湯の字にっき

日々の日記をつらつらと綴っております

さよならまた逢う日まで

2011-05-23 | 畑中さんのこと。
WPC×ピウス新シリーズ第一弾!!
『さよなら また逢う日まで』
 脚本:ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)
 演出:中村暢明(JACROW)
 出演:(五十音順)柄谷吾史(アクサル)/倉貫匡弘/櫻井章喜(文学座)
    佐藤美貴/鈴木 凜/中村哲人/畑中智行(キャラメルボックス)
    林 修司(ルドビコ★)/三上 俊(スタジオライフ)

強盗に失敗し、ひとりで罪を被った男。
 4年の服役を終え、男は出所してきた。それから間もなく。
 男は、昔の仲間と新しいメンバーを集め、
 新たな計画を実行しようとするが…。

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面白かったんだよね、これがまた。
誰が誰を騙しているのか、何を欲してここにいるのか。
見れば見るほどわからなくなってくる。

最初はハッピーエンドで終わると、どっかでひっくりかえらないかなと思ってたのだ。
おもちゃのライターの銃がそこにあって、どこかで取り違えてて
みんな撃たれた振りして倒れてるけど。青木と大久保がいなくなったら
昔の仲間でみんな笑いながら出て行くんでしょ。またなって言うんでしょって思ってたんだけど。
佐々木が撃たれて倒れたシーンで、もう展開の逆転は望めないなぁと思って
何回も見るの辛いなぁと思ったんですけど。
それが2度目に見てからはいろいろ探る目で見るようになって
さらに5/6の日に何かすごい自由になった気がして、ものすごい面白くなって
音楽もある程度身体に刻まれてきたし、
後は終るのが勿体無いくらいで見ていて毎回楽しかった。

まず初日のプレビューは重いなっていうか長いなと感じたんですが
1時間35分という割りに2時間くらいに感じて。
でも終えてみると、時間は本当に1時間半くらいしかたってない

以前、花組芝居の百鬼夜行抄の時も感じたけど濃密というか
濃い時間の流れって情報量が多いと、体感が遅いのかなー。

最初の2回は下手側で見て
ラストのあのシーンは千葉の向こうに見える十字架がきれいなもんだから
絶対下手の方がいいよなー、残り、上手ばっかりで残念かもと思ってたんですけど。

上手で初めて見てびっくりした。宮下の最後のあの笑み! 
いやもうタイミングもすばらしくてあの瞬間にやられたっと思いました。
暗転直前というか、笑みを見せてのブラックアウト。
あの女なら騙されてもいいか。というかしょうがないんじゃない?

見ている時は主犯宮下、佐々木共犯説で見てました。
宮下のダンナは架空でもなく、ちゃんといて、あの時に佐々木のせいで死んだと。
宮下のダンナが死んだ話をしている時、人の輪の外側を向いている佐々木。
あの時の佐々木に後悔を見てたんだけど。本当はどうかな。
森と同じ名前の指輪は宮下のフェイクで、佐々木をミスリードする為に用意してたと。
森とは過去に関係はあったかもしれないけど今はない。
佐々木と森、どちらが残っても要らなかった?
それとも、宮下は誰かと二人で逃げたかった? 

佐々木はもうそんな宮下から開放されたかった?
4年前は信じられたかもしれない宮下を、今回もう信じられなくなった。
森のことも、もしかしたら他の男とも自分と同じように通じてる?

彼の「さよなら」はどんな気持ちで言ったのだろう。
撃たれるのがわかってて背を向けた? 
それでもいいと思ってた? 
みんな疑問系だ。

プリペイドの携帯を受け取って開く時に宮下があちこちに視線を飛ばしてるんだよね。
それを追いたいのだが、私の目はかっこいい佐々木に釘付けなので
誰を見たのかはわかってなくて、DVDになってくれたらなぁ
生だとどうしても畑中さん見ちゃうのよ。

宮下と千葉との関係がよくわからなくて、
過去の森との過失を佐々木にばれるきっかけを作ったのは千葉で、
そのことで宮下が撃たれたのなら。悪かったと思ってるのかなと。
あと4年前のわからなくなったお金も最初、佐々木→宮下かと思ってたけど
千葉→宮下もありかなぁとも思う。

伊藤の「長谷川とドライブかぁ」
この台詞がなんかすんごく好きで。この時の彼を見る限り白かなと思う。
最初復讐するつもりで集めたのかもしれないけど、でも会って話して勝ち逃げでなく、
勝ち続けたくなったのか。

「勝ち逃げは出来ない」
「勝ったら、やめられない」

4年前の彼らはどんな会話をしていたのか
4年間彼らはどんな思いで生きてきたのか


ポケットトイレの話の時、銃で。といって佐々木を見つめる宮下の表情は見えないけれど。
その視線の先の佐々木の宮下を見つめ返す目の色が暗くて。
これは宮下の復讐だったのかな。

自分を置き去りにした仲間への。
密かに自分を見下していた女 矢野
自分を信じてくれなかった男 佐々木
佐々木を裏切らせた男 森
悔いてる自分に気付かせた男 千葉
過去と再会させた男 伊藤 
変わらないといって違いに気付かせた男 長谷川

でも、そんなことを思うのは「愛してた」までで
ラストの宮下の笑みを見た後だとそんなの飛んじゃうんだよなぁ。
いっそ、宮下のダンナが大久保で二人で金持って逃げてればいいのに。

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