新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月18日 その2 プーチン大統領の来日に思う

2016-12-18 10:44:47 | コラム
安倍総理には申し訳なかったが:

私は会談の成果としては北方領土の返還等の良い話が進むことなどがあるとは思わないようにしていた。それは、期待値を低く設定しておけば何らかの成果が挙がった時の喜びが大きいだろうという、単純且つ幼稚な思いに発していた。非常に良くない譬えであるとは承知で言えば「他人から奪い取ったものを、奪い取った側がその非を認めて潔く返すか」というものだ。相手は何分にも何年も連続して世界で最も影響力がある人に選ばれているのだから、そう思っている方が落胆しないで済むかと考えた次第。

ロシアは経済的にも不調であり、ウクライナ問題に続いてシリアにも介入し、石油の価格も思うに任せぬ状態にあれば、プーチン大統領が訪日してまでも、何らかの自国にとって好都合な条件を引き出しにかかるだろうことは私にでも予想出来た。安倍総理もその点は十分に読み切っておられて、あれだけの厚遇をされたのだろうと拝察していた。

私には対ロシアの交渉事が表でも裏でも如何なる形で、誰が中心になって推し進められているのかなどは知る由もない。だが、こと白人相手の話し合いであれば「論争と対立を恐れずに」は大原則であるが、「先手必勝」も忘れてはならないと思っている。更に「これを言うことで失うものはない」的な切り出し方を外務大臣と外務省が何処まで出来ているのかが、偉そうに言えば、非常に気になっている。私は彼らを恐れる必要など毛頭ないと経験上も確信している。

彼らだって外国人との交渉に最初から馴れている訳はなく、文化の違いだって十分に弁えてかかっているとは思えないのだ。私には何も対ロシアや対アメリカに限ったことではないが、我が国の交渉や話し合いの仕方は奥床し過ぎるし、相手の立場を尊重し過ぎるし、議論の進め方も丁寧過ぎるように思えてならない。特に中国や韓国のように我が国を敵視する相手にも、礼節を重んじ過ぎているかのようで歯痒い。彼らの無礼な言動に対しては堂々と言い返して何を失うかと思う時が多い。

要するに、如何ともしがたい事実だが、我が国は隣人と言うか隣国に恵まれていないように思えてならない。今更引っ越す訳には行かない以上、言うべきことを堂々と言って相手に「意外な出方をされた。今後は日本との対処法を考えねば」と思わせるような、広義の国際化も必要なのだと思っている。これまでのやり方は読まれているのではないか。謙譲の美徳やおもてなしは国内だけに止めておけば良いのだ。


ラス・ベガスの思い出

2016-12-18 09:53:08 | コラム
ラス・ベガスでは思わぬ勉強をさせて貰いました:

1994年2月にラス・ベガスのカジノで見たままを記憶を辿って。カードでのゲームでを見ていて美しい女性デイーラーの何とも美しく華麗な手さばきというか、カードの扱いに魅せられました。その鮮やかにカードを切る、シャッフルする手の動きの美しさに見とれました。勿論、男性のデイーラーもいますが。カードは一度使う毎に捨ててしまうので、台に備えられたスリットの中にポイと入れていました。

凄いと思ったことは最初というかある程度はお客が勝っていくのですが、その勢いに乗って大きく賭ける時でした。こういう時でもどう見てもお客に有利な手札になっているのですが、そこで乾坤一擲とデイーラーが引く札は一発大逆転なのです。その凄さをお客は解っていると思うのですが、兎に角やられました。それでもはる側は怖めず臆せず更に勝負を挑んでいっては負けるという形でした。仕掛けがあるとまでは思いませんでしたが、勝負の恐ろしさを十分に見せつけられました。

あの雰囲気は後ろで見ているだけでも息が詰まりそうになりましたし、あの場内の豪華な空気に触れれば病みつきになりそうだと思わせられました。記憶では社長さんに「後ろで見ていて邪魔にならないか」と確認してから数時間見とれていました。Mirage Hotelはラス・ベガスでも大きな方でしたが、確か一泊が$100にも満たず、部屋の中も所謂アメニティー・グッズは簡素なものでした。要するに、カジノで沢山使ってくれと言わんばかりの設定と解釈しました。

その時の仕事とは、バブル期にラス・ベガスに大規模なアパートを買っていた自営業の社長さんが、破裂後に如何に損失を最小限に食い止めて処分するかの旅に、現地の人たちとの交渉の通訳を依頼されたのでした。朝から晩まで現地視察や厳しい交渉が続き四泊五日ほどの滞在中に遊ぶ暇などなく、夕食中にも話し合いが続くという日程でした。やっと一晩だけ慰労にとSiegfried & Royの素晴らしいマジックショーを見せて貰ったのですが、その際にも話し合いが続くのでした。

といったような次第で、全く未知の世界のことで思わぬところで勉強になりました。在職中には行こうとも行きたいとも思っていなかったラス・ベガスにこういう形で行くこともあるのです。余談ですが、ラス・ベガスは砂漠の中にあるので、夜間は気温が急降下するから注意せよと警告された通りに風邪を引かされました。