犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(244)ひさかたの

2014年03月01日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十六日】放映分
ひさかたの あまの原より たる 神のみこと 奥山の 賢木さかきの枝に  白香しらか付け 綿取り付けて 斎瓮いはひべを いはひ掘りゑ 竹玉たかだまを しじき垂れ 猪鹿ししじもの ひざ折り伏して 手弱女たわやめの 襲衣おすひ取り懸け 
《雲分けて はるかな天の 高みから くだりこられた 神さんに 山からった 榊枝さかきえだ 白髪しらが木綿ゆうと 取り付けて 御神酒おみきの壷を 掘ってえ 竹玉多数いっぱい つり下げて けものみたいに ひれ伏して か弱い女 祈布ぬの掛けて》
かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
《こんな懸命いっぱい 祈るんや どうかあの人 逢わして欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三七九)


【万葉歌みじかものがたり】平城ならの明日香を》

 空気が違うわ
  飛鳥のは 澄んではいるが 重苦しい
 平城ならの明日香は 華やぎの香り
 私は やはりここがい)

故郷ふるさとの 飛鳥あすかはあれど あをよし 平城なら明日香あすかを 見らくし好しも
故郷ふるさとの 飛鳥えけど ここ平城ならの 明日香見てるん うちにはえな》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻六・九九二)
世の常に 聞けば苦しき 呼子鳥よぶこどり 声なつかしき 時にはなりぬ
平時いつもなら 聞く気せえへん 郭公鳥かっこどり 気持ち聞ける 季節ときになったで》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四四七)

平城風ならかぜに染まる 心に 
恋の奴が たわむれかかる

心ぐき ものにぞありける 春霞 たなびく時に 恋のしげきは
《恋心 つのってるとき 春霞 ぼんやりかり うちうっとしわ》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四五〇)
いとまみ ざりし君に 霍公鳥ほととぎす れかく恋ふと 行きて告げこそ
ひまいて ん人に ほととぎす 恋しがってる い行ててや》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四九八)
五月さつきの 花橘を 君がため たまにこそけ 散らまく惜しみ
《散らすんが 惜して橘 花繋ぎ 薬玉たまにしてんや あんたをおもて》 
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一五〇二)
夏の野の  繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ
 知られんで 独り思てる 恋苦し 夏の繁みで 咲く百合みたい》 
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一五〇〇)

ひさかたの あまの原より たる 神のみこと 奥山の 賢木さかきの枝に  白香しらか付け 綿取り付けて 斎瓮いはひべを いはひ掘りゑ 竹玉たかだまを しじき垂れ 猪鹿ししじもの ひざ折り伏して 手弱女たわやめの 襲衣おすひ取り懸け 
《雲分けて はるかな天の 高みから くだりこられた 神さんに 山からった 榊枝さかきえだ 白髪しらが木綿ゆうと 取り付けて 御神酒おみきの壷を 掘ってえ 竹玉多数いっぱい つり下げて けものみたいに ひれ伏して か弱い女 祈布ぬの掛けて》
かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
《こんな懸命いっぱい 祈るんや どうかあの人 逢わして欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三七九)
木綿畳ゆふだたみ 手に取り持ちて かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
木綿布ゆうぬのを 手にし願うよ 一生懸命けめ どうかあの人 逢わせて欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三八〇)
 運の悪い郎女
旅人たびとも亡くし
ない心の 置きどこを求め続ける



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