製作地 タイ東北部 イサーン地方
製作年代(推定) 20世紀初め
素材 木、漆、顔料
サイズ 全長約16.5cm、幅約13.5cm、高さ約12cm、重さ325g
神仏信仰に縁の吉祥の動物たちが象られた、イサーン地方伝統の木製漆塗り装飾箱。
”蛙”には雨乞い・豊穣・多産の祈りが託されるとともに、箱の中に薬や裁縫道具等を納めておくことで日常生活の中でご利益が得られると信じられてきました。
この地で古い時代に手掛けられた木製織機の綜絖吊り滑車に同種の吉祥の動物たちが彫り表わされているものがあり、織物文化と不可分の工藝品でもあります。
世襲職人の手による彫り意匠は洗練され完成された様式美を備えており、過飾を排したシンプルな造形のうちに信仰のものとしての精神性の深みが実感されます。
目にしていると心和み、手にしていると心落ち着くような、静謐な空気感を有する一品です。