NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【二月十五日】放映分
酒杯に 梅の花浮け 思ふどち 飲みての後は 散りぬともよし
《梅花を 酒杯浮かべ 友同士 飲んで仕舞たら 散っても良えわ》
―大伴坂上郎女―(巻八・一六五六)
【万葉歌みじかものがたり】《飲みての後は》
坂上郎女は 厳しい説諭を受けていた
一同集められての訓戒の後
「大伴家本流は 今や 佐保大納言家
跡取りは家持じゃ
しかるに 未だ若年 後ろ盾とて思うに任せず
老い長けたわしでは 如何とも し難い
頼むは そなたじゃ
今後の 家刀自の役目 そなたに託す
しかるべき人物との誼築き
一族を束ねることが肝要ぞ」
石川内命婦の言葉に 身を固くする郎女
(先ず 一族融和を図らねば)
佐保大納言邸
連日の 一族結束図りの宴
仕切るは 家刀自坂上郎女
「さあ 皆の者 宴じゃ 宴じゃ
一族縁者の 固めの宴じゃ」
軽口を 飛ばして 郎女が詠う
かくしつつ 遊び飲みこそ 草木すら 春は咲きつつ 秋は散りゆく
《草木かて 春に花咲き 秋は散る 飲んで遊んで 楽しに暮らそ》
―大伴坂上郎女―(巻六・九九五)
(そうそう 大宰府での 梅花宴にあったぞ
『酒杯梅』に 『散りぬともよし』)
酒杯に 梅の花浮け 思ふどち 飲みての後は 散りぬともよし
《梅花を 酒杯浮かべ 友同士 飲んで仕舞たら 散っても良えわ》
―大伴坂上郎女―(巻八・一六五六)
官にも 許したまへり 今夜のみ 飲まむ酒かも 散りこすなゆめ
《お上かて 構へん言てる 宴会や 酒のみ明かそ 散りなや梅花よ》
―和ふる人―(巻八・一六五七)
(よしよし 風紀紊乱により 宴酒は禁じられておるが 身内酒は 許されておる)
「駿河麻呂殿
そなた 家持と同じ年ごろ
友に 見込みある人物 誰ぞあるか
後ろ盾無き家持のため 友を選んでおきたい」
「それならば 似つかわしい御仁が
葛城王(後の橘諸兄)の御子息 奈良麻呂殿
若年ながら 才気煥発の人物」
「おお 橘三千代様のお孫か 高みじゃのう」
「何を 小母様なら
虎穴に入らずんばですよ」
山守の ありける知らに その山に 標結ひ立てて 結ひの恥しつ
《山番が 居るの知らんと 山入り 標して仕舞て 恥じかいたがな》
―大伴坂上郎女―(巻三・四〇一)
山主は けだしありとも 我妹子が 結ひけむ標を 人解かめやも
《山番が 居っても良えで あんた来て 付けた標や 誰解くかい》
―大伴駿河麻呂―(巻三・四〇二)
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【二月十五日】放映分
酒杯に 梅の花浮け 思ふどち 飲みての後は 散りぬともよし
《梅花を 酒杯浮かべ 友同士 飲んで仕舞たら 散っても良えわ》
―大伴坂上郎女―(巻八・一六五六)
【万葉歌みじかものがたり】《飲みての後は》
坂上郎女は 厳しい説諭を受けていた
一同集められての訓戒の後
「大伴家本流は 今や 佐保大納言家
跡取りは家持じゃ
しかるに 未だ若年 後ろ盾とて思うに任せず
老い長けたわしでは 如何とも し難い
頼むは そなたじゃ
今後の 家刀自の役目 そなたに託す
しかるべき人物との誼築き
一族を束ねることが肝要ぞ」
石川内命婦の言葉に 身を固くする郎女
(先ず 一族融和を図らねば)
佐保大納言邸
連日の 一族結束図りの宴
仕切るは 家刀自坂上郎女
「さあ 皆の者 宴じゃ 宴じゃ
一族縁者の 固めの宴じゃ」
軽口を 飛ばして 郎女が詠う
かくしつつ 遊び飲みこそ 草木すら 春は咲きつつ 秋は散りゆく
《草木かて 春に花咲き 秋は散る 飲んで遊んで 楽しに暮らそ》
―大伴坂上郎女―(巻六・九九五)
(そうそう 大宰府での 梅花宴にあったぞ
『酒杯梅』に 『散りぬともよし』)
酒杯に 梅の花浮け 思ふどち 飲みての後は 散りぬともよし
《梅花を 酒杯浮かべ 友同士 飲んで仕舞たら 散っても良えわ》
―大伴坂上郎女―(巻八・一六五六)
官にも 許したまへり 今夜のみ 飲まむ酒かも 散りこすなゆめ
《お上かて 構へん言てる 宴会や 酒のみ明かそ 散りなや梅花よ》
―和ふる人―(巻八・一六五七)
(よしよし 風紀紊乱により 宴酒は禁じられておるが 身内酒は 許されておる)
「駿河麻呂殿
そなた 家持と同じ年ごろ
友に 見込みある人物 誰ぞあるか
後ろ盾無き家持のため 友を選んでおきたい」
「それならば 似つかわしい御仁が
葛城王(後の橘諸兄)の御子息 奈良麻呂殿
若年ながら 才気煥発の人物」
「おお 橘三千代様のお孫か 高みじゃのう」
「何を 小母様なら
虎穴に入らずんばですよ」
山守の ありける知らに その山に 標結ひ立てて 結ひの恥しつ
《山番が 居るの知らんと 山入り 標して仕舞て 恥じかいたがな》
―大伴坂上郎女―(巻三・四〇一)
山主は けだしありとも 我妹子が 結ひけむ標を 人解かめやも
《山番が 居っても良えで あんた来て 付けた標や 誰解くかい》
―大伴駿河麻呂―(巻三・四〇二)
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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