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気ままに

大船での気ままな生活日誌

月岡芳年の月百姿(後期展)

2020-10-16 10:13:38 | Weblog

おはようございます。

川崎浮世絵ギャラリーで月岡芳年の月百姿を前後期、五十枚ずつ、全百枚を展示している。先月、前期の終了間際に見ているが、先日、後期展も鑑賞してきた。これで、芳年の最晩年の傑作、月百姿のすべてを見ることができた。3年ほど前、太田記念美術館でも月百姿展が開催されたが、これは見逃している。今回、近場で全百枚を”制覇”でき、お月さま好き、芳年好きのぼくとしては、こんなうれしいことはない。

月百姿は月にまつわる、歴史上の物語や説話をテーマとしている。芳年の幅広い学識になかなかついていけないが、説明文を読みながら、月にかかわる物の怪、美女、武将、市井の人々との百の姿を楽しませてもらった。

本展は撮影禁止だが、小図録が買えるので、それらの写真を添えて、記録しておこうと思う。以下のグルーピングで、それぞれの代表作、印象に残った作品を掲載することとした。

月と物の怪・神仏

月百姿 玉兎(ぎょくと)孫悟空 月で霊薬を杵でついているという、中国の伝説上の兎(玉兎)。西遊記による孫悟空との戦いが描かれる。

月百姿 吼噦(こんかい)狂言の釣狐または吼噦を題材にしている。老狐が白蔵主と呼ばれる僧侶に化けている。

月百姿 悟道の月 月を指さす布袋和尚

月と美女

月百姿 朝野川晴雪月 孝女ちか子 加賀国の御用商人銭屋五兵衛の孫娘ちか子は干拓事業の際発生した無実の罪に問われた祖父の恩赦を願って朝野川に身を投げる。女性の飛び込む寸前の一瞬の表情。

月百姿 月のものぐるい文ひろげ 天正年間の京都の伝説。毎夜、一人で嘆き悲しみつつ手紙を読み上げる千代を描く。

月百姿 石山月 紫式部が源氏物語を執筆し、月の名所として知られる石山寺が舞台。

月百姿 はかなしや波の下にも入ぬへしつきの都の人や見るとて 有子

月と武将

月百姿 鶏鳴山の月 子房 前漢の軍師張良を描いている。四面楚歌を題材に。

月百姿 霜満軍営秋気清数行過雁月三更 謙信

月百姿 原野月 保昌

月百姿 金時山の月

月と雅趣

月百姿 花山寺の月 

月百姿 三日月の頃よ待し今宵哉』  名月を観ながら句づくりを楽しんでいる人々の前に芭蕉が通りかかり、「三日月の~」と詠み始めたら、えっ、三日月?と笑っていたが、最後まで詠むと見事な作品になり、感心する人々。

月と市井の人々

月百姿 史家村月夜 九紋竜 九紋龍・史進(ししん)は「水滸伝」の登場人物。

月百姿 姥捨月 大和物語 の姨捨から。姥捨てしたおばを悔い、また迎えに行った場面。

月百姿 たのしみは夕顔たなのゆふ涼 男はてゝら女はふたのして

12歳で武者絵を得意とする歌川国芳に入門した芳年には、初期の凄惨な「血みどろ絵」のイメージも強くありますが、その生涯を通じて武者絵、歴史画、美人画、新聞錦絵など多彩な画業を残しました。浮世絵の衰退期と言われる激動の時代にその可能性を追求し続け、最も成功した絵師でもあります。明治5年(1872)頃神経衰弱を患った後に「大蘇」の号を名乗り、晩年に到達したのは張りつめた緊張感が漂う、妖しくも静謐な世界でした。本展では前期・後期に分けて芳年の「月百姿」を一挙公開いたします。この秋の美しい月とともに、芳年が最後に描いた世界をご覧ください。(公式サイトより)

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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