犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(144)千鳥鳴く

2012年09月22日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十月十四日】放映分

千鳥鳴く 佐保の川瀬かはせの さざれ波 む時もなし が恋ふらくは
《千鳥鳴く 佐保の川瀬の 細波なみみたい 寄せる思いが うち止まらんわ》 
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五二六)

【万葉歌みじかものがたり】黒馬 来る夜は》

坂上郎女いらつめ 眼が輝いている
(あの 当世とうせい一の美男 麻呂さま
  いま 権勢の不比等様 四男
  どこで 私の名なぞ
 たわむれかしら
  私も 大伴家も 捨てたものでは ないのね)

むしぶすま なごやが下に せれども 妹とし寝ねば 肌し寒しも
あったかな 布団で寝ても 肌寒い お前一緒に 寝とらんからや》
                          ―藤原麻呂ふじわらのまろ―(巻四・五二四)
よく渡る 人は年にも ありといふを 何時いつの間にぞも が恋ひにける
辛抱しんぼして 一年逢えん 彦星ひと居るに 辛抱の出来できん 恋して仕舞しもた》
                          ―藤原麻呂ふじわらのまろ―(巻四・五二三)

小躍こおどりの郎女いらつめ 隠せぬ喜びを 歌にする
佐保川さほがはの 小石踏み渡りぬばたまの 黒馬くろま来る夜は 年にもあらぬか
佐保川さほ渡り あんた黒馬うま乗り 来るのんは 毎夜ずっとの 年中欲しで》
                        ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五二五)
千鳥鳴く 佐保の川門かはとの 瀬を広み 打橋渡す と思へば
 千鳥鳴く 佐保の川の瀬 広いんで あんた来るなら うち橋架ける》
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五二八)

逢瀬おうせ重なり 郎女の いぶかごころ 本気ごころ
千鳥鳴く 佐保の川瀬かはせの さざれ波 む時もなし が恋ふらくは
《千鳥鳴く 佐保の川瀬の 細波なみみたい 寄せる思いが うち止まらんわ》 
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五二六)
娘子をとめらが 玉櫛笥くしげなる 玉櫛の 神さびけむも 妹に逢はずあれば
《値打ちある 櫛箱みたい 上等な 人間ひとなって仕舞う 逢わへんだなら》
                          ―藤原麻呂ふじわらのまろ―(巻四・五二二)
佐保さほかわの 岸のつかさの 柴な刈りそね
 ありつつも 春しきたらば 立ちかくるがね

 佐保川の 土手に生えてる 草刈らんとき
  そしたなら 春来たときに 隠れて逢える》
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五二九)
でてなむ 時しはあらむを 殊更ことさらに 妻恋つまごひしつつ 立ちてぬべしや
《帰りしな 言うことちゃうで 奥さんが 恋しなったて て戻るやて》
                       ―大伴坂上郎女おおとものさかのうえのいらつめ―(巻四・五八五)
 あんなことを おっしゃって
  冗談だわ 冗談に違いない
 私を かまっているのね
  これも 愛情の裏返し
  ・・・きっと)



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2012-09-22 10:15:13
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