製作地 ミャンマー・ラカイン州
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名 ラウクトゥ族
素材/技法 木綿、絹、天然染料 / 環状整経・経糸不切断、片面緯紋織、菱地紋
環状整経で織り上げ、通常は切断して一枚布として完成させるフリンジ部分を、敢えて切断せずに環状(輪)のままで用いる、特殊な織物に出会うことがあります。
ミャンマーのチン族、インドネシア・スマトラ島のバタック族、マレーシア・ボルネオ島のイバン族...等々 共通するのは、これが祝祭や儀礼等の特別な用途で手掛けられ、長寿や結婚の幸せなど、”永遠への祈り”を”途切れ目の無い織物”に投影させている点となります。
画像の作品は、チン族系の民族である”ラウクトゥ族”が頭布として織り上げたもの、単に環状整形であるのみでなく、白地部分には菱地紋が織り込まれ、布端には片面緯紋織の文様が描かれるなど手が込んでおります。そしてそのすべてが”祈り”へと繋がります。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献