新大阪を発つ前のひとときを、中之島の大阪市立東洋陶磁美術館ですごした。もう3回目の訪問になるだろうか。安宅コレクションの名品がいつでもみられるのがうれしい。一番のお目当て、国宝、油滴天目茶碗が待っていてくれた。去年、出光で、その前は、三井記念美術館の”安宅英一の眼、安宅コレクション”でもみている。相変わらず、星空のようなうつくしさだった。そして、重文、木葉天目茶碗。葉脈までうつしとった木葉が印象的。
北宋汝窯青磁、水仙盤。ぼくは汝窯と聞いただけでソンケイしてしまう。天青色の楕円形の盆。猫の餌入れだったという説があるが本当だろうか。ぜいたくな猫だ。そして緑釉黒花牡丹文瓶、白磁銹花牡丹唐草文瓶、青花蓮池魚藻文壺と重文がずらり。その他、どれも安宅英一の眼で選んだものだから、すばらしいものばかり。東慶寺のお墓に御礼を言っておこう。青磁は自然の光が一番うつくしいうことで、自然採光展示ケース内に展示されている。
日本陶磁室にはお相撲さんがいた。”色絵 相撲人形 二組”。柿右衛門様式で、輸出用として17世紀後半から有田で生産された色絵磁器だ。濁手(にごしで)とよばれる乳白色の白磁胎と余白を生かした優雅な上絵付が特徴である、とのこと。秋場所開催中でもあるので、記念に絵ハガキでもと思ったが、なかった。
国際交流企画展として”碧緑の華・明代龍泉窯青磁-大窯楓洞岩窯址発掘成果展”を覗き、さらに、特集展:”掌中の美-沖正一郎コレクション鼻煙壺”もみた。これが面白かった。鼻煙壺は、嗅ぎタバコを入れるための小さな容器で、清時代に流行したものだそうだ。陶磁、ガラス、七宝などの材料で、色鮮やかに装飾されている。写真がないのが残念だが、あまりのかわいらしさに、嗅ぎタバコとは女性だけの嗜好品なのかと思ってしまうほどだ。平成20年度に鼻煙壺のコレクターとして著名な沖正一郎氏から1200点のコレクションが寄贈されたそうだ。
中之島の公会堂をみて、あの幼稚園をみて、淀橋駅から地下鉄で新大阪に向った。
。。。。。
北宋汝窯青磁、水仙盤