犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(240)難波辺に

2014年02月15日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十二日】放映分
難波なにはに 人の行ければ おくて 春菜はるな摘むを 見るが悲しさ
難波なにわへと おっと行かして 残されて 一人春菜む児 いじらし限り》 
                         ―丹比屋主たじひのやぬし―(巻八・一四四二)

【万葉歌みじかものがたり】散り こすなゆめ》

 の訪れ 告げるは梅ぞ
早よにほころべ 寒閉じつぼみ
咲けばほんのり ぬくさも香る
連れて 来るのは 春告げ鳥か

ふふめりと 言ひし梅が 今朝けさ降りし 沫雪あわゆきひて 咲きぬらむかも
《もう咲くと 聞いてた梅は 今朝けさ降った 沫雪ゆきに負けんと 咲いたやろうか》
                         ―大伴村上おおとものむらかみ―(巻八・一四三六)
しもゆきも いまだ過ぎねば 思はぬに 春日かすがの里に 梅の花見つ
《霜や雪 まだ消えんのに ひょっこりと 春日かすがの里で うめはな見たで》
                         ―大伴三林おおとものみはやし―(巻八・一四三四)
霞立つ 春日かすがの里の 梅の花 山のあらしに 散りこすなゆめ
春日かすが里 咲いたうめはな 山からの 強風あらし来たかて 散るんやないで》
                         ―大伴村上おおとものむらかみ―(巻八・一四三七)

(老いて迎えた 春いとおしや
  またの来る春 逢えるか梅に)

去年こぞの春 いこじて植ゑし 我がやどの 若木わかきの梅は 花咲きにけり
去年きょねん春 植えうつしした 庭先の 梅の若木わかぎに 花咲いたがな》
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻八・一四二三)
かくしつつ らくをみぞ たまきはる 短きいのちを 長くりする
《こないて 生き続けんが うれしいて 短いいのち ねがうんや》
(こないて 咲く梅見るん うれしいて 短いいのち ねがうんや)
                         ―阿倍広庭あべのひろにわ―(巻六・九七五)

 霞棚引き 野山が呼ぶよ
  今日のこの日の 春こそ遊べ)

時は今は 春になりぬと み雪降る とほやまに 霞棚引く
《もう春が てるんやでと 雪残る い山霞 棚引いてるで》
                         ―中臣武良自なかとみのむらじ―(巻八・一四三九)
かすみ立つ 野のうへかたに 行きしかば うぐひす鳴きつ 春になるらし
《霞立つ 野山のやまの上に 行ったなら 鶯聞いた 山もう春や》
                         ―丹比乙麻呂たじひのおとまろ―(巻八・一四四三)

 春のうららに 顔出す春菜
 摘んでる児の背 うらら包む)

難波なにはに 人の行ければ おくて 春菜はるな摘むを 見るが悲しさ
難波なにわへと おっと行かして 残されて 一人春菜む児 いじらし限り》 
                         ―丹比屋主たじひのやぬし―(巻八・一四四二)




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