NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【十一月十日】放映分
古に ありけむ人も わがごとか 妹に恋ひつつ 寝ねかてずけむ
《同じか 昔の人も ワシみたい 焦がれ恋して 寝られへんのは》
―柿本人麻呂―(巻四・四九七)
【万葉歌みじかものがたり】《浦の浜木綿》
(なんとした ことか)
人麻呂は 苛立っていた
文机を前に 小半時も
(ええい 言葉が 結べぬ
天皇の 寿ぎ歌
身罷り人への 挽き歌
次々と 口をついて 出るものを
女人への 思い歌
それも わが思い歌 となると 結べぬ)
人麻呂は 仰向け倒れに 天井を見る
目を つぶる
閉じた目に 軽郎女
「抜くのじゃ 己が身から 思いを抜くのじゃ」
もう一人の 人麻呂が 囁きかける
み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも
《浜木綿の 葉ぁ幾重に 茂ってる 思いも相やが よう逢い行かん》
古に ありけむ人も わがごとか 妹に恋ひつつ 寝ねかてずけむ
《同じか 昔の人も ワシみたい 焦がれ恋して 寝られへんのは》
―柿本人麻呂―(巻四・四九六、四九七)
(出来たぞ 出来た
われにも あらぬ 初な歌じゃ)
(この歌を 贈るとして 返し歌は どうかな)
今のみの 行事にはあらず 古の 人ぞまさりて 哭にさへ泣きし
《今だけの こととは違て 昔かて 恋して泣いた 今よりもっと》
百重にも 来及かぬかもと 思へかも 君が使の 見れど飽かざらむ
《何遍も 来て欲し思う あんたから 使い来る度 見る度ずっと》
―柿本人麻呂―(巻四・四九八、四九九)
(自分で 返し歌まで 詠むか)
人麻呂の頬は 緩んでいる
喪の明けやらない 人麻呂に 恋の奴が 取り付いた
未通女らが 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひきわれは
《布留山の 瑞垣古い 長ずっと 長うずうっと 思てんやわし》
夏野行く 牡鹿の角の 束の間も 妹が心を 忘れて思へや
《夏牡鹿の 角短いで そんな間も 忘れてへんで お前の気持ち》
玉衣の さゐさゐしづみ 家の妹に 物言はず来にて 思ひかねつも
《バタバタと 出て来て仕舞て お前には 何も言わんで 気にしとんやで》
―柿本人麻呂―(巻四・五〇一~五〇三)
君が家に わが住坂の 家道をも 我れは忘れじ 命死なずは
《あんた家 うち住みたいで そこへ行く 道忘れへん 死ぬまでずっと》
―柿本人麻呂妻―(巻四・五〇四)
離れ住む二人の 歌遣り取りが続く
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【十一月十日】放映分
古に ありけむ人も わがごとか 妹に恋ひつつ 寝ねかてずけむ
《同じか 昔の人も ワシみたい 焦がれ恋して 寝られへんのは》
―柿本人麻呂―(巻四・四九七)
【万葉歌みじかものがたり】《浦の浜木綿》
(なんとした ことか)
人麻呂は 苛立っていた
文机を前に 小半時も
(ええい 言葉が 結べぬ
天皇の 寿ぎ歌
身罷り人への 挽き歌
次々と 口をついて 出るものを
女人への 思い歌
それも わが思い歌 となると 結べぬ)
人麻呂は 仰向け倒れに 天井を見る
目を つぶる
閉じた目に 軽郎女
「抜くのじゃ 己が身から 思いを抜くのじゃ」
もう一人の 人麻呂が 囁きかける
み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも
《浜木綿の 葉ぁ幾重に 茂ってる 思いも相やが よう逢い行かん》
古に ありけむ人も わがごとか 妹に恋ひつつ 寝ねかてずけむ
《同じか 昔の人も ワシみたい 焦がれ恋して 寝られへんのは》
―柿本人麻呂―(巻四・四九六、四九七)
(出来たぞ 出来た
われにも あらぬ 初な歌じゃ)
(この歌を 贈るとして 返し歌は どうかな)
今のみの 行事にはあらず 古の 人ぞまさりて 哭にさへ泣きし
《今だけの こととは違て 昔かて 恋して泣いた 今よりもっと》
百重にも 来及かぬかもと 思へかも 君が使の 見れど飽かざらむ
《何遍も 来て欲し思う あんたから 使い来る度 見る度ずっと》
―柿本人麻呂―(巻四・四九八、四九九)
(自分で 返し歌まで 詠むか)
人麻呂の頬は 緩んでいる
喪の明けやらない 人麻呂に 恋の奴が 取り付いた
未通女らが 袖布留山の 瑞垣の 久しき時ゆ 思ひきわれは
《布留山の 瑞垣古い 長ずっと 長うずうっと 思てんやわし》
夏野行く 牡鹿の角の 束の間も 妹が心を 忘れて思へや
《夏牡鹿の 角短いで そんな間も 忘れてへんで お前の気持ち》
玉衣の さゐさゐしづみ 家の妹に 物言はず来にて 思ひかねつも
《バタバタと 出て来て仕舞て お前には 何も言わんで 気にしとんやで》
―柿本人麻呂―(巻四・五〇一~五〇三)
君が家に わが住坂の 家道をも 我れは忘れじ 命死なずは
《あんた家 うち住みたいで そこへ行く 道忘れへん 死ぬまでずっと》
―柿本人麻呂妻―(巻四・五〇四)
離れ住む二人の 歌遣り取りが続く
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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