Justice - An Introduction
サンデル先生の白熱授業ハーバード大学哲学の授業です。nhkで何度も放送されました。最近流行のパソコンで映像を出しながらではなくて、言葉のやり取りだけで「正義」についてのやり取りをはじめていきます。ひとつの設問から、学生たちの意見を聞いてその意味を問いただしていきます。1000人も入る大きな講堂で全員の集中した場面で議論を展開して行きます。
そのテーマは、(アマゾンブックレビューからコピー)
「1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? 金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? 前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか――。
つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。
アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。
こんなことを言葉だけで議論しています。言葉のパワーを知ることができます。人の口から出てくる言葉には厳然たる力があります。そのことは人の知の力でもあります。情緒を超えて信じるに足る力があります。そんなことを感じた「サンデル教授」の講義でした。元旦の夜中の話です。(NHKテレビ)