NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【三月十五日】放映分
出でて行きし 日を数へつつ 今日今日と 我を待たすらむ 父母らはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな お父とお母》
―山上憶良―(巻五・八九〇)
【万葉歌みじかものがたり】《都を見むと》
肥後国益城郡の国司の使い
筑前国府へ突然の訪い
相撲使いとして 都上りの途上
若い従者 大伴君熊凝急死
親元への 急ぎ使いに 馬をとの要請
一部始終を聞き 熊凝の心を 思い遣る 憶良
うち日さす 宮へ上ると 垂乳しや 母が手離れ 常知らぬ 国の奥処を 百重山 越えて過ぎ行き 何時しかも 都を見むと 思ひつつ 語らひ居れど
《花の都へ 行くんやと 恋しお母んと 別れ来て 知らへん国の 奥深う 山を多数も 越えて来て その内都 見られると 言うて皆と 来たけども》
己が身し 労しければ 玉桙の 道の隈廻に 草手折り 柴取り敷きて 床じもの うち臥い伏して 思ひつつ 嘆き伏せらく
《折り悪る病気 なって仕舞て 道端傍で 草や柴 敷いて作った 仮の床 倒れ伏し寝て あぁあ言て 横なったまま 思うんは》
国に在らば 父取り見まし 家に在らば 母取り見まし 世間は かくのみならし 犬じもの 道に臥してや 命過ぎなむ
《故郷に居ったら お父っあん 家居ったなら おっ母さん 枕そば来て 看取るのに 儘にならんと 道の傍 ここで死ぬんか 犬みたい》
―山上憶良―(巻五・八八六)
たらちしの 母が目見ずて 欝しく 何方向きてか 我が別るらむ
《母ちゃんに 会わんと逝くか 鬱々と 何処どないして 行ったら良んや》
常知らぬ 道の長手を くれくれと 如何にか行かむ 糧は無しに
《行ったこと 無い道続く あの世旅 食糧も持たんと どないに行くか》
家に在りて 母が取り見ば 慰むる 心はあらまし 死なば死ぬとも
《家居って お母ん看取って くれるなら 例え死んでも 悔まへんのに》
出でて行きし 日を数へつつ 今日今日と 我を待たすらむ 父母らはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな お父とお母》
一世には 二遍見えぬ 父母を 置きてや長く 我が別れなむ
《この世では もう会われへん 父と母 残して逝くか あの世へひとり》
―山上憶良―(巻五・八八七~八九一)
子煩悩憶良に 他人の身とも思えぬ 痛みが走る
―――――――――――――――
【大伴君熊凝の歌二首】
国遠き 道の長手をおほほしく 今日や過ぎなむ 言問もなく
《故郷遠に 来た道中で 心細に 今日死ぬのんか 親声聞かんまま》
―麻田陽春―(巻五・八八四)
朝露の 消やすき我が身 他国に 過ぎかてぬかも 親の目を欲り
《朝露みたい 消えて仕舞うんか 旅空で 死ぬに死ねんが 親逢いとうて》
―麻田陽春―(巻五・八八五)
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
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平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【三月十五日】放映分
出でて行きし 日を数へつつ 今日今日と 我を待たすらむ 父母らはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな お父とお母》
―山上憶良―(巻五・八九〇)
【万葉歌みじかものがたり】《都を見むと》
肥後国益城郡の国司の使い
筑前国府へ突然の訪い
相撲使いとして 都上りの途上
若い従者 大伴君熊凝急死
親元への 急ぎ使いに 馬をとの要請
一部始終を聞き 熊凝の心を 思い遣る 憶良
うち日さす 宮へ上ると 垂乳しや 母が手離れ 常知らぬ 国の奥処を 百重山 越えて過ぎ行き 何時しかも 都を見むと 思ひつつ 語らひ居れど
《花の都へ 行くんやと 恋しお母んと 別れ来て 知らへん国の 奥深う 山を多数も 越えて来て その内都 見られると 言うて皆と 来たけども》
己が身し 労しければ 玉桙の 道の隈廻に 草手折り 柴取り敷きて 床じもの うち臥い伏して 思ひつつ 嘆き伏せらく
《折り悪る病気 なって仕舞て 道端傍で 草や柴 敷いて作った 仮の床 倒れ伏し寝て あぁあ言て 横なったまま 思うんは》
国に在らば 父取り見まし 家に在らば 母取り見まし 世間は かくのみならし 犬じもの 道に臥してや 命過ぎなむ
《故郷に居ったら お父っあん 家居ったなら おっ母さん 枕そば来て 看取るのに 儘にならんと 道の傍 ここで死ぬんか 犬みたい》
―山上憶良―(巻五・八八六)
たらちしの 母が目見ずて 欝しく 何方向きてか 我が別るらむ
《母ちゃんに 会わんと逝くか 鬱々と 何処どないして 行ったら良んや》
常知らぬ 道の長手を くれくれと 如何にか行かむ 糧は無しに
《行ったこと 無い道続く あの世旅 食糧も持たんと どないに行くか》
家に在りて 母が取り見ば 慰むる 心はあらまし 死なば死ぬとも
《家居って お母ん看取って くれるなら 例え死んでも 悔まへんのに》
出でて行きし 日を数へつつ 今日今日と 我を待たすらむ 父母らはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな お父とお母》
一世には 二遍見えぬ 父母を 置きてや長く 我が別れなむ
《この世では もう会われへん 父と母 残して逝くか あの世へひとり》
―山上憶良―(巻五・八八七~八九一)
子煩悩憶良に 他人の身とも思えぬ 痛みが走る
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【大伴君熊凝の歌二首】
国遠き 道の長手をおほほしく 今日や過ぎなむ 言問もなく
《故郷遠に 来た道中で 心細に 今日死ぬのんか 親声聞かんまま》
―麻田陽春―(巻五・八八四)
朝露の 消やすき我が身 他国に 過ぎかてぬかも 親の目を欲り
《朝露みたい 消えて仕舞うんか 旅空で 死ぬに死ねんが 親逢いとうて》
―麻田陽春―(巻五・八八五)
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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