新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本大学フェニックスの選手が犯した悪質なプレー

2018-05-14 17:14:07 | コラム
テレビのニュースショーで話題にされてしまった:

フットボールに関心をお持ちでない方には「何のこと?」と思われただろう話題だが、去る6日(日)に調布のアミノバイタル・スタジアムで行われた歴史ある対関西学院ライターズとの定期戦で発生した問題のことだ。私はこの試合を見に行っておらず、何日か後の朝日新聞デジタルだったかで採り上げられたので知り、動画まで見てしまったのだった。その動画を見ても明らかで、日大のデイフェンス・ライン(DL)の選手か犯した関学のQBに仕掛けた反則は確かにあってはならない悪質なものだった。

それが1週間以上も経った今になって、今朝は(私は見る機会がなかったが)TBSが採り上げたそうだし、午後になってからは日テレの「ミヤネ屋」ではかなり時間をかけて立命館大学OBの解説まで入れて報道してしまった。日大フェニックスにとっては誠に以て不名誉なことだったと遺憾に思っている。

私が戦後間もなくからのフットボールファンとして、フェニックスのフットボールを見るようになってからは、早くも40年近くになっていると思う。その私が認識しているフェニックスのフットボールは非常に反則が少ないのが特色であり、その強さとフェアープレー徹した試合振りには好感を持っていた。そのフェニックスが事もあろうに長年の宿敵であり対戦すれば常にフットボール愛好者を沸かしてきた相手の関西学院大学ファイターズを相手にしてあれほどの反則をするとは想像もできなかった。

特に日テレでは繰り返し見せたビデオでの最初の反則は将にあってはならない、フェニックスともあろうテイームが犯すような反則ではなかった。あれは将に悪質であると非難され批判されても弁解のしようもないものだったと、フットボール経験者でもない私にも解る程度だ。しかも、あのプレーヤーはそれにも似た悪質な俗に言うlate hit を2度もやるとは信じがたいものだった。

ミヤネ屋ではフェニックスの内田監督が「(相手の)QBを殺してこい」と命じたとチャート(「フリップ」は誤ったカタカナ語である)が出た。事ここに及んで揚げ足を取っても仕方がないが「怪我をさせてこい」とは本気になって言うとは思えないが、例えば「そこまでの覚悟で厳しく当たってこい」とは例え話で言うことはあるとは思う、だが、その時に出す指示は「壊す気でやって来い」だと思うのだ。

私の昭和20年からのサッカーの経験でも「壊しても構わぬ」辺りが限界だった。まさか、フェニックスの監督がその気になって出す指示とは思えないのだ。

何れにせよ、あのDLの選手がやったことは弁解の余地もなかったことで、退場の処置は当然だっただろうとは思う。だが、私は宮根がと言うか、読売テレビがフットボールの関係者でもない法科大学院の教授に「犯罪的だ」とまで言わせたのは行き過ぎだと思って聞いていた。ここであの選手がもし言い訳ができるとしたら、犯罪までも犯そうとして、あの「アンスポーツマンライクコンダクト」を犯そうとしたのではないと思う。限界までの興奮状態で試合をしているのがフットボールなのだ。

彼は監督の指示を受けて一所懸命にやったことが、あの結果になったのではなかろうか。だからと言って、私はあの選手を擁護しようとは考えていない。番組では鈴木大地スポーツ庁長官にまでコメントをお願いしていたが、あの場で長官が「あのくらいは仕方がないとしても、フェアープレーに徹すべきだった」という程度のことを言われる訳がないので、聞いている側には日本大学フェニックスの徹底的糾明の場となってしまったと思わせられた。

関西学院大学ファイターズの鳥内監督は日大の謝罪を求めておられると報じられている。そう言われるのは解る気がする。私はこの場を収める為には、我が国の文化である「謝罪」が日本大学フェニックスに求められると思っている。さもないと、二つのキー局が採り上げて大事にしてしまった現在では、フットボール協会も現状のままで放置しておけないことになって、日本大学フェニックスに何らかの処罰を科す事態すら考えられる気がするのだ。

そこまでの事態に立ち至る前に、日大側が適切な処置を講じて欲しいと願っている。

トランプ大統領の保護貿易政策

2018-05-14 07:57:50 | コラム
>輸入自動車に20%の関税を:

ウオールストリートジャーナルが「トランプ大統領が輸入される自動車に20%の関税を賦課することを計画している」と報じていた。善意で解釈すれば「何としても苦境に喘ぐデトロイトを輸入車を閉め出す作戦であらためて保護し、同時に貿易赤字削減対策の一環としようとする一石二鳥の政策であり、トランプ大統領が掲げる『アメリカファースト』の精神が滲み出ている」と思わせてくれる。

20%とは極めて高率であるが、私にはトランプ大統領がこの数字に至るまでに慎重且つ綿密な市場調査や当該輸出国の自動車輸出政策を実施された結果であるかどうかなどは知る術もない。望むらくは20%が英語に言う The number was not grabbed out from the air. 即ち、偶々大統領の脳裏に閃いた数字でない根拠がある値であることだ。この高率では、もしもアメリカが本当にこれだけの関税を実行すれば、我が国も欧州の大手メーカーも痛手を被るだろう事は想像に難くない。

誰にでも読めそうなこの関税の裏にある狙いはと言えば「トランプ大統領が就任早々から推してきたメキシコ等の国外で車でも何でも生産してアメリカに輸出するのではなく、アメリカ国内での job (これを「雇用」と訳すのは誤りだ!)を増やす為に生産拠点をアメリカ国内に移せ」ということだとしか考えられない。視点を変えれば「デトロイト等の所謂ラストベルトでは雇用状態も芳しくないので、自らの支持層を支援しようとの大統領の先を見据えた魂胆が丸見えだ」と、なるのではないか。

その限りでは公約を忠実の実行して行かれる大統領は立派であるが、それらを確実に現実のものとしていく為には「何事も何者も自分の行く手を遮らせない」というトランプ大統領の固い固い決意のほどが見えてくる。それはそれでアメリカ国民、就中プーアホワイト以下の大統領を支持する労働者階級の階層にいる連中にとっては歓迎すべき事だろう。

だが、私が思うには我が国やドイツとうの自動車メーカーがアメリカ国内に工場を新設できて沢山の組合員を雇用できるまでには数年は要するのではないだろうか。それまでには貿易赤字が目に見えて減少するとは考えられないし、日本車や欧州車の熱烈な需要家たちは多少高額になろうとも、アメリカ産よりも性能が優れた車を買い続ける事もあるだろうとはお考えにならなかったのだろうか。

私は飽くまでも国内の製造業を保護されて、世界の対アメリカ輸出国と「アメリカファースト」の旗印を掲げて戦っていくおつもりなのかと疑っている。国内のユーザーや最終需要者たちが、自分の好みに合った製品を購入する時に「貿易赤字」までを考慮して行動する国民なのかとお考えになったことがあるのか。彼らはトランプ大統領と同様に「自分が良ければ」と「自分の好みと主張は譲らない」アメリカ人の集団なのである。私は成り行きを見守るだけにしていこうと当面は考えている。