まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

読み聞かせのすすめ

2006年08月10日 | にこにこ
 昭和33年生まれの私。
幼稚園の頃は、近所の男の子のお家にお邪魔して、「野球盤ゲーム」をすることがとても楽しみでした
 野球盤ゲームなんて、みなさんはご存知ないかもしれませんね どんなものかと言えば・・・一辺が40センチくらいの四角い盤で、野球場をぎゅっと小さくしたようなものです。
 1,2,3塁とホームベース、レフト、センター、ライトのポジションのところはくぼんでいて、ホームベース横にはバット状のものがあり、バネでそれがグルンと回るようになっているのです。指でキューッと後方に回し、その前に小さな金属のボールを置いて、パッと指を離します。すると、バネでそのバットが元に戻る力で、小さな金属ボールは、勢いよく前方にコロコロと転がっていく・・・という仕組みです。今思えば、悲しくなるほど単純なゲーム・・・
 でもね、あの当時、私達は十分にあれで野球をしている気分になり、大いに楽しめたのでした

 これが今のパソコンやテレビの野球ゲームであれば???
実況をするアナウンサーの声、球場に詰めかけた観客の歓声やヤジ、バッターボックスに立つ選手は、本物のプロ野球選手にそっくりで・・・まさに臨場感あふれる中で、あたかも自分がそのバッターボックスに立つ選手のような気分になってしまます

 私達の頃には、もちろん歓声もなければ、実況もありません あったのは、「○○ちゃん、ヘタクソ!もっとしっかりピーンとはじけへんかったら、ボールが前に転がっていけへんやんかあ」という文句や「△△くんはずるいわ 今、手でボールを押さえたでー」のような罵倒・・・ それでもね、一生懸命に遊んでいると、私達一人一人には、ちゃんと頭の中には実況が流れ、観客の歓声だって聞こえたのでした
 そう、それが、当時の子供達の「豊かな想像力」でした

 今の子供達には、まるで本物の試合のようなシミュレーションゲームが用意されています そう、すべてお膳立てされた中に、プレーヤーである自分が、ちょこんと入っていった感じ、でしょうか 自分はその中に入り、何でもかんでも、すべては自分の頭ではなく、機械がやってくれます 
 歓声を想像することも、実況を自分で考える必要もなく、ただただボタンを押すだけ・・・

 テレビの前に座り、「むかし、むかし、あるところに・・・」のナレーションを聞けば、ちゃんと「昔のある所」の画像が現れます 「おじいさんと、おばあさんが住んでいました」の声を聞けば、そこにおじいさんとおばあさんが登場します。
 でもね、本当は、ある人は「髪が真っ白で、やっぱり真っ白のあごひげを生やしたおじいさん」だと思ったかもしれないし、ある人は「ツルテンピーカ」のつるっぱげ、口ひげを生やしたおじいさんと思ったかもしれません

 さあ、いかがですか?
文明の利器の発達は、じつは皮肉なことに、子供の想像力を、どんどんと未発達にしていっている・・・そう言っても過言ではありません
 もちろん、さまざまな科学の進歩は、子供の能力開発や、知育的な発達に大きく貢献している部分もあるのは事実です。いや、本当はこちらのほうが大きいでしょうね
 しかし 想像力や洞察力など、こういう部分に関しては、オーディオビジュアルの進歩によって急速に発達レベルが低くなっているのは否めません

 昔、私の生徒さんは、「むかしむかしあるところに・・・おじいさんは、やまへしばかりに、おばあさんは、かわへ洗濯に・・・」というお話を聞き、山頂の広い野原のようなところで、芝刈り機を操作するおじいさんと、河岸に並んだ洗濯機の一つで洗濯をしているおばあさん」を想像していた、というのです
 私はその子の言ったおとぎの世界を想像し、本当におかしく、そしてうれしくなったのでした
 確かに その子の想像は間違っています けれど、その子は、そこ子の経験から培われた想像力で、一生懸命に「聞いた世界を想像し、ビジュアル化」していたのですね

 これは、今の子供達に、もっとも足りない部分だと思っています
まあ、もちろん、想像の間違いは指摘するとしても・・・それでもなお、想像する力を養うことは、尊いことです なぜならば、いずれ、想像力は、発達はしていかなくなるからなのです

 ただただ習慣的に、惰性で読み聞かせをするのではなく、子供が「聞くこと」によって、たくさんの想像力をめぐらし、豊かに成長していかれることを願っています

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宮島での夜 | トップ | お盆・・・ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

にこにこ」カテゴリの最新記事