新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

女子サッカーがアジア大会で優勝した

2023-10-07 08:09:36 | コラム
我が代表はDPRKを1枚のイエローカーだけに封じ込んで優勝:

このところ、あの消えゆく事務所とアジア大会しか話題がなきが如きだったかも知れないが、昨夜は女子サッカーが宿敵のDPRK代表を退けた決勝戦の話題は是非とも取り上げておきたいのだ。

試合開始前に並んだ選手たちの顔を初めて見て寧ろ驚いたので、誰一人として知った顔がいなかった。名前でも塩越だけはW杯で健闘した「なでしこ」の一人だったので承知していた。監督自身が「好みで選んだ」と言ったそうで、寄せ集めであるとアナウンサーも言うほど見知らぬ者たちばかりの代表ティームだった。

何分にもDPRK代表が韓国との準決勝では乱暴狼藉の闘志を露骨に見せて圧勝していたので、我が方にもあの「ルールの域を超えた」無茶苦茶な戦法で来られたら大変だという思いにとらわれていた。何分にも我が国のサッカーは、過去には国際大会に出場する度に「フェアープレー賞」を獲得してきた「清く正しく美しいサッカー」に専念してきたのだから、何処までDPRKの反則を犯してまで勝とうとする闘志に対抗できるかと不安だった。

だが、意外にもDPRKは全くその「過剰な闘志」を見せることなく、食糧難だと報じられている国で、どのようなトレーニングで強靱な体力を養ってきたのだろうかと思わせられたほど良く動き、鋭い寄せで我が方の動きを封じ、こぼれ球を奪い取り、正確且つ鮮やかなパス回しで攻め上がって、我が方を圧倒するかのようだった。全く得意とする危険な当たりは見せてこなかった。これでは話が違うのではないかと感じていた。

だが、我が「寄せ集め集団」は大したもので、前半10分に中盤で鮮やかな相手ディフェンスの裏を取ったパスを左サイドに流し、それを駆け上がってきた中島はGKが出すぎているのが見えたのか、戻りきれずにがら空きになっていたゴールに基本通りに右足で鮮やかに蹴り込んで「アッと」という間の先取点となった。守りからの見事なカウンターパンチだとでも言えるだろう。

前半の終わり頃にゴール前の混戦から漏れたボールを、そこまでに11点も取ってきたとアナウンサーが教えてくれたポイントゲッターに蹴り込まれて同点にされた。過剰な闘志を見せなくても点を取ってみせられたので、やや不安になった。だが、押されまくっていても前半を1対1で終わることが出来たのは良い出来だったと評価していた。

DPRKはパス回しも正確だったし、縦一発的に攻め上がってくるのは一寸脅威に感じていた。しかしながら、意外なほど「決めに行く形」が出来ておらず、解説の福田正博が指摘していたように力任せの「やや無理筋」で「不正確」のロングシュートとミドルシュートを多発する傾向が見られたので、我が方は失点の危機から救われていた。

申し訳ないことに氏名を失念したが、高校生のディフェンスバック(フットボールでの名称)が献身的にDPRKの猛攻を防いでいたのが良かった。解説の大竹七未さんも「なでしこの人たちも安閑としてはいられないだろう」と賞賛したほどで、私は若かりし頃の冨安健洋の強さを思わせられていた。

後半に入ってからはCKからや、見事な判断でのミドルシュート、千葉が単独でペナルティーエリア内まで持ち込んでからGKの頭上を脱いで4点目とするなど攻め続けて、DPRKの組織的ではない攻め上がりを不発に終わらせていた。4対1ほどの得点差がでるとは予期していなかったが、あの数少ないチャンスをものにしたオフェンス力と、DPRKの力感溢れるオフェンスを1失点に抑えた守備力を褒め称えたかった。

案じていた「過剰な闘志の表現」は後半に一度だけ現れて、僅か1枚のイエローカーに終わったのも意外だった。だが、私が思うのは「もしかすると、DPRKは韓国との試合だけには止むに止まれず、命じられた通りの要らざる敢闘精神を発揮するのではないのか」なのである。彼らは対戦相手次第で戦法を使い分けていると見た。

この大会用に緊急で集められた顔ぶれでも、短い間にティームとしての纏まりが出来て、攻守共に形が整っていたのは、選手たちの努力も褒め称えたいのだ。それに加えるに、優勝するまでの次元にまで高めていった監督さんの指導力にも心から敬意を表したい。本日は男子が韓国代表と優勝を争うが、女子に続いて宿敵を圧倒することを期待して終わる。

なお、お断りしておくと、私はこの大会もオリンピックも「世界のメダル獲得選手権大会」ではないと認識しているので、「金メダル」だの何のという表現は一切使わない。