犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(152)奈良山の

2012年10月20日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【十月二十六日】放映分

奈良山ならやまの 児手このてかしはの 両面ふたおもに かにもかくにも 侫人こびひととも
へつろうて あっちこっちに え顔し 始末しまつの悪い おべっか者め》
                         ―消奈行文せなのこうぶん―(巻十六・三八三六)

【万葉歌みじかものがたり】まなぶたれて》

 時代変われど 小役人
 ずるいけども 憎みもならず》

奈良山ならやまの 児手このてかしはの 両面ふたおもに かにもかくにも 侫人こびひととも
へつろうて あっちこっちに え顔し 始末しまつの悪い おべっか者め》
                         ―消奈行文せなのこうぶん―(巻十六・三八三六)

かんつかえは 気楽なものさ 
一度いたら もう好都合しめたもの
早出眠いが  昼まで勤め 
居眠いねむりする 時過ぎわる 
扶持ふちは安いが 月々はいる 
日照り 雨風 関係なしに

ざうけふに ひおほとれる くそかづら 絶ゆることなく みやつかへせむ
《サイカチに からみついてる クソカズラ わしずううっと 役人でろ》
                         ―高宮王たかみやのおおきみ―(巻十六・三八五五)
  
波羅門ばらもんの 作れる小田をだを からす まなぶたれて はたほこ
《バラモンが お作りの田ぁ 喰うからす 寝惚ねぼまなこで 旗竿はたざおるで》
                         ―高宮王たかみやのおおきみ―(巻十六・三八五六)
                     婆羅門」=宮廷
                     カラス」=役人
                     食む」=勤めを食い物にする
                    「まなぶたれて」=満腹で眠い 

《坊主かもうて しっぺが返る》

坊主ぼうず綺麗ぎれい 常のこと 頭もるし ひげ
したが坊主ぼうずは 忙しい 朝の読経どきょうに 昼掃除そうじ 
檀家だんか回りに 托鉢たくはつに 時に法要ほうよう 葬儀そうぎあり
休む間なしの 毎日は ひげり残す 仕方しかたなし 

法師ほふしらが ひげくひ 馬つなぎ いたくな引きそ 法師ほふしは泣かむ
んさんの ぞこないの ひげくいに 馬つなぎなや 引いたら泣くで》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八四六)
壇越だにをちや しかもな言ひそ 里長さとおさが 課役えだちはたらば いましも泣かむ
檀家だんかはん そらい過ぎや 里長さとおさの 税取り立て来たら お前が泣くで(坊主税金免除やで)》
                         ―ほうし―(巻十六・三八四七)




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