2013年度の世界上位30ヶ国の紙・板紙の消費量:
アメリカの紙パルプ産業界の調査機関、RISIが昨13年度の全世界の紙・板紙の生産と消費量の統計を発表した。それによれば、消費は対前年比0.7%増の4億364万 ton、生産は0.8%増の4億261万 tonとはなっていたが、欧州は消費が▲0.7%で生産が▲1.0%、北米は消費が▲0.1%で生産は▲0.3%という具合で、先進国は挙ってマイナス成長。我が国は消費が▲1.7%で生産は▲0.6%で、遺憾ながら先進国であることを証明する結果だった。
この理屈はICT化が目覚ましく進んだ先進国では印刷(紙)媒体の続落傾向が続き、それが紙・板紙の消費量の減少に繋がっているということだ。私は大変遺憾な現象であると捉えている。即ち、全世界の消費の伸びは中国を始めとする途上国での成長が支えているということだ。中国は消費量が2.0%で生産量は3.1%という先進諸国との対比では目覚ましい?成長を維持していた結果となっていた。
因みに、アジア30ヶ国ではでは消費が1.8%で生産は2.6%の伸びを示していた。さらに中国は世界第1位の生産国で1億469万 tonで、何と世界全体の26.0%を占めていた。アメリカが世界第2位で17.8%、我が国は第3位でありながら6.8%だったのだ。因みに、全欧州の175ヶ国でもシェアーは26.3%に過ぎなかった。今や、紙・板紙の消費量が減少することが先進国である証明になるという皮肉な世の中になってしまった。
そこで、私の主張である「中国を何かにつけて世界第1位と言うのはおかしい。その13億超の人口を考えて言え」に基づいて、上位30ヶ国の人口1人当たりの消費量を採り上げていこう。この統計では中国の人口は13億8,469億人となっている。
第1位は12年と同様にベルギーで294.5 kgで前年比▲1.9%、2位はオーストリアで250.6 kgで+2.1%、3位はドイツで236.2 kgで▲0.8%、4位はアメリカで224.0 kgで▲0.9%、5位が我が国で215.1 kgで▲1.6%だった。以下、第6位のフィンランドは+2.4%だったが、7位の韓国は▲2.8%、8位のデンマークは▲4.6%、9位のスウエーデンは▲1.0%、10位のオランダが▲0.6%だった。
このように上位10ヶ国中では2国がプラス成長だっただけの事実に、私はICT化の悪影響を見出さずにはいられないのだ。因みに、第20位はチェコで134.7 kgの▲5.4%、30位にはポルトガルが12年と同様に108.3 kgながら0.5%の伸びを見せていた。問題の中国は73.2 kgで対前年比1.4%の成長だった。とは言え、GDPと同様に、アメリカや我が国のほぼ3分の1程度で、30位のポルトガルと比べてもその70%位である。ここに人口が大きいことの影響があるのでは。
私はICT化の進捗が紙・板紙の需要にマイナスに作用するのもさることながら、これから先の世界の消費と需要の伸びを支えていくのは中国を始めとする新興勢力となることが益々明瞭になって来たと思わせてくれた統計だったと痛感する次第だ。最早、紙の消費量は一国の文明を表す尺度ではないのだ。
参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE 14年11月24日号
アメリカの紙パルプ産業界の調査機関、RISIが昨13年度の全世界の紙・板紙の生産と消費量の統計を発表した。それによれば、消費は対前年比0.7%増の4億364万 ton、生産は0.8%増の4億261万 tonとはなっていたが、欧州は消費が▲0.7%で生産が▲1.0%、北米は消費が▲0.1%で生産は▲0.3%という具合で、先進国は挙ってマイナス成長。我が国は消費が▲1.7%で生産は▲0.6%で、遺憾ながら先進国であることを証明する結果だった。
この理屈はICT化が目覚ましく進んだ先進国では印刷(紙)媒体の続落傾向が続き、それが紙・板紙の消費量の減少に繋がっているということだ。私は大変遺憾な現象であると捉えている。即ち、全世界の消費の伸びは中国を始めとする途上国での成長が支えているということだ。中国は消費量が2.0%で生産量は3.1%という先進諸国との対比では目覚ましい?成長を維持していた結果となっていた。
因みに、アジア30ヶ国ではでは消費が1.8%で生産は2.6%の伸びを示していた。さらに中国は世界第1位の生産国で1億469万 tonで、何と世界全体の26.0%を占めていた。アメリカが世界第2位で17.8%、我が国は第3位でありながら6.8%だったのだ。因みに、全欧州の175ヶ国でもシェアーは26.3%に過ぎなかった。今や、紙・板紙の消費量が減少することが先進国である証明になるという皮肉な世の中になってしまった。
そこで、私の主張である「中国を何かにつけて世界第1位と言うのはおかしい。その13億超の人口を考えて言え」に基づいて、上位30ヶ国の人口1人当たりの消費量を採り上げていこう。この統計では中国の人口は13億8,469億人となっている。
第1位は12年と同様にベルギーで294.5 kgで前年比▲1.9%、2位はオーストリアで250.6 kgで+2.1%、3位はドイツで236.2 kgで▲0.8%、4位はアメリカで224.0 kgで▲0.9%、5位が我が国で215.1 kgで▲1.6%だった。以下、第6位のフィンランドは+2.4%だったが、7位の韓国は▲2.8%、8位のデンマークは▲4.6%、9位のスウエーデンは▲1.0%、10位のオランダが▲0.6%だった。
このように上位10ヶ国中では2国がプラス成長だっただけの事実に、私はICT化の悪影響を見出さずにはいられないのだ。因みに、第20位はチェコで134.7 kgの▲5.4%、30位にはポルトガルが12年と同様に108.3 kgながら0.5%の伸びを見せていた。問題の中国は73.2 kgで対前年比1.4%の成長だった。とは言え、GDPと同様に、アメリカや我が国のほぼ3分の1程度で、30位のポルトガルと比べてもその70%位である。ここに人口が大きいことの影響があるのでは。
私はICT化の進捗が紙・板紙の需要にマイナスに作用するのもさることながら、これから先の世界の消費と需要の伸びを支えていくのは中国を始めとする新興勢力となることが益々明瞭になって来たと思わせてくれた統計だったと痛感する次第だ。最早、紙の消費量は一国の文明を表す尺度ではないのだ。
参考資料:紙業タイムス社刊 FUTURE 14年11月24日号