新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

民主党が敗北

2014-11-06 16:01:01 | コラム
勿論アメリカの民主党のことだが:

民主党の不利が予想されていたアメリカの上・下院の中間選挙では、その通りに共和党の勝利に終わった。長年、共和党派が圧倒的に多い会社にいたので、これは結構なことだとは思う。参考までに当確とされた分も含めた結果では、共和党は上院で45議席を52に、下院では 233議席を242に増加した一方で、民主党は上院で 53議席を43に減らし、下院では 199議席を174に減らしていたようだ。

私は民主党が敗れたとは言っても、我が国及び他の民主主義国というか保守派に属する諸国にとっての “Good news” =「朗報」と受け止めるのは時期尚早だと思っている。根拠はこれから述べていく。

私はオバマ大統領が選出されて以来、ほぼ彼を批判し続けて来た。それは人種問題などに基づくものではなく、あの当時の誰が選ばれても苦心惨憺するはずの混乱を極めたアメリカの政治・経済・外交・軍事の時期に、喩え上院議員を一期務めたという売りがあっても「政治・経済・外交・軍事・防衛等々の面での素人に近い人物を選んだしまった以上、何を彼に期待するのか」という古き友人の嘆きを尤も至極と受け止めて、そのように言い続けてきた。

また、第一次クリントン政権の際の対日政策に見せつけられた好意的とは言えぬ姿勢を、と言うか当時我が国で自虐的に流行った「ジャパンバッシング」であるとか、「ジャパンナッシング」に表されたように、私は悪意的であるとすらに見ていた。そこにはクリントン大統領の我が国に対する無知に近い知識と勉強不足もあったと確信している。

その後の二期にわたったブッシュ政権をここでは敢えて語らない。あれで良かったと強引に理由付けすれば、それは先代のブッシュ大統領は我らが George WeyerhaeuserのYale大学の同級生であり、大統領自らが本社を訪れていた間柄であるから辺りだという偏向振りだ。

さて、オバマ大統領である。私は今日まで繰り返して彼の政治・経済・軍事それも中近東対策、外交の面での政策の不手際だけならまだしも、何にごとにおいても優柔不断→決断できないか、決めようとしない姿勢、世界の警察官であることを放棄するとの声明等々を批判してきた。そして、彼を今日の力不足の世界のリーダーのリスト載せてきた。他に誰がこのリストに載っているかは言うまででもあるまい。

私はオバマ大統領がこのまま後2年間も所謂 lame duck と揶揄されながらアメリカだけでも統治し続けて、世界に要らざる負の影響を与え続けるかと思う時、些か憂鬱にならざるを得ない。かと言って、能力不足だからと言う理由で弾劾(確か”impeachment”と言った気がする)する訳にも行くまい。ニクソンはその前に辞任したが、事の性質が違う。

しかも、私が怖れるところは中間選挙で勝利したとは言え、対抗する共和党の大統領候補者不足問題がある。彼等は前回も Tea Party とやらに振り回されていた。今度こそは立ち直りを期待したい。

私が知る限りのマスコミ報道では民主党の次なる有力候補はヒラリー・クリントンだとされている。私が最低限言えることは「恐らく政治の経験は少なくともオバマ現大統領よりは豊富であり、あれほど優柔不断ではあるまいな」程度だ。少なくとも、我が国を丁重に扱わなかった民主党員であることはオバマ大統領とも、彼女の夫であるビル・クリントン元大統領とも同じではないか。

私は上院で共和党が8議席伸ばしたということは、全米の少なくともこれに相当する州民が民主党を選んだことを悔いていると思いたい。だが、間もなく3億1,600万人のアメリカの人口の半数を非白人(即ち、少数民族、ヒスパニック、アジア系、非合法の移民その他)が占める日が迫っていると言われているアメリカで、オバマ大統領の支持層は彼等なのである。彼はその支持層に迎合する法案を次々の繰り出していたのだ。彼等が共和党支持に回るか?

私は何時ものように悲観的にならざるを得ないのが残念だ。