安材料はあると思う。それは、本日は宮城大弥が出てくることだ。私が見る問題点は「宮城に抑えられるかどうか」ではなく「昨日の第1戦で打ち過ぎたのではないか」なのである。譬えプロであっても、屡々起きる現象はと言えば「前の試合に図に乗って10本以上も打ってしまった後の試合では、知らず知らずの間に大振りになってしまって打てなくなる」事なのだ。

しかも、昨夜は左打者の近本、中野、木浪が揃って複数安打だった。宮城との対決が見物になるだろう。一方のオリックスの打線だが、球の力よりも経験に裏打ちされた西勇輝の技巧と、カットボールというのかシュートというのか、インサイド攻めを打ち崩せるかに懸かっていると思う。

昨夜のゲスト解説の吉田正尚が指摘していたことで「両方とも選手たちが若い」ので、技巧派の投手に何処まで立ち向かえるかだろう。オリックスの若手が何処まで奮起できるのかに懸かってくると思う。阪神は近本と中野が好調の波に乗り始めているのが、有力な武器になるだろし、オリックスには危険な材料だろう。パシフィック・リーグにはない土の内野の甲子園球場に行く前に、何とかして1勝1敗にしておきたいだろう。