まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

桜のライトアップ

2008年04月09日 | にこにこ
 我が家のベランダ前の桜の大木・・・以前から、何度もこのブログの中にも登場していますので、すでにご存知の方も多いことでしょう
 四季折々、この3本の桜の木は、毎日眺めて暮らす私達家族に、いろいろなことを語り、教えてくれます
 もちろん、満開の花の時期は、この世のものとは思えない雅な感動を。
 芽吹きの時期には、生命力の力強さを、真っ青な葉を茂らせ陽の光に輝く時期には、豊かな自然の営みを。
 葉っぱを落として北風に揺れる裸木の時期には、生きることの厳しさを・・・

 何も語らない木だからこそ、いろいろなことを感じます
その桜。毎年、蕾から開花していく期間を楽しみ、満開になると、少しでも長い時間、その桜を眺めていたいと窓の前に立って時間を過ごすのですが、今年はとうとう夫と二人、「何とか、夜もこのすばらしい眺めを、もっともっと感じていたい」と思い、何か良い「ライトアップの案はないか?」と思案しました
 そして、思いついたのが、私のパソコンデスクの横に置いてあるスタンドを、ベランダに持ち出す、というプランでした
 このスタンド。白熱灯が4個、縦に等間隔でポールに付いているタイプで、一つ一つのライトが、可動式になっています。要するに、外に持ち出して、その4つのライトを、ベランダの前の桜の木々のほうに向ければ、完璧に「ライトアップ用の電気」に変身させることができる!ということに気づいたわけです
 コンセントはベランダにはありませんが、夜桜を楽しむ短い時間だけですので、なるべく「細い」延長コードを見つければ、アルミサッシを閉めればすきま風が困るほど開かないでしょう。

 さあ、いよいよ実行 スイッチ、オン
ひゃー・・・ 満開の桜の大木3本が、転居後23年にして、見事にライトアップされました。
 まさに、夫と二人で言葉を失いました。みごと・・・この言葉に尽きました
 ただ、一日目は、セットの作業に時間が深夜だったために、すぐに消灯。ちなみにこの桜、マンションの中庭に立っていたりするのではなく、ほとんどマンションの他の住人の目にふれないところにあるため、こんな勝手なことをしても、問題になる、という危険性はなさそうです

 そして翌日。
私は帰宅後、玄関を入ると靴を脱ぐのももどかしいくらいの勢いでリビングに向かい、部屋の電気を付ける前にスタンドのスイッチを「オン」しました
 暗い部屋の外に、パッと広がるピンクの花々・・・その瞬間、どこからか「わーっ」という声が聞こえたような気がしました。しばらくすると、右隣のお家から、パッパッとフラッシュがたかれるのが見えました

 じつは、私が住むマンションはとても面白い構造をしていて、小高い山の頂上部分、そのなだらかな尾根の傾斜を利用して、細長く立つ3階建ての低層のマンションです
 そして、一つの階段は、向かい合わせの6件が使うことになっています。フラッシュがたかれた右隣のお家は、こういうマンションの構造上、我が家から言うと「裏のお家」にあたり、利用する階段が違うため、その裏の住人の方とお話しをする機会はあまりありませんでした
 けれど、住人の方は、ご年配の女性お二人(姉妹かな、と思っていました)で、たまに敷地内でお目にかかると、ちょっとした何気ないお話しをする方でしたが、相手の方は、私が「裏の家の住人」だということには気づかれていないのでは?と思っていました。

 そのライトアップは、先週末まで、1週間続けました
1週間の間に、息子、娘とそれぞれ1回ずつ、夕食を一緒にして、美しい桜を愛でましたが、あとはほとんど、夫と二人だけで夜桜を楽しみました。
 それに、帰宅の遅い夫ですから、一晩に長くて1時間くらいしか楽しめないのに対し、私はほぼ毎日、日没から深夜まで、無名の桜の名所で、お花見をしました。  時には一幸庵のお団子とお番茶で。
  時にはお気に入りのパンとチーズとワインで。
  時にはデパ地下の「お花見弁当」で。
  時には美味しい京都の漬け物とお茶漬けで。
(お気づきかと思いますが、この時期、わが子達が大学の新入生の勧誘で忙しく、ほとんど自宅で夕食をしないのを良いことに、私一人の夕食のために支度に長時間を費やすのももったいなく、少しでも長く桜の前に座っていられるよう、超手抜き夕食に徹しました

 そんな1週間の最後の土曜日の夜、夫とふたりで、やっぱり部屋の電気を暗くして、桜のライトアップをしていると、ピンポーンとインターフォンが鳴りました。
 画面を見ると、「裏の住人」の方が映っています。はーいとお声をかけて、玄関を開けると・・・

 「まあ、奥様でしたか (やっぱり、私が裏の住人だと、この方はご存知なかったようです) これ、ほんとにささやかでお恥ずかしいのですが、私から気持ちです この桜餅と草餅、とっても美味しいんですよ。新しくできた新横浜のTで見つけたんです。桜を眺めながら、ほんのお口汚しですけれど、召し上がってください 奥様、私ね、何とお礼を申しあげたら良いのか・・・ この1週間、本当に毎日、毎日、優雅な夜を過ごさせていただきました。ほんと、優雅な、豊かな時間でしたわ 最初の夜、パッと明かりがついたとたん、うちのリビングが、ピンク色に見えたんです 毎年、毎年、お昼間に桜を楽しんでましたけれど、夜になると、残念な思いで、心残りでカーテンを閉めてたんですよ。でも、今年は奥様のお宅のお陰で、本当にすばらし春を過ごさせていただきました。ありがとうございました

 翌日、その話を息子にもしたところ、「なんて素敵な話なんだろうねえ!今どき、なかなかないような良い話だねえ、よかったねえ!」と話し、頂戴した草餅を、おいしそうに食べていました

 ほんと、そうです すばらしい夜桜を愛でた、すてきな1週間に、おまけのようについてきた、やっぱり「素敵な豊かな話」でした。何だか今では、背中合わせのお家から、あたたかい温度が伝わってくるように思います

 自然を愛でる、感じる、心が豊かになる・・・そして、それを表現し、誰かと共有する、共感する・・・
 どんなに精密な図鑑からも、得ることのできない、桜の花が運んでくれたほのぼのとした「心」でした。

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2 コメント

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Unknown (ちんたんママ)
2008-04-13 02:14:15
初めまして。少し前から時々先生のブログを拝見させていただいております。そして、先生のおっしゃっていること一つ一つに納得・同感している日々です。
今回は、桜の素敵なお話、ありがとうございました。日本人にとって、『桜』は本当に特別な花ですよね。今年長男が小学校にあがり、入学式が7日だったのですが、ギリギリ残っている校庭の桜の前で集合写真を撮影することができました。そんな時「あぁ、桜の花が残ってくれていて本当によかった」と心から思いました。それと同時に、私が小学校や中学校に入学した20数年前は、「入学式に桜が“間に合う”?」と心配したものだったのに、最近では「4月上旬まで“もつ”?」という心配毎に変わってきたのでは、とふと思いました。やはり温暖化の影響なのでしょう。自然に生きている花や木は、環境に本当に敏感なのだと思います。そういうこともあわせて子供たちに教え伝えていければいいなと思いました。
これからもたくさんの素敵なお話、聞かせてください!
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ちんたんママさん、ありがとうございます! (まどか先生)
2008-04-13 06:46:04
ちんたんママさん、コメントありがとうございました
「感動する心、感性」というものは、一朝一夕に育つものではありません。しかし、世の中が便利に、スピーディーになっていけばいくほど、親は「感性の豊かな子になってほしい」と願いようになってきた、と感じています。
「感性を豊かにしたい!」という下心を持たず、親自身も、日々のちょっとしたことにも目と心を留めて、感動する瞬間を持っていれば、きっとそういう家庭の中で育つ子どもは、自然に感性豊かな子どもに育つに違いありません

ご長男のご入学、おめでとうございます
毎年、桜を愛でるたびに、入学の良き日のことを思い出されるでしょうね

我が家のベランダ前の桜の木。青々とした新芽が美しいですよ この移り行く木々の表情が、本当にうれしいです
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