我が国の外交姿勢は、特に対アメリカとの貿易赤字問題では弱い:
昨4日の夜は見たいと同時に見るべき番組が多かったのだが、虚を突かれたようなピンポンの世界選手権での南北合同テイームの結成による我が国の女子代表選手たちが不条理に苦戦させられる有様に釘付けにされてしまった。その為に関心があったPrime Newsの対アメリカと中国の通商問題の討論を見るのが中途半端に終わってしまったのはやや残念だった。
そこで先ずピンポンの方から入っていこう。私独特の深読みをすれば、彼らROKとDPRKの両代表は準決勝で我が国と当たると知って急遽合同テイームを結成しようと決めて、ITTFだったかを何とか納得させて競技が進行中に彼ら同士の対戦を避けて、世界的にも高水準にある両国の選手3人で我が国の伊藤美誠、石川佳純と平野美宇に当てる作戦に出たと解釈している。何をしても対日無罪の筆法だろう。
特に石川佳純に当てたキム・ソンイ(DPRK)は大変な難敵で私は10対6とマッチポイントを握られた時には「最早これまでか」と諦めかけたほどだった。そこをひっくり返した石川の精神力には幾ら敬意を表しても足りないくらいだった。兎に角、あの両国は、事相手が我が国となると形振り構わずに無茶苦茶を仕掛けてくるようだ。その無法振りを認めた協会の姿勢も大いに疑問だ。何が何でも勝って良かったが、男子は何故か単独の韓国のテイームに負けてしまった。
懸案のPrime Newsだが、議論は思ったほどに強烈でもなく強硬派がいなかったのは意外だった。特に自民党の阿達雅志(東大卒→住友商事出身)の議論は生ぬるく何かに遠慮しているかの如くだったのは興味半減だった。私には中部大学の特任教授だったかの通産省出身の細川昌彦氏(灘高→東大卒)が「80~90年代の日本とアメリカの貿易摩擦の時代を経験した者としては我が国対アメリカの交渉姿勢は弱い。もっと堂々とWTO違反と訴えて出るべきだ」と指摘したのが最も良かったと思う。
これなどは当然言うべき事を普通に言っていただけで、何ら勇気があった訳でも何でもないのだ。70年代から20年以上も対日輸出の第一戦にあった私からすれば、我が国はというか政府も閣僚も、もっと直接的にアメリカの輸出能力の低さと自らの非を認めずに何でも我が国の責任であるが如くに難癖を付けてくることの誤りを、論争と対立を怖れずに主張して然るべきだと思っている。この点は指摘してやって当然の事柄である。
私はトランプ大統領が大統領として貿易赤字を削減しようと言われるのは普通だし、特に間違っているとは思わない。だが、細川氏も指摘されたように30年も前の貿易摩擦の時期に何あったのか、何故アメリカは大きな赤字を抱えるようになったかをご存じで言っておられるとはとても思えないのだ。また、何かと言えば、デトロイトの詭弁を信じて「我が国が非関税障壁を設けてアメリカ産の自動車を輸入しないのが怪しからん」と言うのは、自国の問題点を全く認識していないからこそ言える台詞だと思う。
私は何度「未だに左ハンドルの車しか作らない姿勢を反省もしていないのは不当である。ドイツを筆頭に欧州車が何故我が国で売れているかを知ろうともしないのか」と批判し続けてきた。英語の表現では右ハンドルの我が国の車は The steering wheel is on the wrong side. となってしまうのだ。即ち、「ハンドルが誤った位置にについている」という観念なのだ。誤った位置に付けているのは自分たちだという自覚がないのだ。
細川氏はこの件の締めくくりで興味深いことを言っていたのには同感だった。それは「もしも、我が国がそれではアメリカ産の車を100万台輸入しましょう」と言ったならば、その場合に入ってくるのはアメリカで製造されたトヨタやホンダの車になることになってしまうぞ」だった。現に、所謂逆輸入の車は入ってきている。私は細川氏の言を借りるまでもなく、政府なのか経産省なのか、茂木大臣なのか知らないが、デトロイトに向かっては「貴方たちが如何に誤っているか」を怖めず臆せずに言って聞かせるべきだし、ライトハイザーUSTR代表もこれくらいのことが解っていないはずはないと思っている。
私はトランプ大統領にいくら我が国から言うべき事を堂々と申し入れても、我が国に対する姿勢は変わらないと思っている。それは側近からのブリーフィングもご進講も不十分かも知れないし、大統領自身の経験と経歴から考えても細川氏が言われる30年も前の貿易摩擦時代の実態は誤損じなかっただろうし、仮令聞かされても容易に理解できないだろうと思うからだ。それに大統領が抱えている中間選挙もあればロシア疑惑もあるし、女性関係の醜聞もあるから何としても点数を稼ぐ必要があるのだ。
手っ取り早い例を挙げておくが、90年代に全アメリカ第2位の対日輸出会社だった我がW社は、最早2000億円にも満たなかった金額の過半数を占めていた紙パルプ製品部門から撤退してしまったので、昨年からはその分だけでも赤字は増えていたのだった。これが無くなれば、アメリカ西海岸からの対日輸出は激減するのだ。その分を誰がどうやって埋めるというのか。
昨4日の夜は見たいと同時に見るべき番組が多かったのだが、虚を突かれたようなピンポンの世界選手権での南北合同テイームの結成による我が国の女子代表選手たちが不条理に苦戦させられる有様に釘付けにされてしまった。その為に関心があったPrime Newsの対アメリカと中国の通商問題の討論を見るのが中途半端に終わってしまったのはやや残念だった。
そこで先ずピンポンの方から入っていこう。私独特の深読みをすれば、彼らROKとDPRKの両代表は準決勝で我が国と当たると知って急遽合同テイームを結成しようと決めて、ITTFだったかを何とか納得させて競技が進行中に彼ら同士の対戦を避けて、世界的にも高水準にある両国の選手3人で我が国の伊藤美誠、石川佳純と平野美宇に当てる作戦に出たと解釈している。何をしても対日無罪の筆法だろう。
特に石川佳純に当てたキム・ソンイ(DPRK)は大変な難敵で私は10対6とマッチポイントを握られた時には「最早これまでか」と諦めかけたほどだった。そこをひっくり返した石川の精神力には幾ら敬意を表しても足りないくらいだった。兎に角、あの両国は、事相手が我が国となると形振り構わずに無茶苦茶を仕掛けてくるようだ。その無法振りを認めた協会の姿勢も大いに疑問だ。何が何でも勝って良かったが、男子は何故か単独の韓国のテイームに負けてしまった。
懸案のPrime Newsだが、議論は思ったほどに強烈でもなく強硬派がいなかったのは意外だった。特に自民党の阿達雅志(東大卒→住友商事出身)の議論は生ぬるく何かに遠慮しているかの如くだったのは興味半減だった。私には中部大学の特任教授だったかの通産省出身の細川昌彦氏(灘高→東大卒)が「80~90年代の日本とアメリカの貿易摩擦の時代を経験した者としては我が国対アメリカの交渉姿勢は弱い。もっと堂々とWTO違反と訴えて出るべきだ」と指摘したのが最も良かったと思う。
これなどは当然言うべき事を普通に言っていただけで、何ら勇気があった訳でも何でもないのだ。70年代から20年以上も対日輸出の第一戦にあった私からすれば、我が国はというか政府も閣僚も、もっと直接的にアメリカの輸出能力の低さと自らの非を認めずに何でも我が国の責任であるが如くに難癖を付けてくることの誤りを、論争と対立を怖れずに主張して然るべきだと思っている。この点は指摘してやって当然の事柄である。
私はトランプ大統領が大統領として貿易赤字を削減しようと言われるのは普通だし、特に間違っているとは思わない。だが、細川氏も指摘されたように30年も前の貿易摩擦の時期に何あったのか、何故アメリカは大きな赤字を抱えるようになったかをご存じで言っておられるとはとても思えないのだ。また、何かと言えば、デトロイトの詭弁を信じて「我が国が非関税障壁を設けてアメリカ産の自動車を輸入しないのが怪しからん」と言うのは、自国の問題点を全く認識していないからこそ言える台詞だと思う。
私は何度「未だに左ハンドルの車しか作らない姿勢を反省もしていないのは不当である。ドイツを筆頭に欧州車が何故我が国で売れているかを知ろうともしないのか」と批判し続けてきた。英語の表現では右ハンドルの我が国の車は The steering wheel is on the wrong side. となってしまうのだ。即ち、「ハンドルが誤った位置にについている」という観念なのだ。誤った位置に付けているのは自分たちだという自覚がないのだ。
細川氏はこの件の締めくくりで興味深いことを言っていたのには同感だった。それは「もしも、我が国がそれではアメリカ産の車を100万台輸入しましょう」と言ったならば、その場合に入ってくるのはアメリカで製造されたトヨタやホンダの車になることになってしまうぞ」だった。現に、所謂逆輸入の車は入ってきている。私は細川氏の言を借りるまでもなく、政府なのか経産省なのか、茂木大臣なのか知らないが、デトロイトに向かっては「貴方たちが如何に誤っているか」を怖めず臆せずに言って聞かせるべきだし、ライトハイザーUSTR代表もこれくらいのことが解っていないはずはないと思っている。
私はトランプ大統領にいくら我が国から言うべき事を堂々と申し入れても、我が国に対する姿勢は変わらないと思っている。それは側近からのブリーフィングもご進講も不十分かも知れないし、大統領自身の経験と経歴から考えても細川氏が言われる30年も前の貿易摩擦時代の実態は誤損じなかっただろうし、仮令聞かされても容易に理解できないだろうと思うからだ。それに大統領が抱えている中間選挙もあればロシア疑惑もあるし、女性関係の醜聞もあるから何としても点数を稼ぐ必要があるのだ。
手っ取り早い例を挙げておくが、90年代に全アメリカ第2位の対日輸出会社だった我がW社は、最早2000億円にも満たなかった金額の過半数を占めていた紙パルプ製品部門から撤退してしまったので、昨年からはその分だけでも赤字は増えていたのだった。これが無くなれば、アメリカ西海岸からの対日輸出は激減するのだ。その分を誰がどうやって埋めるというのか。