まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

知らない人と話してはいけません!?

2009年01月16日 | にこにこ
 昨日、駅の近くの郵便局に行きました ちょうど昼食の時間帯だったためか、いつも混雑している局内は、比較的空いていました。
 郵便を出そうと窓口に並ぶと、私の前で局の方とやりとりをしていたのは男の子でした。「男の子」とは言っても、小さい子ではなく、あくまで「男性と呼ぶにはまだ幼さを残した」という意味であって、年の頃なら17,8歳、でしょうか。
 局の方の手元を見ると・・・大学宛の願書でした。W大、K大等、全部で7校の封筒がありました。
 こんなことを書くと、まあ先生ったら、じろじろと見ていたのねえ・・・と気分悪く感じられるかもしれませんが、私は決して興味本意、というのではなく、願書として見慣れた学校名(我が家では、大学受験の願書は、子ども達本人ではなく、私が出していたのです)でしたので、何だかその子のことが人ごとに思えなかった・・・とでも言うのでしょうか・・・
 
 みなさんは、未だご存知ではないでしょうが、大学受験の願書は、各大学によっていろいろと郵送時の指示が違います。簡易書留指定もあれば、速達指定もあり、同じ願書と言えども、1校出すのにも時間がかかるのです

 その子は、1校1校、局の若い女性に確認をされながら、マスクをした下から、ボソボソと「はい・・・」とか「そうです・・・」と応えていました。
 今週末、明日、あさってはセンター試験です。 センター試験の日は、決まってとても寒いのです
 息子が初めてセンター試験を受けた日も、東京に初雪が降りましたし、娘の時もとてもとても寒い日でした

 私は、その男の子の「マスク」がとても気になりました 「風邪なのかなあ・・・」いや、もしかしたら、週末のセンターに向けて、お母さんが人混みに出かける時には、予防としてマスクをしなさい、と嫌がる息子に、うるさく言っているのかもしれません。
 そんなことを思いながら、根気よく待ちました

 やっと局の女性がさまざまな伝票のようなものを書き上げ、ポンポンとスタンプを押し、「3470円です!」と言うと、彼は、財布を取り出し、千円札、百円玉、五十円玉、十円玉、と出していきました。

 おかしいですねえ でも、私はその様子を見ていて、こみ上げてくるものがありました お気楽な?過保護な?我が家の子ども達は、親任せにして、この「願書を出す」という経験をしていません。けれど、私は子ども達の願書を出す時、いつも無造作に(当たり前ですが)局内の箱状のポストに投げ入れられる願書を目で追って、手を合わせる思いをしたものです。「どうぞ、良いご縁がいただけますように・・・
 今、お金を出しながら、この子は、どんなことを思っているのだろう??

 その子が窓口を離れ、私の番がきたら、私の用はすぐに終わりました。
局の出口のところに行くと、まだ、なぜかその子が伝票を眺めながらそこにいたのでした 私は思わず声をかけました。
  「あなた、今週末、センターも受けるの?」

 すると、一瞬、見ず知らずのおばさんに急に声をかけられ、その子は驚いたのか「えっ?」と言い、いぶかしげな眼差しで私を見ました。
 私はもう一度、「ごめんなさいね、でも、願書を見ちゃったものだから・・・あなたは今週末、センター試験も受験するの?」
 すると、彼は表情を崩し(たように見えました)・・・
  「はい、受けます」と答えました。私は・・・
  「そう、じゃあ、がんばってね しっかり」と満面の笑顔で、小さくガッツポーズをしました。
 その子は・・・
  「あっ、どうもありがとうございます
と応えてくれました。
 
 願書を出している初々しさからすると、どう考えても浪人生ではありません。
もし、その子の力不足で浪人をするようになったら、全校の願書を出した日に、変なおばさんに声かけられたから、こんなことになったんだ・・・と思われるかなあ・・・などと思いながらも、スーパーのほうに歩いていき、何度も、郵便局のほうを振り返りました

 今朝、ゴミを出しにいった時のことです。リビングの模様替えをして、いろいろと整理をしているうちに、思いのほか、捨てるものがたくさんありました 
 ちょっと早めにゴミを捨てる支度をして、出しにでました。マンションの指定場所に出すのではなく、ゴミ収集車がくるところまで持っていったのです、
 ちょうど、その時間は、マンションの子ども達が、近所の小学校に登校する時間帯にあたったようで、私がゴミを出し終えると、あちこちの部屋のドアが開き、「いってきまーす」の声とともに、子ども達が飛び出していくのが見えました

 私が、自分の家の階段のほうに来た時、よく見かける男の子が、ちょうど通り過ぎる新幹線を眺めて立っていました 小学校3,4年生でしょうか。あまり、お友達と一緒にいるところを見ない、大人しそうに見える子です。「ああ、あの子は、鉄道ファンなのかな・・・」まもなく新横浜駅に停車するために、減速して走っていくのは、700系ののぞみでした。
 通り過ぎると、その子は、我に返ったように向き直り、走り出しました
 ちょうどすれ違う時、私はその子に大きな声で「いってらっしゃい」と言いました。その子は驚いた様子で立ち止まり、でも、恥ずかしそうに「いってきます」と小さな声で応えて、また走り出しました。

 今の子ども達は、すでに物騒な時代に生まれた子ども達です
私が子どもだった昭和30年代後半、40年代前半は、登校時には、全然知らない人からも、「いってらっしゃい」と声をかけられました。
 おつかいをしていたら、買い物客から、「えらいねえ、おつかい?」と言われたり・・・それこそ、遠足や運動会と思しき格好で歩いていると、「がんばりなさい」とか「遠足?どこに行くの?お天気で良かったねえ」などと、よく声をかけられました。

 もしかしたら、今でも、全然知らない人とも頻繁に声をかけあい、話しをして盛り上がる「大阪の特別な土壌」のせいかもしれません。
 けれど、少なくとも、「おはよう」や「いってらっしゃい」「おかえり」などは、大人達は知らない子どもにも声をかけましたし、かけられたほうも、たとえそれが知らない相手でも、笑顔で応えたものです
 
 昨日の受験生も、今朝の男の子も、まさか、知らないおばさんに声をかけられるとは思ってもいなかったのでしょう。
 声をかけられた内容以前に、知らない人に声をかけられるということに瞬時に警戒心を持ったように見えました ちょっと残念な時代ですね・・・
 昨日の子も、今朝の子も、私に声をかけられたことで、少しでも「知らない人にも自分は見てもらっている、知らない人でも、応援してくれるんだ」というあたたかい思いを持ってくれたならうれしいなあ・・・と思いました そして、そんなことがあったという事実に、心和むような感性があればいいなあ・・・と思いました

 ベランダに出ると、澄んだ空に星がきれいに見えています 明日、やっぱり寒いのでしょうか・・・
コメント (2)
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