NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【一月十九日】放映分
常磐なす かくしもがもと 思へども 世の事なれば 留みかねつも
《何時までも 元気居りたい 思うても これが定めや 老い止められん》
―山上憶良―(巻五・八〇五)
【万葉歌みじかものがたり】《老男は》
我に還った憶良
(この歳になって なにを 青いこと
昔の夢を いつまで 抱えているのか
人の世を 渡ってきた者としての 老成の歌を 詠ってみねば・・・)
世間の 術なきものは 年月は 流るる如し 取り続き 追ひ来るものは 百種に 迫め寄り来る
《人の世云んは まま為らん 月日経つのん あっ言ゅう間 追い来る老いは 次々と あの手この手で 攻め寄せる》
少女らが 少女さびすと 唐玉を 手本に纒かし 同輩児らと 手携りて 遊びけむ 時の盛りを 留みかね 過し遣りつれ 蜷の腸 か黒き髪に 何時の間か 霜の降りけむ 紅の面の上に 何処ゆか 皺が来りし
《若さ華やぐ 少女らが 唐玉巻いて 身ぃ飾り 仲好し同士 手ぇ繋ぎ 戯れ遊ぶ 盛り時 瞬く間ぁに 過ぎて仕舞て 緑黒髪 白髪生え 綺麗な顔に 皺増える》
大夫の 男子さびすと 剣大刀 腰に取り佩き 猟弓を 手握り持ちて 赤駒に 倭文鞍うち置き 這ひ乗りて 遊びあるきし 世間や 常にありける
《男盛りを 自慢げに 刀や大刀を 腰差して 狩りする弓を 手に持って 馬に鞍置き 駆け乗って 遊び回って 居れる日々 何時まで続く 訳はない》
少女らが さ寝す板戸を 押し開き い辿り寄りて 真玉手の 玉手さし交へ さ寝し夜の 幾許もあられば
《少女ら休む 部屋の戸を 押し開け忍び 探り寄り 腕巻き抱いて 寝る夜は 長ごう続かん そのうちに》
手束杖 腰にたがねて か行けば 人に厭はえ かく行けば 人に憎まえ 老男は かくのみならし たまきはる 命惜しけど せむ術も無し
《手にした杖を 腰に当て あっちへ行って 疎まれて こっち来たなら 嫌われる 年取る云んは そんなもん 生きてる限り 仕様がない》
―山上憶良―(巻五・八〇四)
常磐なす かくしもがもと 思へども 世の事なれば 留みかねつも
《何時までも 元気居りたい 思うても これが定めや 老い止められん》
―山上憶良―(巻五・八〇五)
そこには まだ 諦めきれない 憶良がいた
(嘉摩三部作の三)
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【一月十九日】放映分
常磐なす かくしもがもと 思へども 世の事なれば 留みかねつも
《何時までも 元気居りたい 思うても これが定めや 老い止められん》
―山上憶良―(巻五・八〇五)
【万葉歌みじかものがたり】《老男は》
我に還った憶良
(この歳になって なにを 青いこと
昔の夢を いつまで 抱えているのか
人の世を 渡ってきた者としての 老成の歌を 詠ってみねば・・・)
世間の 術なきものは 年月は 流るる如し 取り続き 追ひ来るものは 百種に 迫め寄り来る
《人の世云んは まま為らん 月日経つのん あっ言ゅう間 追い来る老いは 次々と あの手この手で 攻め寄せる》
少女らが 少女さびすと 唐玉を 手本に纒かし 同輩児らと 手携りて 遊びけむ 時の盛りを 留みかね 過し遣りつれ 蜷の腸 か黒き髪に 何時の間か 霜の降りけむ 紅の面の上に 何処ゆか 皺が来りし
《若さ華やぐ 少女らが 唐玉巻いて 身ぃ飾り 仲好し同士 手ぇ繋ぎ 戯れ遊ぶ 盛り時 瞬く間ぁに 過ぎて仕舞て 緑黒髪 白髪生え 綺麗な顔に 皺増える》
大夫の 男子さびすと 剣大刀 腰に取り佩き 猟弓を 手握り持ちて 赤駒に 倭文鞍うち置き 這ひ乗りて 遊びあるきし 世間や 常にありける
《男盛りを 自慢げに 刀や大刀を 腰差して 狩りする弓を 手に持って 馬に鞍置き 駆け乗って 遊び回って 居れる日々 何時まで続く 訳はない》
少女らが さ寝す板戸を 押し開き い辿り寄りて 真玉手の 玉手さし交へ さ寝し夜の 幾許もあられば
《少女ら休む 部屋の戸を 押し開け忍び 探り寄り 腕巻き抱いて 寝る夜は 長ごう続かん そのうちに》
手束杖 腰にたがねて か行けば 人に厭はえ かく行けば 人に憎まえ 老男は かくのみならし たまきはる 命惜しけど せむ術も無し
《手にした杖を 腰に当て あっちへ行って 疎まれて こっち来たなら 嫌われる 年取る云んは そんなもん 生きてる限り 仕様がない》
―山上憶良―(巻五・八〇四)
常磐なす かくしもがもと 思へども 世の事なれば 留みかねつも
《何時までも 元気居りたい 思うても これが定めや 老い止められん》
―山上憶良―(巻五・八〇五)
そこには まだ 諦めきれない 憶良がいた
(嘉摩三部作の三)
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