犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(120)風をだに

2012年06月30日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【九月十二日】放映分
風をだに 恋ふるはともし 風をだに むとし待たば 何かなげかむ
うらやまし 風と間違まちごて うちなんか 待つ人うて なげかれへんわ》
                    ―鏡王女かがみのおおきみ―(巻四・四八九、巻八・一六〇七)


【万葉歌みじかものがたり】すだれ 動かし》

天智八年(669)中臣鎌足なかとみのかまたり 死去
中大兄皇子なかのおおえのおうじ 天皇おおきみ即位の 翌年であった

大化改新以来の盟友めいゆう
自分のきさき 鏡王女かがみのおおきみを 正妻として下げ渡し
采女うねめ 安見児やすみこを 与えて優遇した
その 死にあたって
最高冠位 大職冠たいしょくかんに任じ
大臣おおおみの位 藤原の姓をさずけた

信頼すべき 相談相手をくし
天皇おおきみは 近江大津宮での 政務に掛かりっきりであった

久しく  お越しはない
額田王ぬかたのおおきみは 張りのない日々を 送っていた
 空は澄み 山は 赤や黄にもみちしている
 みち狩りの お誘いでもあれば 気も晴れように
そう いえば 昔 前触れなしの突然のお越しがあった もしや そんなことも・・・)

君待つと が恋ひれば わがやどの すだれ動かし 秋の風吹く
《あっすだれ 揺れたおもたら 風やんか あんまりうちが 焦がれるよって》
                    ―額田王ぬかたのおおきみ―(巻四・四八八、巻八・一六〇六)

「えっ 風の所為せいと間違えたの 額田王おおきみ

風をだに 恋ふるはともし 風をだに むとし待たば 何かなげかむ
うらやまし 風と間違まちごて うちなんか 待つ人うて なげかれへんわ》
                    ―鏡王女かがみのおおきみ―(巻四・四八九、巻八・一六〇七)
 鎌足公は 亡くなられたもの」
鏡王女かがみのおおきみは 寂しく つぶやく 




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