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「七五調 源氏物語」の案内

【掲載日:平成26年1月1日】

本年3月を目途に「源氏物語」の本を刊行します。
全15巻を予定しています。
目指す現代訳は 
①できる限り原文の流れを踏まえ
②古語辞典的な訳でなく
③スムースなストーリ展開で内容が成程と腑に落ちる
ものです。

題して
古語紛い・腑に落ち・まんま訳七五調源氏物語」

刊行に先立ち
別ブログで 一話ずつ掲載して 少しづつ紹介しています。

こちらを ご覧下さい。
【七五調 源氏物語】へ



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■日めくり万葉集Vol・2(248)天地の

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十二日】放映分
天地あめつしの いづれの神を 祈らばか うつくははに またことはむ
天地あめつちの どの神さんを 拝んだら いとしいかかに また逢えるんか》
                         ―大伴部麻与佐おおともべのまよさ―(巻二十・四三九二)

【万葉歌みじかものがたり】ははとふ花の》

子供皆々 乳離ちばなれできぬ
まして別れた たびの空は
思い途切とぎれず 母親思う
恋し恋しい 恋しでお

畳薦たたみけめ が磯の はなりの ははを離れて 行くが悲しさ
磯 岸を離れた 沖の磯 おぁ離れて 行くのんつらい》
                         ―生部道麻呂みぶべのみちまろ―(巻二十・四三三八)
たらちねの ははを別れて まこと我れ 旅の仮廬かりほに 安くむかも
《なぁおかあ おと別れて わし一人 旅空たびぞら宿り まんじり出来できん》
                         ―日下部三中くさかべのみなか―(巻二十・四三四八)
あもも 玉にもがもや いただきて 角髪みづらの中に あへかまくも
《おっさん 玉やったらな ささげ持ち 角髪みずらの中に 巻き込めるのに》
                         ―津守小黒栖つもりのおぐろす―(巻二十・四三七七)
時々ときどきの 花は咲けども 何すれぞ ははとふ花の 咲き出来でこずけむ
時期じき時期じきに 花咲くのんに なんでまた おぁいう名の 花咲かんのや》
                         ―丈部真麻呂はせべのままろ―(巻二十・四三二三)
我がははの 袖もちでて 我がからに 泣きし心を 忘らえぬかも
《おっぁが 袖で頭を でてくれ 泣いてくれたん 忘れられんわ》
                         ―物部乎刀良もののべのおとら―(巻二十・四三五六)
我がかづの 五本いつもとやなぎ 何時いつ何時いつも おもが恋すす なりましつしも
《この今も わし気にけて おっぁが 畑で仕事 しとるんやろか》
                         ―矢作部真長やはぎべのまなが―(巻二十・四三八六)
ばしら ほめて造れる 殿とののごと いませはは おめかはりせず
立派ええ柱 しつらえ建てた 屋敷いえみたい かかよ達者で やつれなさんと》
                         ―坂田部首麻呂さかたべのおびとまろ―(巻二十・四三四二)
天地あめつしの いづれの神を 祈らばか うつくははに またことはむ
天地あめつちの どの神さんを 拝んだら いとしいかかに また逢えるんか》
                         ―大伴部麻与佐おおともべのまよさ―(巻二十・四三九二)

 の無い子は 父親思う
まして 老いたる 父親ならば

橘の 美袁利みをりの里に ちちを置きて 道の長道ながては 行きかてぬかも
たちばなの 美袁利みおりの里に とと置いて 行くんつらいで 道長々と》
                         ―丈部足麻呂はせべのたりまろ―(巻二十・四三四一)


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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
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【万葉歌みじか物語】はこちら



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■日めくり万葉集Vol・2(247)世の中は

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十二日】放映分
世の中は むなしきものと 知る時しいよよますます 悲しかりけり
《人の世は からっぽなんや 知らされた おもうてたより ずっと悲しで》
                         ―大伴旅人おおとものたびと―(巻五・七九三)

【万葉歌みじかものがたり】むなしきものと》

 は とっぷりと暮れていた
旅人たびとやかたの門をくぐる人がいる
筑前ちくぜん国府からはそう遠くない 
遅すぎた弔問ちょうもん
悲しみに打ちひしがれる旅人たびと
そのひたいに たてじわが寄る
 喰えん男が 今頃に・・・)

大君おほきみの 遠の朝廷みかどと しらぬひ 筑紫つくしの国に 泣く子なす 慕ひ来まして いきだにも いまだやすめず 年月としつきも いまだあらねば 心ゆも 思はぬあひだに うち摩き こやしぬれ
都離はなれて遠い 筑紫へと 子供みたいに 付いて来て 一息く間 無いままで そんな月日も たんのに 思いも寄らん ことなった》
言はむすべ すべ知らに 石木いはきをも け知らず 家ならば かたちはあらむを うらめしき いもみことの れをばも 如何いかにせよとか 鳰鳥にほどりの 二人並び 語らひし 心そむきて 家さかりいます
《どしたらえか 分からへん 応答こたえよらへん 石や木も 奈良にったら こんなこと ならんかったに なぁお前 どないんや このわしに 二人仲良う 暮らそやと うてたお前 もうらん》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・七九四)

家に行きて 如何いかにかがせむ 枕づく 妻屋つまやさぶしく 思ほゆべしも
《家帰り どしたらんや このわしは 寝床ねどこ見たかて さみしいだけや》
しきよし かくのみからに したし 妹が心の すべもすべなさ
可愛かいらしに あんな屡々いっぱい 甘え来た そんな気持に こたえられんで》
くやしかも かく知らませばあをよし 国内くぬちことごと 見せましものを
《悔しいな こんなことなら 眺めえ 筑紫国中くにじゅう 見せたったのに》
いもが見し あふちの花は 散りぬべし 我が泣くなみだ いまだなくに
栴檀せんだんの 花散りそうや 思いの よすがうなる えもせんのに》
大野山おほのやま 霧立ち渡る 我が嘆く 息嘯おきその風に 霧立ちわたる
《大野山 霧立ってるで わし嘆く 溜息ためいきまり 霧なったんや》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・七九五~七九九)

(形の弔問ちょうもん多いなか
  わしと心を同じうすべくの歌作りを・・・)
おく殿・・・」
差し出す手に 旅人たびとの歌 
世の中は むなしきものと 知る時しいよよますます 悲しかりけり
《人の世は からっぽなんや 知らされた おもうてたより ずっと悲しで》
                         ―大伴旅人おおとものたびと―(巻五・七九三)
無言で うなずく 憶良
老境 の二人の眼に 乾ききらぬ涙が




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■日めくり万葉集Vol・2(246)大君は

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十二日】放映分
大君おほきみは 神にしませば 天雲あまくもの いかづちの上に いほらせるかも
天皇おおきみは 神さんやから 雲の上 いかづちおかに 住もうてなさる》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二三五)

【万葉歌みじかものがたり】川淀かはよどさらず》
赤人 は 明日香の地に居た
歌の祭神さいじんが 呼んだに違いない
ここは 柿本人麻呂 その人の行住坐臥ぎょうじゅうざがの地

三諸みもろの 神奈備かむなび山に 五百枝いほえさし しじひたる つがの木の いやぎに 玉かづら 絶ゆることなく ありつつも まず通はむ 明日香あすかの ふるみやこは 山高み かは雄大とほしろし 
神奈備かんなび山に えとおる 枝次々と やすつが 青々繁り 絶えんつた 継続つづき絶えんと かよいたい ふるい都の 明日香宮 山は高こうて 川広い》
春の日は 山し見がほし 秋のは 川しさやけし 朝雲あさぐもに たづは乱れ 夕霧ゆふぎりに かはづさわく 見るごとに のみし泣かゆ いにしへ思へば
《春の日ぃには 山見たい 秋の夜には 川清い 朝出る雲に 鶴飛んで 夕霧立つと 河鹿かじか鳴く こんな眺めを 見るたんび しきりと泣けて 仕様しょうがない 昔栄えた この都》
                         ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・三二四)
明日香あすか川 川淀かはよどさらず 立つ霧の 思ひ過ぐべき 恋にあらなくに
《消え果てん 明日香の川の 霧みたい 忘れるもんか 恋しの旧宮あすか
                         ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・三二五)

(古い都はい 山に 川に 歌が宿ってる)

(あれに見えるは 雷丘いかづちのおか
  人麻呂様の歌 思い出される)

大君おほきみは 神にしませば 天雲あまくもの いかづちの上に いほらせるかも
天皇おおきみは 神さんやから 雲の上 いかづちおかに 住もうてなさる》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻三・二三五)

 おお ここは 藤原不比等様の 屋敷跡
  その昔 お世話になったこともあった
 全ては いにしえに なって仕舞しまうのか)

いにしへの 古き堤は 年深としふかみ 池のなぎさに 水草みぐさひにけり
《昔見た 古い堤は 年たな 池に水草 生えて仕舞しもてる》
                         ―山部赤人やまべのあかひと―(巻三・三七八)

赤人 は 人麻呂に報告する
歌跡うたあと辿たどり来ました
 ここ 明日香が あなた様の 心のり所
 人移り 世移り あなた様と同じにはうたえません
  でも 私なりの 景の歌
 景に 胸の内を秘め うたえるようになりました
 人麻呂様の 足許あしもと 少しく 寄れた心地が致します)

歌は 誰にうたうでなく おのれの心にうた
その ことを知った 赤人であった



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■日めくり万葉集Vol・2(245)うらさぶる

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【三月十二日】放映分
うらさぶる 心さまねし ひさかたの あめ時雨しぐれの 流らふ見れば
《空おおい 時雨しぐれ続いて 流れ降る 見たらびしさ 胸広がるで》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八二)


【万葉歌みじかものがたり】を見がてり》

恋にうつつを 抜かしていたり 
 に雪にと 浮かれていても
役目 果たさで 仕えは出来ぬ
めいが下れば 身は西東にしひがし

任をたまわり 行く旅空は
苦労難儀なんぎの 道連れ覚悟
如何な艱難かんなん あったや知れず
そこは宮人みやびと 憂いは見せぬ

【和銅五年(712)長田王ながたおう伊勢斎宮いつきのみや派遣】
やまのへの を見がてり かむかぜの 伊勢娘子をとめども 相見あひみつるかも
念願ねんがんの 聖水みずを見に来て その上に 伊勢の聖女おとめに 逢えもしたがな》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八一)
うらさぶる 心さまねし ひさかたの あめ時雨しぐれの 流らふ見れば
《空おおい 時雨しぐれ続いて 流れ降る 見たらびしさ 胸広がるで》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八二)
わたの底 沖つ白波 竜田たつた山 何時いつか越えなむ 妹があたり見む
《山こう あの児る里 竜田山 越えて逢い行く その内きっと》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八三)
                          (海の底沖つ白波→立つ→竜田山)

【筑紫肥後水島・長田王官命かんめいにて下る】
聞きしごと まことたふとく くすしくも かむさびるか これの水島
《聞いたまま ほんまとうとて 神秘やで 神さんるで この水島は》 
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四五)
葦北あしきたの 野坂の浦ゆ 船出ふなでして 水島にかむ 波立つなゆめ
 野坂浦 船漕ぎ出して 水島に 行こ思うんや 波立たんとき》 
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四六)
沖つ波 辺波へなみ立つとも 我が背子が 御船みふねの泊り 波立ためやも
《沖や岸 波立ったかて 長田王あんたさん 船めはるに 波立つもんか》 
                         ―石川いしかわの大夫まえつぎみ―(巻三・二四七)
隼人はやひとの 薩摩さつまの瀬戸を くもなす 遠くも我れは 今日けふ見つるかも
薩摩さつま瀬戸 今日わし見たで 遥々はるばると 雲の彼方かなたの ここ辿たどり来て》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四八)
                         【天武皇子長皇子ながのみこの子長田王とは別人らしい】

          景行けいこう天皇 巡行みぎり 
          葦北あしきた小島 泊まりし折りに
          供御くご賜るに 飲み水所望しょもう
          聞いたひだり 探すが有らず
          天神てんじん仰ぎ 地祇ちぎ祈らせば
          不思議や崖に 湧き水ずる
          ってこの島 「水島」名
                     日本書紀 景行天皇十八年の条)
















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■日めくり万葉集Vol・2(244)ひさかたの

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【三月十六日】放映分
ひさかたの あまの原より たる 神のみこと 奥山の 賢木さかきの枝に  白香しらか付け 綿取り付けて 斎瓮いはひべを いはひ掘りゑ 竹玉たかだまを しじき垂れ 猪鹿ししじもの ひざ折り伏して 手弱女たわやめの 襲衣おすひ取り懸け 
《雲分けて はるかな天の 高みから くだりこられた 神さんに 山からった 榊枝さかきえだ 白髪しらが木綿ゆうと 取り付けて 御神酒おみきの壷を 掘ってえ 竹玉多数いっぱい つり下げて けものみたいに ひれ伏して か弱い女 祈布ぬの掛けて》
かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
《こんな懸命いっぱい 祈るんや どうかあの人 逢わして欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三七九)


【万葉歌みじかものがたり】平城ならの明日香を》

 空気が違うわ
  飛鳥のは 澄んではいるが 重苦しい
 平城ならの明日香は 華やぎの香り
 私は やはりここがい)

故郷ふるさとの 飛鳥あすかはあれど あをよし 平城なら明日香あすかを 見らくし好しも
故郷ふるさとの 飛鳥えけど ここ平城ならの 明日香見てるん うちにはえな》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻六・九九二)
世の常に 聞けば苦しき 呼子鳥よぶこどり 声なつかしき 時にはなりぬ
平時いつもなら 聞く気せえへん 郭公鳥かっこどり 気持ち聞ける 季節ときになったで》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四四七)

平城風ならかぜに染まる 心に 
恋の奴が たわむれかかる

心ぐき ものにぞありける 春霞 たなびく時に 恋のしげきは
《恋心 つのってるとき 春霞 ぼんやりかり うちうっとしわ》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四五〇)
いとまみ ざりし君に 霍公鳥ほととぎす れかく恋ふと 行きて告げこそ
ひまいて ん人に ほととぎす 恋しがってる い行ててや》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一四九八)
五月さつきの 花橘を 君がため たまにこそけ 散らまく惜しみ
《散らすんが 惜して橘 花繋ぎ 薬玉たまにしてんや あんたをおもて》 
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一五〇二)
夏の野の  繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ
 知られんで 独り思てる 恋苦し 夏の繁みで 咲く百合みたい》 
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻八・一五〇〇)

ひさかたの あまの原より たる 神のみこと 奥山の 賢木さかきの枝に  白香しらか付け 綿取り付けて 斎瓮いはひべを いはひ掘りゑ 竹玉たかだまを しじき垂れ 猪鹿ししじもの ひざ折り伏して 手弱女たわやめの 襲衣おすひ取り懸け 
《雲分けて はるかな天の 高みから くだりこられた 神さんに 山からった 榊枝さかきえだ 白髪しらが木綿ゆうと 取り付けて 御神酒おみきの壷を 掘ってえ 竹玉多数いっぱい つり下げて けものみたいに ひれ伏して か弱い女 祈布ぬの掛けて》
かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
《こんな懸命いっぱい 祈るんや どうかあの人 逢わして欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三七九)
木綿畳ゆふだたみ 手に取り持ちて かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
木綿布ゆうぬのを 手にし願うよ 一生懸命けめ どうかあの人 逢わせて欲しと》
                         ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻三・三八〇)
 運の悪い郎女
旅人たびとも亡くし
ない心の 置きどこを求め続ける



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■日めくり万葉集Vol・2(243)出でて行きし

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【三月十五日】放映分
出でて行きし 日を数へつつ 今日けふ今日けふと を待たすらむ 父母ちちははらはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな おとうとおかあ
                    ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八九〇)


【万葉歌みじかものがたり】みやこを見むと》

肥後国ひごのくに益城郡ましきのこおりの国司の使い 
筑前国府へ突然のおとな
相撲使すもうづかいとして 都のぼりの途上 
若い従者 大伴君熊凝おおとものきみくまこり急死
親元 への 急ぎ使いに 馬をとの要請
一部始終を聞き 熊凝くまこりの心を 思いる 憶良

うち日さす 宮へのぼると 垂乳たらちしや 母が手はなれ つね知らぬ 国の奥処おくかを 百重山ももへやま 越えて過ぎ行き 何時いつしかも みやこを見むと 思ひつつ 語らひれど 
《花の都へ 行くんやと 恋しおんと 別れ来て 知らへん国の 奥深う 山を多数なんぼも 越えて来て その内みやこ 見られると うてみんなと 来たけども》
おのが身し いたはしければ 玉桙たまほこの 道の隈廻くまみに 草手折たをり 柴取り敷きて とこじもの うちして 思ひつつ 嘆きせらく 
《折り悪る病気 なって仕舞て 道端そばで 草や柴 敷いて作った 仮のとこ 倒れ伏し寝て あぁあ言て 横なったまま 思うんは》
国に在らば 父取り見まし 家に在らば 母取り見まし 世間よのなかは かくのみならし いぬじもの 道にしてや いのちぎなむ
故郷くにったら おっあん 家ったなら おっさん 枕そば来て 看取みとるのに ままにならんと 道のはた ここで死ぬんか 犬みたい》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八八六)

たらちしの 母が目見ずて おほほしく 何方いづち向きてか が別るらむ
かあちゃんに 会わんとくか 鬱々うつうつと 何処どこどないして 行ったらんや》
常知らぬ 道の長手ながてを くれくれと 如何いかにか行かむ かりては無しに
《行ったこと い道続く あの世旅 食糧めしも持たんと どないに行くか》
家に在りて 母が取りば 慰むる 心はあらまし 死なば死ぬとも
《家って お看取みとって くれるなら 例え死んでも くやまへんのに》
出でて行きし 日を数へつつ 今日けふ今日けふと を待たすらむ 父母ちちははらはも
《出てからも 今か今かと 指折って 待ってるやろな おとうとおかあ
一世ひとよには 二遍ふたたび見えぬ 父母ちちははを 置きてや長く が別れなむ
《この世では もう会われへん ととかか 残してくか あの世へひとり》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八八七~八九一)

子煩悩こぼんのう憶良に 他人ひとの身とも思えぬ 痛みが走る
 ――――――――――――――
大伴君熊凝おおとものきみくまこりの歌二首】
くに遠き 道の長手ながてをおほほしく 今日けふや過ぎなむ ことどひもなく
故郷くにとおに 来た道中どうちゅうで 心細さみしいに 今日死ぬのんか 親声こえ聞かんまま》
                         ―麻田陽春あさだのやす―(巻五・八八四)
朝露あさつゆの やすきが身 他国ひとくにに 過ぎかてぬかも 親の目を
朝露つゆみたい 消えて仕舞うんか たびぞらで 死ぬに死ねんが 親いとうて》
                         ―麻田陽春あさだのやす―(巻五・八八五)



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■日めくり万葉集Vol・2(242)我がやどの

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十四日】放映分

我がやどの いささむら竹 吹く風の 音のかそけき このゆふへかも
《庭の小藪やぶ 風おとう 吹き抜ける この夕暮れの さみしさ何や》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四二九一)


【万葉歌みじかものがたり】こころかなしも》

どき 花どき
あたたかさ増す 風は
 の心を 浮き立たせる
しかし  また
淀む霞は だるさ呼び
物思い  深める

(雪の内裏だいり
 あの快活かいかつ歌は キリとした 寒さ故か
  越の春
 身引き締まる寒さ 宿やどしていた
  都の春
 この 物憂ものう
  昔も こうであったろうか)

付き合いづよくなったと 思う家持
我慢 虚勢きょせいの歌みが
知らずと 心むしばみを 呼んでいた

一番の 気りは 仲麻呂様うたげ
にらまれせぬかの 警戒ごころ
次いでは 奈良麻呂殿うたげ
誘い込まれせぬかの 用心ごころ
橘諸兄もろえうたげは 気は許せるものの
度重たびかさねは 誰の目が光るやもの 気遣いごころ
かと言って 友同士うたげ 
心寄せ いずれにかの 猜疑さいぎごころ

春の野に 霞たなびき うら悲し このゆふかげに うぐひす鳴くも
《春の野に 霞なびいて 鶯の 声よいや 沈む心に》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四二九〇)

我がやどの いささむら竹 吹く風の 音のかそけき このゆふへかも
《庭の小藪やぶ 風おとう 吹き抜ける この夕暮れの さみしさ何や》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四二九一)
                          【二月二十三日】

うらうらに 照れる春日はるひに 雲雀ひばり上がり こころかなしも ひとりし思へば
《日ぃうらら 雲雀ひばりさえずる 春やのに 心はずまん 思い尽きんで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四二九二)
                          【二月二十五日】

沈み心 そのままを
さら なる底に 沈み込む
しかるのち
声殺しの 心うち吟じが
うつさんじ となる
気付かずがまま 家持は会得えとくしていた




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■日めくり万葉集Vol・2(241)いざ子ども

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
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【三月十三日】放映分

いざ子ども 早く日本やまとへ 大伴おほともの 御津みつの浜松 待ち恋ひぬらむ
《さあみんな はよ日本やまとへ 帰ろうや 御津の浜松 待ってるよって》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻一・六三)


【万葉歌みじかものがたり】をのこやも》

 でも 夢に見る
あの 御津みつの浜での 盛大な見送り・・・

難波なにわの津を出て の津へ
そこ からが 大変であった
出航 した船は 嵐に見舞われ 筑紫に戻り 
再度の船出は 翌年よくとし
忘れ もせぬ あの恐ろしい波の音 海の色・・・ 
唐土もろこし 
むきだしの山肌 巻きあげる黄砂きいろずな 濁り水
大和 の 青い山 白い砂 清い流れを 
どん なにか恋しく思うたことか

いざ子ども 早く日本やまとへ 大伴おほともの 御津みつの浜松 待ち恋ひぬらむ
《さあみんな はよ日本やまとへ 帰ろうや 御津の浜松 待ってるよって》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻一・六三)

あのとき すでに四十二 若くはなかったが  唐土もろこしへのつかいに列し 青雲のこころざしに 燃えていた
しかるに 帰朝後に待っていたのは 十年余りのむなしい日々
その後 伯耆守ほうきのかみに任じられはしたが 
よわいは 五十七を数えていた
地方官の任務に耐え 一度はみやこの職に着いたものの 
六十七の歳 筑前守ちくぜんのかみを命じられ 天離あまざかひな

でも  筑紫は 楽しかった
旅人たびと殿を中心とした 筑紫歌壇かだんが なつかしい
旅人 殿は 赴任早々 奥方を亡くされたのだった
鬱々うつうつたる日々 せめてもの慰みにと 催されたうたげの数々
七夕 の宴
梅花うめはなの宴
あのころの友 小野老おののおゆ 沙弥満誓さみまんせい・・・
みな  遠くなった

筑前守 任解かれしは昨年きょねん
みやこに戻れはしたが もう 役目とてない
世をうとう 歌みの日々が 過ぎて行った
今 やまい このていたらくだ
藤原八束やつか殿が 川辺東人かわべのあずまひとをして 見舞いに寄こして下された
果報者かほうものよ 憶良 まだ 友が
「見舞いの礼に 八束やつか殿に この歌を
 憶良めは まだまだ 死なぬと お口添くちぞえを」

をのこやも むなしくあるべき 万代よろづよに 語りくべき 名は立てずして
丈夫ますらおと 思うわしやぞ のちの世に 名ぁ残さんと 死ねるもんかい》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻六・九七八)
天平 五年(733)
社会派歌人うたびとは 帰らぬ人となった 享年七十四




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■日めくり万葉集Vol・2(240)難波辺に

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
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【三月十二日】放映分
難波なにはに 人の行ければ おくて 春菜はるな摘むを 見るが悲しさ
難波なにわへと おっと行かして 残されて 一人春菜む児 いじらし限り》 
                         ―丹比屋主たじひのやぬし―(巻八・一四四二)

【万葉歌みじかものがたり】散り こすなゆめ》

 の訪れ 告げるは梅ぞ
早よにほころべ 寒閉じつぼみ
咲けばほんのり ぬくさも香る
連れて 来るのは 春告げ鳥か

ふふめりと 言ひし梅が 今朝けさ降りし 沫雪あわゆきひて 咲きぬらむかも
《もう咲くと 聞いてた梅は 今朝けさ降った 沫雪ゆきに負けんと 咲いたやろうか》
                         ―大伴村上おおとものむらかみ―(巻八・一四三六)
しもゆきも いまだ過ぎねば 思はぬに 春日かすがの里に 梅の花見つ
《霜や雪 まだ消えんのに ひょっこりと 春日かすがの里で うめはな見たで》
                         ―大伴三林おおとものみはやし―(巻八・一四三四)
霞立つ 春日かすがの里の 梅の花 山のあらしに 散りこすなゆめ
春日かすが里 咲いたうめはな 山からの 強風あらし来たかて 散るんやないで》
                         ―大伴村上おおとものむらかみ―(巻八・一四三七)

(老いて迎えた 春いとおしや
  またの来る春 逢えるか梅に)

去年こぞの春 いこじて植ゑし 我がやどの 若木わかきの梅は 花咲きにけり
去年きょねん春 植えうつしした 庭先の 梅の若木わかぎに 花咲いたがな》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻八・一四二三)
かくしつつ らくをみぞ たまきはる 短きいのちを 長くりする
《こないて 生き続けんが うれしいて 短いいのち ねがうんや》
(こないて 咲く梅見るん うれしいて 短いいのち ねがうんや)
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻六・九七五)

 霞棚引き 野山が呼ぶよ
  今日のこの日の 春こそ遊べ)

時は今は 春になりぬと み雪降る とほやまに 霞棚引く
《もう春が てるんやでと 雪残る い山霞 棚引いてるで》
                         ―中臣武良自なかとみのむらじ―(巻八・一四三九)
かすみ立つ 野のうへかたに 行きしかば うぐひす鳴きつ 春になるらし
《霞立つ 野山のやまの上に 行ったなら 鶯聞いた 山もう春や》
                         ―丹比乙麻呂たじひのおとまろ―(巻八・一四四三)

 春のうららに 顔出す春菜
 摘んでる児の背 うらら包む)

難波なにはに 人の行ければ おくて 春菜はるな摘むを 見るが悲しさ
難波なにわへと おっと行かして 残されて 一人春菜む児 いじらし限り》 
                         ―丹比屋主たじひのやぬし―(巻八・一四四二)




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■日めくり万葉集Vol・2(239)角島の

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
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【三月九日】放映分
角島つのしまの 瀬戸の若布わかめは 人のむた 荒かりしかど 我れとは和海藻にきめ
つのじまの 瀬戸の若布わかめは みんなには つんけんやけど わしにはなつく》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八七一)

【万葉歌みじかものがたり】二つ の石を》

ね 訪れたいとの思い 
やっとかのうて
今 憶良は 怡土郡いとのこおり深江村にいる
玄界灘 の向こう 
はるか に 壱岐・対馬 
韓国からくには かすみの向こうか

深江 の浜を望む 小高い丘に それは あった
大小  径一尺を越す 二つの長丸石
往来の者 すべからく 拝すという
那珂郡なかのこおり蓑島の 建部たけべ牛麿の言葉 そのままに

いしりの古老の話に 憶良 筆を
けまくは あやにかしこし 足日女たらしひめ 神のみこと 韓国からくにを たひらげて 御心みこころを しづめ給ふと い取らして いはひ給ひし 真玉またまなす 二つの石を 世の人に 示し給ひて 万代よろづよに 言ひぐがねと
《その名も高い 神功じんぐうの 皇后さんが その昔 韓国からくに征伐いくさ 行く時に 心しずめに 持ってくと まつり祈った 二つ石 世の人々に 示されて 後々あとあとまでも 言い継げと》
わたの底 沖つ深江の 海上うなかみの 子負こふの原に 手づから 置かし給ひて かむながら かむさびいます 奇魂くしみたま 今のをつつに 尊きろかむ
《ここの深江の 浜の上 海を望める 子負こふ丘に 手ずからまつる 神の石 年月としつきって 今見ても なんと尊い この石よ》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八一三)
天地あめつちの ともに久しく 言ひげと 此の奇魂くしみたま 敷かしけらしも
 この話 ずうっとずっと 伝えよと お置きになった 神宿り石》
                         ―山上憶良やまのうえのおくら―(巻五・八一四)

一衣帯水いちいたいすい 
韓国からくにとの海峡は 
交易につけ 軍事につけ 船の行きった海
その昔 憶良を もろこしへと運んだ海
憶良の はるかな 昔
伝説が 伝える ちん懐石かいいしの置かれた小丘

 良の老いの眼が 海の向こうを見ている
 ――――――――――――――
この 旅で 憶良は 思わぬ収穫を得た
親しく なった 古老
子負こふはら小丘 
ここ 訪れる諸国の人々
それから聞きし 伝えの民謡たみうた
これらいずれも 民恋歌たみこいうた

むらさきの 粉潟こかたの海に かづく鳥 玉潜きば 我が玉にせむ
粉潟こがた海 もぐりの鳥が 真珠しんじゅだま って来たなら わしのに仕様しょうか》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八七〇)

角島つのしまの 瀬戸の若布わかめは 人のむた 荒かりしかど 我れとは和海藻にきめ
つのじまの 瀬戸の若布わかめは みんなには つんけんやけど わしにはなつく》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八七一)





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■日めくり万葉集Vol・2(238)児らが家道

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【三月八日】放映分
らが家道いへぢ ややどほきを ぬばたまの 渡る月に きほひあへむかも
《あの児いえ ちょっと遠いが この月が 照ってるぁに 着けるやろうか》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻三・三〇二)

【万葉歌みじかものがたり】 たづたづし》

日暮れ 来たなら あの人恋し
されど 闇夜は 逢うことできん
今宵 月夜は せめても機会
 よ明こ照れ 雲隠すなよ

 夜目に遠目に 傘の内かな)
み空行く 月の光に ただいち 相見あひみし人の いめにし見ゆる
月明つきあかり したでちらっと 見た人が 夢て来たわ なんでやろうか》
                         ―安都扉娘子あとのとびらおとめ―(巻四・七一〇)

 お前訪ねる 夜道は暗い
 月よ照らせよ この足もとを)

倉橋くらはしの 山を高みか ごもりに る月の かたかた
倉橋くらはしの 山高いんで 月るん おそて待っても 待ち切れんがな》
                         ―沙弥女王さみのおおきみ―(巻九・一七六三)
倉橋の 山を高みか ごもりに る月の 光ともしき
倉橋くらはしの 山高いんで 月出るん おそてなんやら 薄暗うすぐらいがな》
                         ―間人大浦はしひとのおおうら―(巻三・二九〇)
あまの原 け見れば 白真弓しらまゆみ 張りてけたり 夜道よみちけむ
あおいだら 弓張ったな 月出てる 夜道歩くに 大助かりや》
                         ―間人大浦はしひとのおおうら―(巻三・二八九)
らが家道いへぢ ややどほきを ぬばたまの 渡る月に きほひあへむかも
《あの児いえ ちょっと遠いが この月が 照ってるぁに 着けるやろうか》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻三・三〇二)
しきやし ちかき里の 君むと おほのびにかも 月の照りたる
ちこに住む あんたるのん わかるんか くまう月が 照っとおるがな》(女歌?男友?)
                         ―湯原王ゆはらのおおきみ―(巻六・九八六)

(待つは長いが 逢瀬おうせは早い
 せめても少し うちそば居って)

夕闇ゆふやみは 道たづたづし 月待ちて ませ我が背子 そのにも見む
夕闇ゆうやみは 道あぶないで 月のを 待ったらやん それまでって》
                         ―豊前國娘子ぶぜんのくにのおとめ大宅女おおやけめ―(巻四・七〇九)
雲隠くもがくり 行方ゆくえみと が乞ふる 月をや君が 見まくりする
雲隠くもかくれ そのまま居って 思う月 あんた出て欲し 思とんのんか》
                         ―豊前国娘子ぶぜんのくにのおとめ―(巻六・九八四)

(鳴いてくれるな 夜明けのかけよ)
あます 月読つくよみ壮士をとこ まひむ 今夜こよひの長さ 五百いほ継ぎこそ
てんで照る おっ月さんよ 礼するで 五百ごひゃくばいして 今夜こんやの長さ》
                                                  ―湯原王ゆはらのおおきみ―(巻六・九八五)



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■日めくり万葉集Vol・2(237)大君の

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【三月七日】放映分
大君おほきみの 御笠みかさの山の おびにせる 細谷ほそたにがはの 音のさやけさ
《三笠山 ぐるっとめぐり 流れてる 細谷ほそたにがわの 瀬音きよらや》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇二)


【万葉歌みじかものがたり】こち巨勢山こせやま

む歌は 三輪 香久かぐ 巨勢こせ
二上ふたがみ 三笠 みの山よ
川をむ歌 吉野が続く
大淀 六田むだに 宮瀧見たい

三諸みもろつく 三輪山見れば 隠口こもりくの 泊瀬の檜原ひばら 思ほゆるかも
《三輪山を しみじみ見たら なつかしい 初瀬の檜原ひばら 見とうなったで》
                          ―作者未詳―(巻七・一〇九五)
いにしへの ことは知らぬを れ見ても 久しくなりぬ あめの香具山
《その昔 わしは知らんが 香久山かぐやまは ずっとなごうに 神々こうごうしいで》
                          ―作者未詳―(巻七・一〇九六)
我が背子を こち巨勢山こせやまと 人はへど 君もまさず 山の名にあらし
《あんた来る 云う巨勢山こせやまや 聞いたけど あんたんがな ただの山名ぁやん》
                          ―作者未詳―(巻七・一〇九七)
                          (巨勢=こせ=来背=背が来る=あんた来る)

紀伊道きぢにこそ 妹山いもやまありといへ 玉櫛笥たまくしげ 二上山ふたがみやまも 妹こそありけれ
《妹山は 紀の国だけや うけども 二上山も 雌岳いもやまあるで》
                          ―作者未詳―(巻七・一〇九八)
かたをかの このむかに しひかば 今年の夏の 蔭にならむか
《前にある 向かいの峰に しいの実を いたら夏に 日陰ひかげなるかな》
                          ―作者未詳―(巻七・一〇九九)
大君おほきみの 御笠みかさの山の おびにせる 細谷ほそたにがはの 音のさやけさ
《三笠山 ぐるっとめぐり 流れてる 細谷ほそたにがわの 瀬音きよらや》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇二)
今しくは 見めやと思ひし み吉野の 大川淀おほかはよどを 今日けふ見つるかも
《おいそれと 見られんやろと おもとった 吉野大淀おおよど 今日見たんやで》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇三)
音に聞き 目にはいまだ見ぬ 吉野川 六田むつたの淀を 今日けふ見つるかも
《評判は 聞いとったけど 見てなんだ 吉野六田むだ淀 今日見たんやで》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇五)
めて み吉野川を 見まくり うち越え来てぞ 瀧に遊びつる
《み吉野の 川となって 馬つらね 山越え滝で 遊んだこっちゃ》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇四)
かはづ鳴く 清き川原かはらを 今日けふ見ては 何時いつか越え来て 見つつしのはむ
河鹿かじか鳴く 清らか川原 今日見たで 次に山越え 何時いつよかいな》
                          ―作者未詳―(巻七・一一〇六)



――――――――――――――――――――
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■日めくり万葉集Vol・2(236)我が園の

NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
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【三月六日】放映分
我が苑の すももの花か 庭にる はだれのいまだ 残りたるかも
《庭散るは すもも落花はなか っとった 雪がまだらに 残っとるんか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四〇)

【万葉歌みじかものがたり】したる道に

こしは 四年目の春を 迎えた
天平 勝宝二年(750)
思えば 
やみせの春 
大黒おおくろ」・池主・長歌失くしの春
池主諫言かんげんにより 一年の歌停止ちょうじかれたは 
昨年 の春であった

 今年の春の 穏やかなこと
なんと 心おどる 春であることか)

春 三月を迎え 短日たんじつの連作
その 歌は 新しい気に満ち
どこか みやこ風情ふぜいただよ
大嬢おおいらつめが 運んでしか

【三月一日 暮れ】春の苑のももすももの花見て 二首
春のその くれなゐにほふ 桃の花 したる道に 出で立つ娘子をとめ
はるそので あこうにえる 桃の花 その下道したみちに 立つ娘子おとめよ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一三九)
我が苑の すももの花か 庭にる はだれのいまだ 残りたるかも
《庭散るは すもも落花はなか っとった 雪がまだらに 残っとるんか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四〇)

【  〃  夜】飛びかけしぎを見て
けて ものがなしきに さ夜けて 羽振はぶき鳴くしぎ が田にか
《春なって 物憂ものうよるに 羽ばたいて 鳴いてるしぎは 何処どこの田やろか》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四一)

 三月二日】柳を折取り 都偲んで
春の日に れる柳を 取り持ちて 見れば都の 大路おほぢし思ほゆ
《春の日に 芽吹く柳を 眺めたら 奈良の大路おおじの 柳なつかし》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四二)

【 〃 】堅香子草かたかごを折取りて
物部もののふの 八十やそ娘子をとめらが まがふ 寺井てらゐうへの 堅香子かたかごの花
娘子おとめらが 多数よけ集まって 水を汲む 湧水わきみず場所に 咲く堅香子かたかごよ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四三)

  〃 】帰る雁を見て 二首
つばめ来る 時になりぬと 雁がねは 本郷くにしのひつつ 雲がくり鳴く
つばめ来る 季節なったと 雁の奴 故郷くにしのんで 雲なか鳴くよ》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四四)
けて かく帰るとも 秋風に 黄葉もみちの山を 越えざらめや
《春になり 帰って仕舞ても 秋風の 黄葉もみじの山を 越えまた来るで》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十九・四一四五)



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