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製作地 カンボジア南部
製作年代(推定) 20世紀初め
素材 木製、金具(車輪軸・フック)
サイズ 横幅:約12cm、縦(金具含む):約5.5cm、重さ:約40g(ひとつあたり)
カンボジア南部で手掛けられた織機綜絖吊り用の木製滑車、吉祥・豊穣を象徴する魚(双魚)がデザインされた20世紀初め頃の作品です。
カンボジアやタイ・ミャンマーなど、古くから染織品が宮廷儀礼や仏教儀礼に纏わる装束や装飾のものとして製作が盛んであった土地では、部品の一つ一つに美しい装飾が施された木製及び金属製の織機が用いられていました。
織機を構成する部品(綜絖(そうこう)・筬(おさ)を吊る装置の部品)として使われていた、この手の込んだ”装飾滑車”からは、敬虔な仏教信仰を背景とする、古き良きインドシナ伝統染織の時代が偲ばれます。
染織が神仏への祈りとともにあった時代の所産であり、高度な伝統技術を有する職人手仕事から生み出された意匠の完成美、信仰の精神性に惹き込まれる逸品です。
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