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本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

眠れる森の美男 (秋里和国)

2007-10-27 23:13:47 | 漫画家(あ行)
何か一種独特の雰囲気のある作品。
主人公が冷めているからか?
これも所謂「低血圧漫画」の一つともいえるだろう。
*主人公が積極的に行動しない、もしくは出来るだけいろんな事から避けようとしているような漫画。
例:「動物のお医者さん」「百鬼夜行抄」など。。。

タイトルが「眠れる森の・・・」という事はやはり主人公がキスされてゲイに目覚めたという事を表しているのか?
キスされた後、部屋に一人残される様子の表現(83ページ~91ページ)が秀逸。

富江 (伊藤潤二)

2007-10-25 20:42:20 | 漫画家(あ行)
(平成12年発行)

<あとがきより一部抜粋>
富江はいわゆる悪女の典型で、それも、ずいぶん紋切型だと自分で描いていて思う。
左目の下のホクロっていうのもよくあるパターンだ。
切断された断片から再生するというアイデアだって、私の独創とはいえないし、
男がかたっぱしから富江に魅せられてしまうという設定もちょっと強引だな。


何だかかなり冷静に自分の作品を見てますね。
この作品には作者の富江に対する”愛”が詰まっているような気がします。
自分で作ったキャラに惚れてるんでしょうね。


<再びあとがきより一部抜粋>
「富江をもっと美しく描かなくてはと、より美しい富江をめざして、次々と描かざるを得なくなってしまうという事だ!」


ここまで惚れ込んだキャラを描くのって楽しいだろうな~って思ってしまう。
富江にもっとも魅せられた男はきっと作者に違いない。

メチル・メタフィジーク (吾妻ひでお)

2007-10-22 12:26:41 | 漫画家(あ行)
(昭和55年発行)

<あとがきより>
「たしかに現実のコーゲキはしつようであり、
SFの道もまたけわしい。
しかし私はくじけない。
この世に、現実とSFと〆切りがあるかぎり、
私の本がベストセラーになるその日まで、戦い続けるのだ!!」

う~~~ん。。。
残念ながら、ちょっとばかしくじけちゃったのよねぇ。
でも、とりあえず立ち直って「失踪日記」でベストセラーになっちゃったんだよねぇ。
このあとがきを描いた時点で、自分が将来こういう風になるなんて予想してなかったんだろうなって思うと何だか面白い。

この本は、『不条理日記』が1979年の第10回日本SF大会の星雲賞コミック部門を受賞した後に描かれたもので、一番油がのってた頃の作品といえるのかもしれない。


この本に収録されている「るなてっくNo.1」
この中に、「シッポがない」としか言わない
シッポの先が切断されている恐竜?(大きいトカゲ?)が出て来る。
他の作品にも時々出ているから作者のお気に入りのキャラなのかもしれない。

この世界では、人間タイプの者は何かを引きずっている。
主人公は<のた魚>。
「のた魚はいらんかねー」と言いながら歩いてるのだ。
他の者も、<へねもね>とか<へろそ>とか<いらかそ>とかわけのわからないものを引きずりながら、
「いらんかねー」と、言っている。
そこへ、悲しそうに半べそかいた恐竜?が、「シッポがない」と言って切断されたシッポを主人公に見せる。
次のコマでは、のた魚を引きずる主人公の後ろを何匹もの恐竜?たちが
「シッポがない
シッポがない
シッポがない
シッポがない」
と言いつつ走って行く。

のた魚をいろんなものと交換した主人公は最後に何にもなくなってしまう。

「なんにもなくなってしまった
引きずる物がなにもなくなってしまった」

そして・・・主人公の身体はあのシッポのない恐竜?に変化して、
「シッポがない シッポがない」
と言いつつ走り出すのだ。




シッポ
って、何だろう?
引きずる物がある者は人間の姿。
ないものはシッポがちぎれた恐竜?の姿をしている。

引きずる物って何だろう?
財産?家族?仕事?信条?信念????

そういったものが<引きずる物>なのかもしれない。
そして・・・引きずる物を失った者は、それを後悔しつつ
「シッポがない
シッポがない」
と言って走り回らねばいけないのだ。

吾妻ひでおも失踪した時には「シッポがない」状態だったのかもしれない。


雲を殺した男 (今市子)

2007-10-10 20:13:03 | 漫画家(あ行)
(2005年発行)

<裏表紙の説明文より>
水のない国では、遠くはなれた地に
水乞いの儀式をする習わしがあった。
雲竜が棲むといわれるその国では、竜使いがおり
雨をもたらしてくれるというが・・・・・・。
表題作「雲を殺した男」他3編を収録した
壮大なるオリエンタルファンタジー傑作集。


「岸辺の唄」に続く水乞いシリーズ第二弾。

今回は水がない国だけでなく、水が多すぎる?川が氾濫する国の話なんていうのもある。
流石に、水乞いだけでは話のネタも尽きたか・・・?(笑)
まあ、とにかく人間にとって水っていうのは切っても切れないものだってことなんですよね。
私の住んでいる四国は時々水不足になったりします。
幸い今年は大丈夫だったけど、雨が降らない日が続くと、必ず
四国の水がめと言われる早明浦ダムの貯水率のニュースが流れるんですよね。
そして、どんどん貯水率が下がると、ダムを造る時に沈んだ村役場が水の中から顔を出してくるのです。

ダムって造る時に村とか沈んでしまうんですよね。
私のご先祖様のお墓があった所も30年以上前だけど、某ダムを造る時に沈んでしまいました。
自分が住んでいる所が沈んでしまうって哀しいでしょうね。
ああ、こういうテーマでもひとつお話が作れそうですね。(笑)


いつものことだけど、今市子のカラーイラストは美しいですよね。
今回の表紙もいい。
こういう淡い色調のタッチは実に素敵です。

21世紀少年 下巻 (浦沢直樹)

2007-10-02 13:29:08 | 漫画家(あ行)
(2007年発行)

とうとう終わってしまいました。
8年かかりました。

最終巻、いい終わり方だと思います。
細かい部分、人によっては物足りないと思う人もいるかもしれないけれど、全体的には良かったと思います。
私は満足です。
これを読んだ直後は知らず知らずのうちにニヤニヤしてたようです。
ダンナに、
「何か嬉しい事でもあったの?」
・・・って、きかれてしまいました。(笑)
また、1巻から引っ張り出してきて読み返そうと思います。

ラストを読めて嬉しいけど、終わってしまってちょっと寂しいですね。
また、ドキドキ、ワクワク出来る作品を描いてくれることを期待しています。


わらってクイーンベル (一条ゆかり)

2007-10-01 19:03:38 | 漫画家(あ行)
(りぼん 昭和43年4月号~9月号掲載)

これはリアルタイムで読んでました。
一条ゆかりは、絵が綺麗で結構好きな漫画家だったのだけど、この作品で大好きになってしまいました!

理由は簡単。
ジュノに惚れてしまったんですよね~♪

主人公のクイーンベルやそのお相手のエルなどはどうでもよいのです。(笑)
プレイボーイでちょっぴり悪っぽい・・・そして優しいジュノ。

私が長髪ストレート金髪のキャラが好きになったのは、たぶんこのジュノからではないかと・・・。

ストーリー的には、孤児の女の子が実は大金持ちの家の子供だった・・・という実にありきたりなものだけど、豪華な家や華麗な登場人物・・・これぞ少女漫画の醍醐味っていう感じですね~。


この本に同時収録されている「ラブ・ゲーム」。
これも大好きだった作品です。
15歳の少年が20歳の女性を引っ掛けて、肉体関係を結び・・・
実はそれは、ある復讐のためで、最後に毒を飲んでベランダから飛び降りて自殺する。
・・・というメチャクチャ無理のある設定!!(笑)


でもまあ、少女の妄想の世界では、ちっとも無理がないんですよね~。
一条ゆかりの美しい絵で描かれると、何でもあり!・・・で、いいじゃないかっていう気持ちになってしまいます。

今だと簡単に自殺するような作品を描くのはどうか・・・なんて言われそうだけど、あの当時はそういうことは全然問題にならなかったのかな?


作者もこれを描いた当時は若かったし、読者も当然若い。
”死”・・・ってことにある種かすかな憧れが入ってたのかな~?
う~~~ん???
深く考えてしまうとなかなか難しい問題ですね。
でもまあ、こういう作品は、
現実と空想の世界は別物なんだって割り切って軽~く読めばいいのかもしれませんね。

岸辺の唄 (今市子)

2007-09-26 22:24:56 | 漫画家(あ行)
(2002年発行)

作者曰く・・・
「インチキファンタジー」

う~~~ん・・・確かに時代考証いらないし、なんでもありの世界だからね。(笑)

きちんとその「世界観」っていうものがしっかり出来ている「インチキファンタジー」はとっても楽しい。
この作品もとっても楽しい。
そりゃね、厳密に言うと一話目ではまだ設定が曖昧な部分があるけどね。
そんなことは気にならないぐらい、よく出来たストーリーだと思う。



人間と、人間ではない”鬼人”が普通に存在する世界。
ある所では”鬼人”は人間に疎まれ、
またある所では”鬼人”は人間と共存している。

旱魃が続くと”水乞いの儀式”をする。

河伯の住む翠湖まで儀式のための沓を履き、どんなに遠くても歩いてたどり着くこと。
みなし子のスリジャが選ばれて行くことになったのだが・・・。


こんな国は地球上どこにも存在しないのだけど、どこか本当にこういう事をしてる所があるのではないかという気になってくる。

キャラとしては、エンとジンファのコンビがいい。
私のお気に入りは勿論、”ジンファ”!
最近は、エンのようにしっかりしてて”大人だな~!”って思えるタイプが好みだったのだけど、
何故かちょっぴり頼りなくて女装も似合う(笑)ジンファの方がいい。
ど~してだろう~~??

青池保子公式キャラクターガイドブック (青池保子)

2007-09-16 05:06:24 | 漫画家(あ行)
”帯”に
青池保子ー男の肖像ー

・・・と書いている。
表紙の9人も全て男である。
9人全部のフルネームを言える人はかなりの”青池ファン”間違いなし!!
因みに私は、どの漫画に出ていたのかは分かるのだが、フルネームの言えなかったキャラが二人いた。
近頃読んでいなかったとはいえ、申し訳ない気持ちでいっぱいである。ごめんなさい!!(誰に謝ってるのだろう?・・・笑)

さらに”帯”には・・・

青池作品に登場する魅力あるキャラクター達を完全網羅!!
キャラクター達がクロスオーバーする描き下ろしマンガや著者ロングインタビューも収録。
ファン必携の1冊。


・・・と書いている。
確かに、その通りの内容の本です。

しかし・・・それにしても本当にほとんど「男」ばかり!!
素晴らしい!!(笑)

ファンにとっては非常に楽しめる本である。

イブの息子たち (青池保子)

2007-09-15 16:07:04 | 漫画家(あ行)
これを始めて読んだ時、ぶっとびましたね!!
そうそう、こういうのが読みたかったのよ!
・・・ってな感じでそれはそれは喜びましたよ。
今は結構色々なジャンルがあるけど、
あの頃の少女漫画はまだまだ学園ものが多くて、ちょっとドジな女の子がかっこいい男の子とむすばれるっていうパターン・・・
それがこれではほとんど男しか出ない上、出てくる女はほとんど悪役・・・

ニジンスキーは美しいし・・・(ホント?)
シリーズ化されると、どんどん、どんどん絵が美しくなるし、
もう最高!!っていう感じで熱中しました。


この作品の中には色々なパロディが出てくるのだけど、それに気がつくのも何か楽しいし、
「ひっくり返ったおもちゃ箱★」っていう感じの楽しい作品。

星の時計のLiddell (内田善美)

2007-09-11 11:08:46 | 漫画家(あ行)
(1985年発行)

くまさん(くまのお気楽日記)から全巻お借りしてようやくこの作品を読むことが出来ました。
ありがとうございます♪



さて・・・感想なんだけど、それが実に難しい。
どういう切り口で見ていくべきなのか・・・?

絵の美しさは言うまでもない。
人物がどれも美しい。ちょっとした仕草、目線、髪の毛、服装・・・。
特にウラジーミルの「目線」がいい。
<目は口ほどにものをいい>・・・まさしくそういう感じだ。

背景も美しい。部屋の中、建物の外観、花、木々、自動車、小物に至るまで・・・。
しかし、ラスト近くの見開きの下が木々、上に三日月という構図、「イティハーサ」(水樹和佳)を連想してしまったのだが、どちらも<ぶ~け>掲載という事で、何か関連があるのだろうか?


いい作品は冒頭部分も素晴らしい。

幽霊になった男の話をしようと思う

この書き出し部分、まるで何かの名作小説の冒頭部分のようではないか!!

1ページ目は古いセピア色の写真。
2・3ページ、見開きタイトル。
4・5ページ、どこかの部屋の中。屋根裏部屋、階段、窓から差し込む月のあかり、
そして・・・夜空に輝く月。
6・7ページ、ベッドに横たわる男性がゆっくり目を開け、朝の街に出る。
8・9ページ、見開き全てを使って、街の俯瞰図!



ビル、ビル、ビル・・・。
大友克洋の描くビルは凄いけどなんだか無機質な感じがする。
内田善美の描くビルは、そこに<想い>のようなものが漂っている。

この9ページの間に、読者を話の中に引き込むんでしまう魅力が十分に詰まっている。


この作品は<哲学的>だとか<難解>だとか言われることが多い。
確かに、この作者独自の”世界観”を理解しなければ、非常に解り辛い作品ではあると思う。
だから作者もそれを読者に理解してもらうために、登場人物たちに観念的なものについての会話をさせているのではなかろうか?
もしかすると、この作品は”ヒューの夢”の話と、ヒューを取り巻く人々の会話を同列に考えない方がいいのかもしれない。
人々の会話はあくまでも、この作品の世界観を理解するためのテキスト的なものなのかもしれない。

リチャード・ロイドや葉月やジョン・ピーター・トゥーイたちの会話がこの作品中ではちょっと浮いてるような気がするのだが、そういう風に考えると私にはしっくりする。

作者はこの作品ではもっともっと言いたかったこと、表現したかったことがあったにも関わらず、
締め切りだとかページ数の制限、或いは掲載していた雑誌の対象読者に合うかどうか編集部と意見の相違があったとか・・・(あくまでも想像です。)そういったことで、作者自身にとってこの作品はイマイチ不本意なものになってしまったと考えているのかもしれない・・・なんて、ちらっと思ってしまった。

もちろんそれは現時点で何となくそう感じただけで、
もし、20年前にこれを読んでいたら違う感じを受けたかもしれないし、
20年後によんだら、また違う感じを受けるかもしれない。

タイトル「星の時計のLiddell」って何を意味しているのだろう?
ただ単に少女の名前って言うだけではないだろう。

「Liddell」は<謎>或いは<謎々>。
「星の時計」は<悠久の時><無限の時><永遠の時>・・・というような意味を指すのか?

「星の時計のLiddell」は言い換えれば
「永遠の時の謎々」なのだろうか?

では、なぞなぞの答えは何だろう?


風は風のままに
季節は季節のままに
想いは想いのままに
何に変わる必要もない
何に語る必要もない


これが、ひとつの答えなのかもしれない。


この作品はウラジーミルの病んだ精神が抱える<喪失感>を埋めようとする想いがテーマのひとつだとも言えるかもしれない。
ウラジーミルがヒューに対して抱いている想いは、残念ながら、性的なものではない。・・・たぶん。
(そういうものの方が私は好きなんだけどね・・・笑)
<喪失感を埋める何か>・・・そういうものを得られるのではないかと、無意識のうちに感じてヒューに魅せられていった・・・のかもしれない。


・・・で、ウラジーミルは、それを埋める何かを得られたか?
なぞなぞの答えを出すことは出来たから、得られたとみるべきか?
いや・・・やはり彼の喪失感は永遠に埋めることは出来ない・・・そんな気がする。

修道士ファルコ (青池保子)

2007-09-05 23:48:39 | 漫画家(あ行)
西洋の坊さんが頭をかっぱのようにしているのを「トンスラ」という名前だと知ったのはこの漫画を読んでからだ。

しかし、この漫画の主人公は修道士であるのにもかかわらず「トンスラ頭」ではない。
理由は簡単!
作者があれは不気味だと思っているからなのだ。
(主人公の頭のあざの設定は「トンスラ頭」にしないための苦肉の策らしい。)
私も同感!!・・・どうしてわざわざあんな頭にするのか理解出来ない。

日本の武士も頭を剃ってちょんまげを結うけど、あれも理解出来ない。

兜をかぶる時に蒸れない様にとかいう説もあるけどね。
トンスラも「俗世を捨てるため」とか「イエスのいばらの冠に似せた」説とかいろいろ説があるらしいんですけどね。

私が思うに・・・
・・・どちらも男性がよく禿げる部分を剃るから、
もしかすると昔のエラ~イ誰かが禿げていてそれを若いものたち(毛のある者たち)に押し付けたのではないか?
・・・と密かに思っているのだが本当のところはどうなんだろうか???(笑)

「ドン・ペドロ王」の話では、史実を基に描いているが、これは同時代のドイツの修道院が舞台ではあるが、「嘘か本当か分からない何でもありの中世昔話風の世界」を描いている。

出てくるキャラたちは青池キャラで非常に笑えるし、勿論ストーリーも楽しい。
ちょっとファルコたちのいる時代にタイムトリップしてみたいなーー。なんて、つい思ってしまう作品である。

20世紀少年 (浦沢直樹)

2007-08-28 09:59:33 | 漫画家(あ行)
今は「21世紀少年 上巻」まで出てるけど、この記事は2年ほど前に書いたものなので、単行本1巻~17巻までの感想になってます。


初め、タイトルと表紙の絵を見ただけの印象で20世紀の少年がタイムスリップでもして、未来かどこかの世界に行く話かな?と思ってしまったのだが、全然違っていた。(笑)

登場人物たちと私はほとんど同世代なので、大阪万博とか、春波夫(三波春夫)とか、「大脱走」をテレビで前後編でしていた、とか、ああそうだった、と思えるエピソードばかりで、妙に現実味がありすぎるとでも言うのか、何故か読んでて、他の漫画以上にドキドキしてしまう。

この作者の描く女の子はヤワラちゃんタイプが多くて、他のパターンの女の子を描かない(もしくは、描けない?)のは、つまらないなーと、思っていたが、「小泉響子」の登場で漸く、ヤワラちゃんを越える事が出来たような気がする。なかなか、いい味を出している。・・・なんてことを思ったが、
YAWARA!にもヤワラちゃんの友達で、ユニークな女の子が出ていたのを思い出した。その系統だという事かな?もう一度YAWARA!を読み直したくなった。
他にもユニークなタイプの女の子が出て来る作品もあるはずだ。
小泉響子の恐怖の顔は、どう見ても楳図かずおの描く恐怖の顔だ。
たぶん、わざとそういう風に描いているのだろうけどね。しかし、いつも思うのだが「恐怖の顔」って楳図かずお以上に素晴らしい表現方法はないものだろうか?

ケンヂの仲間で一番格好いいのがオッチョかな?
顔は少年の頃の方が断然いいのだが、性格がとにかく格好いい。
大人になって、ちょっと禿げてきたのは残念だが、見方によっては、なかなか渋くていいかもしれない。
青年期の顔はちょっとマスターキートンに似ている。
が、まだまだ魅力的ではない。髪を伸ばした頃からちょっといい感じになってきて、毛髪が減少して、非常にいい男になったと思う。
顔は、少年時代は結構可愛い顔してたんだけど・・・。残念ながら、ああいう顔になってしまいました。・・・いるよね、そういう奴。(笑)
性格は格好いい!の一言に尽きる。強いし、頭もいいし、強い信念もある。こういう男って最近あまり、いないんじゃないのかなー?もしかして絶滅危惧種かも?

モンちゃんもなかなか渋いのだが、普通の男の人っていう感じ。
早く死んじゃって残念。

ヨシツネは子供の頃も、大人になっても、顔も性格もほとんど変わっていない。
いるよなー、こんなやつ。っていう感じ。気弱で結構地味な感じなのだが、それなりに大活躍をしてて、なんとなく嬉しい。地味な奴にも、光を!っていう感じ?
海ほたる刑務所に入れられていた角田(かくた)という漫画家は、つのだじろう?

「ともだちランド」・・・こんなのが本当にあるなら、体験してみたい。そして小学生だった自分に会って、話がしたい。
でも、どんな話をしようか?変なおばさんだと思われるだろうけど、きっと一緒に何か話をしてくれるだろうな、あのころの私だったらきっと・・・。(今の私でも、数十年後の私が現れたら、やっぱり色々と話をするだろうけど・・・。)


似顔絵はオッチョ。
基本的には私は美形が好きなんだけど、こういうタイプのおっさんも結構好きだったりする。(笑)

さよならにっぽん (大友克洋)

2007-08-27 13:42:36 | 漫画家(あ行)
あとがきで、作者本人が、
「前の単行本『ハイウェイスター』の巻末で川本三郎さんが、大友克洋の作品は白い!と指摘なさっておりましたが、今回つくづく俺のは白いなーと痛感しました。」


…と、書いているのだけど、「今回つくづく俺のは白いなー」と、「今回」と言っていると言う事は前回の「ハイウェイスター」では自分は白いとは思っていなかったということだろうか?
そもそも、作者が解説を書いた人の意見を自分のあとがきで載せることは滅多にないのではなかろうか?
そう考えると、「ハイウェイスター」の時に言われた「白い」という言葉に対して、非常に引っかかっていたのではないだろうか?
そして今回その言葉をわざわざ取り上げることによって、前回の作品は白くなかったぞ!と、暗に主張しているような気がするのは、私だけだろうか?

今回は、確かに前回と比べると、背景が少ないが「別にいいんじゃないんですか~?」と、私は言いたい!これ以上に白っぽい漫画なんて腐るほどある訳だし…ね?


この中に収録されている「East of The Sun, West of The Moon」(原作:狩撫麻礼)は、ちょっと似た感じの作品をあすなひろしも描いてたような気がする。
ま、勿論全く同じではなくて、場末の飲み屋のおばちゃんが、実は昔、有名な歌手だったという設定が似てたような???
(今、手元にその本がないので、ちょっと違うかもしれない。間違っていたら、ごめんなさい。)
…そーゆー設定って、結構他の漫画でも使ってるかもしれない。
ただ、その設定を、どう料理するか?っていう事なのかなー?


「聖者が街にやって来る」の4人組のジイサン達…いいねー。
ああいうキャラ。私もああいう感じのパワフルなバーサンになりたい…が、無理だろうなー。(笑)


「さよならにっぽんⅤ」のラストページが、気に入っている。
あの間…何度読んでもクスッと笑える。

HIGHWAY STAR  (大友克洋)

2007-08-27 13:38:17 | 漫画家(あ行)
この単行本には短編が10編入っている。
解説は、川本三郎氏。
結構有名な評論家らしいが彼の説には、ちょっと疑問を感じる所がある。

例えば、「大友克洋のマンガを読んだ人がまず感じるのは『妙に絵が白いな』という一点だろう。」という箇所。

えっ?そう?…どこが白いというのだ??
どう見ても、白と黒のバランスがとれた原稿にしか見えないのだが…?
これ以上もっと黒くしなくてはいけないのか?それとも、タイトルページで背景のないものがあるが、それを指しているのか?
また、「文体」(絵)という表現を使っているが、(これはおそらく夏目房之介氏あたりが使い始めた言葉ではないかと思う)何だか本当に自分の言葉として使用しているように、思えないのだ。
どうも、借り物の言葉をもっともらしく使用して、もっともらしく評論しているようにしか思えないのだが、…それは私が単に川本氏の文章を理解出来ていないというだけなのだろうか?…そうかもしれない。

まあ、人の評論はどうでもいい。
私の感じた事を書こう。

まず、真っ先に思うのは、絵が上手い!という事。
めちゃくちゃ上手い!!
誰が見ても、目が小さくてちっとも可愛くない人物ばかりで、どこが上手いんだ!?と、言われそうだが、線を見て欲しい。
まるで、さらさらさらっと何も考えずに描いたような線だが、生きている。
どの線を見ても全て生きているのだ。こんな線を描く漫画家はめったにいない。…と、思う。
何を指して「生きている」と称してるのか?と問われると説明が難しいのだが、人物をどんな角度で描いても「自然」だという事。
或いは、背景が非常に多いが、それがちっとも人物の邪魔になっていないという事。
車やバイクなど、さりげなく描いて、しかもデッサンが狂ってない。
只単に絵が上手い漫画家はいくらでもいる。
…が、多くの場合、背景や車などは綺麗に描いているだけで、さりげない自然さというものが感じられない。
もし、私の目の前でこの作者が、この美しい線を描くところを見せてくれたら、めちゃくちゃ感動するだろうなー。と思う。
頭の中でこの線が描かれていく光景を想像するだけで、嬉しくなるのだ。
…と、ここまで書いて何だか私って「変」って、思ってしまった。(苦笑)


ストーリーに関しては、この中では「天網恢恢疎にして漏らさず」が好きだ。
タイトルがいい。
タイトルページの意味がわかったような、わからないような所もいい。
ぶさいくでアホな三人の天使がいい。
私が死ぬときには是非彼らにお迎えに来て欲しいものである。(笑)

正しい恋愛のススメ (一条ゆかり)

2007-08-27 10:18:13 | 漫画家(あ行)
これもまた、以前BSマンガ夜話に送ったファックスの原稿です。
短時間で描いた鉛筆描きですので、ちょっと雑で、ごめんなさい。

TV放映前からきちんと描いておけばもう少し丁寧に描けるのに、いつも放映間際になって、
「しまった~!もう始まってしまう~~!!」
と、慌てて紙を引っ張り出す私。。。
そういえば、子供の頃の夏休みの宿題もさっさとやればよかったのに、毎年八月の終わりごろに後悔してたっけ?
大人になってもそういう性格は変わらないようですね。(苦笑)