犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(223)心をし

2013年11月06日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【二月十六日】放映分
心をし 無何有むがうさとに 置きてあらば 藐孤射ばこやの山を 見まく近けむ
こだわりの 心捨てたら 不老ふろ不死ふしの 仙人せんにん世界 ぐそこちゃうか》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八五一)

【万葉歌みじかものがたり】《海や死にする》

生と死 この無情むじょうなる物
宗教的背景つ これらの歌
この時代 極楽ごくらく往生おうじょう思想 民衆みんしゅうひろがり未だし
作者は 僧侶教養人なりや

心をし 無何有むがうさとに 置きてあらば 藐孤射ばこやの山を 見まく近けむ
こだわりの 心捨てたら 不老ふろ不死ふしの 仙人せんにん世界 ぐそこちゃうか》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八五一)
               (無何有むがうさと=「荘子」に云う自然のままで、何の作為もない理想郷)
               (藐孤射ばこやの山=「壮士」に云う不老不死の仙人が住む安楽卿)

鯨魚いさな取り 海や死にする 山や死にする
死ぬれこそ 海はしほて 山は枯れすれ
《あるやろか 海死ぬうん 山死ぬうん
あぁ死ぬで 海干上ひあがるし 山枯れるがな》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八五二)

 は生まれて 何れは死ぬる
死ねば魂 行くのは何処いずこ
天の霊界 如何いかなるところ
如何いかに思うや 万葉人まんようびとは 

あめなるや 神楽良ささら小野をのに 茅草ちがや刈り かや刈りばかに うづらを立つも
たまつどう 神楽良ささらの小野で 茅草かや刈るに にわ飛び立つ 人魂ひとだまうずら
                          ―作者未詳―(巻十六・三八八七)
                       (ささらの小野=死者の魂が集まる恐ろしい月世界)
                       (うづら=霊魂そのものが具現化したもの)
  
おきつ国 うしはく君の 屋形やかた 丹塗にぬりの屋形やかた 神の渡る
霊界れいかいの 支配のぬしの 丹塗にぬり舟 死霊しりょうを乗せて あの世へ渡る》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八八八)
  
人魂ひとだまの さなる君が ただひとり へりし雨夜あまよの 葉非左さむけ思ほゆ
人魂ひとだまの あんたに独り 出くわした あめ寒気さむけ いまだ消えんわ》
                          ―作者未詳―(巻十六・三八八九)



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