トップ・スター、ケヴィン・コスナーが自ら製作し、監督した野心作。1863年、南北戦争の激戦地。その自殺的行為から英雄となり、殊勲者として勤務地を選ぶ権利を与えられたジョン・ダンバーは、当時の最西部で、かねてより興味を持っていたダコダにあるセッジウィック砦を望んだ。常人なら孤独に耐え兼ね、精神を病んでしまうような荒野に、次第に魅了されてゆくダンバー。彼は、愛馬シスコとトゥー・ソックスと名付けた野性の狼と共に、不思議に満ち足りた日々を送り始める。ひと月が経った頃、ダンバーはシスコを盗みに来たインディアンを追い払った事から彼らと次第に交流を深めるようになる。やがて、インディアンに育てられた白人女性と恋に落ちたダンバーは、“狼と踊る男”という名をもらい、侵略者である白人から彼らを守ろうと努力するが……。
先住民族であるインディアンを虐殺し、バッファローを絶滅寸前に追いやった今のアメリカに対して、フロンティアへの郷愁と同時に、警鐘を打ち鳴らした作品。初監督とは思えぬコスナーの時としてダイナミック、時として細やかな演出が緩急のリズムを生み、長尺ながらまったく飽きさせない。アカデミー作品・監督・脚色・編集・撮影・オリジナル作曲・録音賞を受賞。
以上、書評
長いのが玉に瑕なんですが、これは名作です。