田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

アンダーソン、困る

2008-09-29 23:40:43 | Weblog
日曜日、3ヶ月ぶりのカワカミユニットの練習であった。
やっぱりアンサンブルは楽しいな。久しぶりに4時間くらいピアノを弾き続けて疲労したが、なんか、ここのところのモヤモヤが、すっきり晴れた感じ。


しかし不満が二つ。
練習スタジオのそばにあったデニーズが、なくなっていた。
3ヶ月ぶりの‘フワフワ卵のオムライス、ミニサイズ’を楽しみにしていたので、残念というより納得がいかない。
しかたなくサイゼリアに入り、大変安く済んだが、デニーズの方がコーヒーが旨いのだ。
家の近場のデニーズには、ミニサイズがないのである。
デニーズが人気メニューを値下げしたのはニュースで知っていたが、それでつぶれちゃうなんて、残念というより納得がいかないのだわ。

もう一つ。
カワカミユニットの‘with 田中眞紀子&アンダーソン’の表記が、いたるところで省略されている。名称が長くて印字しにくいのは理解できるが。
まぁ、ユニットではなくバンドであると解釈されても仕方ないし。


ところで、他の二人はわからないが、常に新しい事に挑戦したい私は、ベースを弾きながら歌えないというアンダーソンに、「あなた、歌手でしょう?」と言って、ベースを弾かなくていいからとコーラスマイクを押し付けた。
最初はもそもそ歌っていたアンちゃんだが…
やはり彼も歌手であった。

素晴らしい!
やはり三声のコーラスは素晴らしいぞ!!
まきこは大満足である。

諸々

2008-09-28 02:27:05 | Weblog
秋になったな。
モロに人間復活である。
掃除とか、しちゃってる。
近々最高気温が19度の日があるようだが、最高気温19度とはどんなものであるか。



太郎ちゃんがソーリになった。
太郎はウチの犬の名前だったので、親しみがある。
早速大臣辞任で気の毒だ。
ところで、かっこいいと思ったのは、私一人ではないはずだ。
小泉の次男坊。
やっぱりジミンは結局強いな、こりゃ。



仕事、半年契約になった。
が、今やってる仕事が更に暇になることが判明。
前から他の仕事の研修が頓挫しているので、腹が立って、それをやらせろ的プッシュ。
自分で変えて行かなきゃだわっ!


静かなる贅沢

2008-09-26 23:35:28 | Weblog
9月25日 西荻窪ターニング

廣瀬康子 with 坂井ライ


始まってすぐ、これ聴いたら帰ろ!と思った。
次の日が仕事ってこともあったんだけど、この後、何にも聴きたくないと思ったからだ。

康子ちゃんがライさんを‘ナンパ’して出来たデュオらしいが、‘結婚’しちゃえば!(笑)ってくらい‘お似合い’の音のカップル。
ライさんが座ってギターを弾いているのを、初めて見た気がするな。
抑えが効いているのにゴージャスで、康子ちゃんのガットギターと実に巧妙に絡まって、気取りはないが上品な、大人のサウンドに仕上がっていた。
先日の稲葉浩&高木克は、音楽の力と言葉の力の‘拮抗’だったが、康子&ライは音楽の力と言葉の力の‘融合”だったな。
康子ちゃんのシニカルな歌詞に、いつもより温かみを感じたりもして、後一時間くらい聴いていたかった。
康子ちゃんもまた、自分の身体と生活から言葉が滲み出ていて、青木マリに続いて人生を歩む大人の女の歌を聴かされ、まさにベッドでゴロゴロしている憂鬱な齢40のお嬢ちゃんの私は、またまた置いてけぼりを喰らうのであった。


西荻窪ターニングは初めて行った。
雰囲気も音も悪くないとは思うけど、アコースティックの音作りとしては、どうなのかしら。きょっと疑問が… いや私、よくは分かってないんですけど。
どっちかっていうとロック系な気がしたので、このデュオならアピアやアローンの音で聴きたいかなと思った。
この超ベテランコンビに、オーディション受けろとか言うかしら?(笑)
それと、こんな感じの坂井ライの歌を聴いてみたいとも思った。


諸々。

その1

小屋に入ってすぐ、歌っていた男の子。
曲の感じも歌詞の感じも、自分のブログでこの私に向かって`行間を読め’とのたまった松浦キノコによく似てて、年も少し上くらいらしく、この年代は当たり年かもね、なんて大人3人で話したのであった。


その2

2組目のピアノとベースのデュオ。
アンちゃんのベースみたいなやつで、弓も弾いてて、そもそも、弓が違うんじゃないかしらぁ、持ち方が違うんだわ。
悪いけど、エレピ弾きながら歌っていた女の子そっちのけで、ベースの人を凝視してしまうのであった。


その3

袖にフリルの黒いミニワンピに赤っぽい紫色のタイツ。
今日もカワイイ康子ちゃんであったが、終わって出てきて、
「チバ大三みたいでしょ」
ま、まぁね。


99

2008-09-24 03:22:35 | Weblog
4人とも`99’だった。
今までの位置、それまでのレベルのMAXを迎え、次の段階へのステップアップをする時期、99。
それを、今、110くらいの所にいる三上さんが、嬉しそうに愛おしむように見つめていた。
(三上さんは警察学校のご出身、独パン110回に出演希望だそうです。笑)



9月19日 独唱パンク



1、アライコウジ、吠える

40歳まで東京でやらないとか、有休取ってまでライブはしないとか、あまり意味のないことを頑張っていたようだが(笑)、チバ君に誘われて、その意味のない頑張りは豆腐のようにもろく崩れ去って、有休取って来ちゃいましたね東京へ!
5月に前橋に行った時、駄々をこねて無理矢理歌ってもらったが、今回は正規のライブにおいて正規の客として堪能した。
10年ぶりの東京でのライブとの事、尊敬する三上寛氏との競演、その溢れんばかりの思いを込めて、全力で吠えまくっていた。
吠え過ぎよ、と思うがね。(笑)
ただ、彼が本来持っている音色の良い声が`吠え’の合間に見え隠れするのが、何だか妙な心地よさを醸し出していて、案外いいのよね。
きっと、コウちゃんなりの変遷があるんでしょう。
やりたい事やらせて!って言ってたし。
そのうち、あなたの本来の声で、あなたの言葉をじっくり聞かせてくれる日も来るでしょう。
今回の東京行きがコウちゃんをどう変えるか、面白そう!!



2、夜士郎、歌う

この人も最初見たときは、もっとギャンギャンやっていたよな、確か。
2年前、これで音楽活動を休止するという日の独パンを見ているのだ。その前に比べて、歌がずっと心に届くようになっていたと、だからこれで休止はもったいないとその時思ったのだが、今回、その休止は無駄ではなかったことを証明してくれた。
何か相当辛い思いもしたのか、そんな話をしていたけれど、歌は`生きて’いたよ。`生きる’を懸命に歌っていた。以前のやんちゃな感じはナリをひそめて、でも大人になったという感じでもなく、チバ君の言うように何だか子供のように素直に、彼の真っ直ぐを歌っていた。
`歌う’以外ない。`歌う’しかない。
その体躯と同じように何故か線の細さを感じる音楽の中に、辛さと背中合わせの、その強い思いが、切々と脈々と芯を作り出している。
私は今、夜士郎のファンになった。



3、青木マリ、放つ

気を放つとか、歌を放つとかとちょっと違う。
矢を放つ、いうイメージか。
この人はこんなに美しい声をしていたかと思われる歌の隙間から、伝わるべき言葉が矢のように私に突き刺さる。
今回相当気合いを入れてのステージであったようだが、この人が本気で戻ってきた時、この人は本当に女帝になるな、と思った。
その人生の深みと共に。
生きる事の喜びも哀しみも気高さも醜さも、生まれるも生むも死ぬも、彼女の実態を確かな背景にして繰り出す歌は、彼女が培ってきた、その卓越したステージ力によって聞く者の心を掴んで離さないだろう。
そんな彼女の、シンガーとしての未来予想図を思う時、あぁ、かなわないなと私は愕然とする。
私はどれだけ、人生を生きているだろうか。
その、一番肝心なことを自問自答じながら聞いた`盲目の天使がピストル自殺しちゃったんだってさ~’という、青木マリの原点ともいうべき曲に、目頭が熱くなたった。

`どうして歌など歌っているかといえばさ、それがわからないから歌うんだ’


4、チバ大三、劇場(ドラマ)る

そういえばコイツも、がぁがぁガナってたよなぁ、竹槍みたいに!
100回記念にワンマンをやれと言ったのは私である。
しかし、チバ大三の歌を2時間聴くのは大変だ~!と、ヒドい事を思ったのも私である。
この日、その不安(?)は大分解消された。
チバ君、物凄く練習してるでしょう?(笑)
ピアノのお稽古なんかで言うところの`おさらい’を、よ~くしている感じで、良い意味での余裕があるのだ。歌の0.2秒が見えている感じの余裕だ。
1曲1曲が丁寧に演出されていて(本人にそれを言ったら、本番前にちょちょっとやっただけとか言っておった!)、新しい曲も良く仕上がっていたし、独パンで久しぶりにチバ大三の良いライブを観た。
実は、ワンマンをやったらと彼に言った時、私の頭にあったのはHOT SHOTだったのだ。彼はすぐ「それならペンギンで」と言ったので、私はその事は彼に言わなかったのであるが。
チバ大三の`芸術’の表現の場として、実はHOT SHOTが最適なのではないかと私は思っている。
アピアの作り込みは、彼の粗野さが薄れてしまい演出が余っちゃう感じだし、ほとんど加工されないペンギンハウスは、ドラマの場としては裸過ぎる。その中間に位置するようなHOT SHOTがベストではないかと… 粗野であり劇場感もあり。
ペンギンは、だから居方が難しい。
勿論彼の思いがあるだろう。そして、上記の事は30~40分のライブだから言えることかもしれず、2時間となると、作っていても結局裸にならざるをえないだろうから。
まぁ、自分のワンマンの経験からいえば、やる側はもう、ただただやってるだけなんだが(笑)。
とにかく、圧倒的に楽しみであることには変わりない。

私は、よくアピアパパに、あなたは叫び方がわかってないと言われていた。
きっとチバ君も、同様のことを言われてきていると思う。
何年もかけて、彼は今、自分の我鳴り(ガナリ)方を確立しようとしている。
2ndアルバムのタイトルは、「我鳴り劇場」だったっけかね?
そんな話、したことあったね。


5、三上寛、美術館を歌い忘れる

この夜の三上さんは、楽しそうだったなぁ。
独パンに関わってきたこと、その99回に参加していることを心から喜んでいるようだった。

あの頃はね、漫画において、暴力的な描写は頻繁でも、性的な描写は大変慎ましくてさ。特にちばてつやはラブシーンが苦手で、確か、蛍を育てるつっぱった女の子の漫画でコマ送りみたいなキスシーンを描いたのが唯一のラブシーンだと自分で言っていたんだよ。随分前に何かでそのコメントを読んだけど。
だからジョーが葉子を抱きしめるなんて、作者の都合で無理なんだわよ。
でも、葉子の肩に両手を置いてドアの前から退かすあのシーンほど、かっこいいとラブシーンはないと、アタシは思っていたりするわけよ。

三上さん、美術館歌わなかった~と文句を言ったら、あぁ忘れたわ、と言っていた。
そんな失礼な文句を言うは、私くらいかしら。
三上さんが110ってのも、失礼かしら。












まんぼう、回る

2008-09-23 22:57:38 | Weblog
水族館に行ってきた。
品川アクアスタジアム。
久々の完全なるレジャーであった。

以前の職場で仲良くなった人達と、たまには私のライブじゃない所で、私も楽しく過ごそうという試み。
まぁ、遠足ってところです。

アシカショーを見て、イルカショーを見て、お魚の説明を聞いて。
泳ぐペンギンを始めて見た。早いぞ!しかもイルカのようにジャンプする。
後はホテルでディナー。
アシカショーは可愛いし、イルカショーはダイナミックだし、御飯は美味だし、大満足の一日でありました。

でも、今日、一番印象的だったのは、まんぼうだったわ、と、みっちゃん。
何のデコレーションもされていない(岩とか砂とか藻とか、ね)狭い水槽の中、その底にある排水溝の上で、ただひたすら、横倒れ状態でグルグル、グルグル回り続けているのだ。
顔の皮膚はバサバサに剥けていてさ、ああ、この子は一生こうやって生きるのか?
省エネ泳法なる解説が付いていたが。
人気もなく、憐れな感じで、何となく幸福そうだったアシカとは、対象的であった。

いや、まんぼう本人が、その場所が好きで幸福ならいいのだが。

人に訓練されてショーに出たり、巨大とはいえ結局は水槽の中で暮らすエイやらサメやらが幸福かと、そんな事を言い出したらキリがない。

人もまた、狭く虚しい自分の世界をグルグル回っているのだしね。
そんな中で、自分なりの幸福を見つけていくのだしね。


次の遠足は、高尾山と決まった。
みんなが行きたいというのだ。

私は、少し残念だ。

伊東香寧、踊る

2008-09-20 00:16:59 | Weblog
9月18日 アピア


ひばなみちる

大変可愛い男の子で、かなりの不思議ちゃん。
髪に挿した赤いお花が大変お似合い。
パンの歌が耳に残る。
‘パン屋でバイト’が有名なZAKIPPEがいるから、余計気になる。ZAKIPPE本人も気になったそうだ。



本家智樹

MCで、昭和を意識しているような話、例えば歌の内容とか、女の子に‘好きな人(本家君ではない)がいるんだけど、どうしたらいいか’と相談され、手紙を書いたら(今時手紙って昭和でしょ?と自分で言っていた)とアドバイスした話などをしていたが、ライブのスタイルそのものが昭和な感じなのだ。
ちゃんと考えてきてるんだろうなという感じのMCと、熱血フォーク系。
今時、これほどスタンダードなライブは、アピアでは珍しい。
いいのである、そのままで。
私は‘春のせいにしてしまえ’って曲が好きだな。もっと長くてもいいんじゃないかしら。
一曲一曲が、熱血なわりに淡泊に短くて、もっとクドクド来て~!と私は思った。
最後の、亡くなったお母さんの歌も。もっとクドクド歌ってくれたら、絶対泣いちゃうな、私。



さてこの日、リハの途中で素敵なお客様が。
レイク氏の奥さん、ジュリちゃんと、娘の香寧(こうね)ちゃんである。
くりくりお目々の香寧に始めて会いました。
赤ちゃんだと思っていたら、歩くわ走るわしゃべるわで、びっくり!
まぁ二歳半だから当たり前なんだけどね。こちらの認識が赤ちゃんだったものだから…

香寧ちゃんと、私のCDは同い年なのだ。誕生日が3日違い(笑)。
ぼ~っと過ごしていると、生まれたばかりの赤ちゃんが、こんなに大きくなっちゃうのだ。
あ~月日は恐ろしい…


ZAKIPPE

で、ママのジュリちゃんと香寧ちゃんは、ZAKIPPEからライブ鑑賞開始。
ZAKIPPEはガットギターをつま弾きながら、とつとつと、そして切々と心温まる歌詞を歌い、久しぶりに聞いて、そこ心地良さに酔いしれる…
ところだったのですが。
その、とつとつ&切々の歌に合わせて、香寧女史が全力で‘ノッて’いるのにクギヅケになってしまった。かなりリズム感の良い横ノリでなのある。
一方で、ライブを終えたひばなみちる氏も、ノリノリにノッているんである。
後方の席で聞いていた私の観察では、両氏は始め別々に、個人的にノッていた模様であるのだが、そのうち香寧女史がノリノリのひばなみちる氏が気になりだしたらしく、しばし彼をじぃ~っと観察、観察に飽きるとまたノリ出す感じで、ひばな氏もまたノリノリの香寧女史にほどなく気付いて意識し出し、途中から二人でノリノリ。
繰り返すと、とつとつ&切々のZAKIPPEの歌に合わせて、であるよ。
ずっと目を閉じて歌ってるなぁとは思っていたが、後で聞けば、やはり難儀であったらしい(笑)。
ZAKIPPEの歌に、これほどノッてくる観客は、彼女のライブ史上滅多にいないであろうからして、よい修業になったわね。
なお香寧ちゃんは、ママのお腹にいる時から度々ZAKIPPEを聞いているそうである。ノリノリも当然というところか。
本来のZAKIPPEの持ち味とはちょっと違う、幸福なひとときになっていた。



金沢栄東 with 田中眞紀子

リハで一瞬、ギターとピアノのチューニングが合ってないかも、と思ったりしたのだが、栄東さんいわく、こんなにハープとギターが合わないのは始めてで、天候が影響しているらしい。最高級の音叉が使い物にならなかったそうだ。
そんな裏話とは関係なく、ライブは精神力に満ちていた。
香寧ちゃんの反応が興味深い。
ライブ初めの‘つかみ’の部分はつかまれてステージを凝視しており、次の‘乗せ’の部分は、もう立ち上がって踊りまくり、中盤の‘聞かせ’の部分はママに抱き着いて甘えており、ハープの即興のスラッピングは凝視、最後のアンコールの歌詞は覚えちゃうし。
凄いぜ金沢栄東!と私は思った。
彼女は栄東さんの放つ‘気’に反応しているのだ。きっとそうだ!
久々に歌った「ライブシンガー」に、強烈に反応して歌い出した火取ゆき。アンコールの曲で思わずピアノに走り寄った、マネージャーの松下さん。
楽器の不調を精神力でカバーした栄東さんと、自分の感性に率直な香寧ちゃんが作ったムードの影響かもしれないね。
自分の気持ちに、素直に行動してね。
とっても‘ライブ’だったね。

秋の気配

2008-09-17 02:15:28 | Weblog
昨日の朝は`普通’の雨だったね。
普通の雨って、いいね。
この夏は、私の家の方も、栄東さんの家の方も豪雨でえらい目にあったけど。
そんな私達のライブは、今回はどんなものになりますかしら…
週末に台風とか言ってるけど、、、


9月18日(木) 渋谷アピア


 金沢栄東 with 田中眞紀子

   開 演  PM6:50
   料 金  前売2000円/当日2300円+ドリンク代
   競 演  ZAKIPPE・本家智樹・ひばなみちる


久しぶりにZAKIPPEちゃんが見れる! 嬉しいな♪
お待ちしています。


   

熟す

2008-09-16 01:28:19 | Weblog
その日、アピアに足を踏み入れると、調子のいいピアノの音が響いていた。

カウンター前の椅子には、何やら坊主頭の不審な人物…
稲垣君であった。
あらあら!



9月12日アピア

Pi坊

その調子のいいピアノの弾き手は、エレピで正面を向いて、全力演奏&全力歌唱していた。
私の客席の定位置に人が座っていたので、少しステージ寄りに座ったら、そのPi坊氏はチラチラと私を見るのである。
この場所、照明が当たって、結構ステージからよく見えるのよね。演奏中に入って行ったから、気になっちゃったかしら、悪いことをしたわぁ、と思っていました。
そしたら終演後、田中眞紀子さんですかと声をかけられ、ブログを読んでいると言われ、CDまでお買い上げ頂き、何から何まで恐縮である。
若い情熱に溢れる歌詞と、切れの良いピアノは超好感。「カッターナイフ」は、その思いがジンジンと伝わってくる。
打ち上げで聞いたら、ボイストレーナーなんですと!
嫌だ、CD聞かれたら恥ずかしいよん!



稲垣慎也

格闘系の漫画に出てくる無口系の脇役みたいな風貌になってしまった稲垣君のお部屋には、冷房がないんだとか。
その坊主頭は暑さ対策か?
永遠の12歳(だったと思う。タケちゃん確認済。)だった彼は、その新曲達が色気づいて16~17歳になってしまっており、ちょいと不満である。
しかし、人からはつき合ってる同士に見えるけど実は違う、みたいなところを狙ってるんだとかおっしゃっていたが、その能書きは一見立派だが、つまり`恋’になってない、オクテ君てなわけじゃないさ!という訳で、そのオクテ具合がやはり`永遠の12歳’その後という感じで、`らしい’のであった。
相変わらずのスロースターターで、調子が出てきたなと思ったらライブが終わってしまった。そんなところも、思わず目頭が熱くなってしまった最後の曲「さようなら」も、オクテな16歳であることも含めて、やっぱり私は稲垣君の歌が大好きだ。
今度ライブ22やって頂戴よ!



テケタ

そう、タケちゃんがアコギでやるのを見るのは始めてなはずはないんだけど、なんだか始めて見たみたいな新鮮さ。
栄東さんが持ってくるヤツみたいな小さなアコースティックギターで、シンプルな音が素敵なライブだった。
衣装はド派手だったけどね。(笑)
いいね、お帽子三段重ね。似合うよね~!
テケタ全曲集を決行中らしい。一度きっちり振り返ってみようって感じなのかしら?
そして次にはタケちゃんのバンド`デコーズ’のアピアデビューがひかえています。
きいたんがノシて来たから(笑)、うかうかしてらんないね。
いいね、そういうカンケイ!



で、タケちゃんが引っ込むと、やたらカッコいい兄ちゃんが颯爽とステージへ。
あれ~、稲葉浩ってこんなカッコよかったっけぇ?
そんで、いかにもロックな感じでロックな歌を歌い出した。
いんや、この人と違う、稲葉浩…
そう、高木克さんという別人でした。
あぁ、びっくりした!



稲葉 浩 & 高木 克

つまり高木さんは稲葉さんのオープニングアクトであり、稲葉さんのギタリストであった訳だ。
稲葉浩氏を10年くらいかけて、これで4回くらい聞いている。前回聞いた時は、確か私がブッキングされていた。
10年くらい前、アピアで凄く頻繁にこの人のCDが流れていて、凄くいい感じで楽しみにして聞きに来たら、なんだかCDのサウンドと余りにも違うので、ちょっと拍子抜けしてしまったのだ。それでも「予算は使ってしまわなきゃ」ってフレーズは脳裏に焼き付いていて、私にとって稲葉浩氏は`予算は使ってしまわなきゃの人’なのであった。
今回、拍子抜けの理由がわかった。
そう、この人の曲は、こういうサウンドであるべきだったからだ。
ギターの高木氏は、さっきはカッコいいロック兄ちゃんであったが、稲葉氏のサポートに徹しているときは惚れ惚れするほど素敵で、見応えあり聴き応えありで、もう、美しいくらいであった。
稲葉氏の深い太い声に、ギターの高音がよく絡み、二人の息もぴったり。
言葉の力と音楽の力が見事に拮抗する、素晴らしいステージであったのだ。
いやもう、`言葉の力と音楽の力が拮抗する’というもののお手本みたいな見事さで、いやもう、10年分の大満足である。
10年前に、この人達がこうであったかどうか。高木氏は10年前に作った稲葉氏のCDにも参加しているらしいが。
きっと10年かけて、二人ともそれぞれ熟して、私もそれなりに熟して、そして機が熟して、この夜のステージとの`出会い’だったんじゃないか。
そんなことを思うのだった。


変わる

2008-09-10 00:08:07 | Weblog
PM5:18の電車に乗ろうと思っていた。
PM5:10に家を出れば、走れば間に合う。

支度を済ませ、家を出るぞという段になって、来てしまったぜゲリラライウ!
門を出た時、これはまずいと思って玄関に引き返し、レインブーツを履いて再度門を出た時には、バケツをひっくり返した様な状態になっていた。
10分前までは雷ゴロゴロだけだったんだぞ!
なんなんだっ、この急変はっっ!

しかし、ここまで来てしまったら前進あるのみ!と、私は始めてゲリラ雷雨の中を歩いたのであった。
それは凄いもんで、だってさっき降り始めたのに、この池みたいな水溜まりは何なのぉ!?
雷さん恐いよぉ~!

ほどよく電車も遅れてくれて、目的の電車に乗れたはいいけど、ジーンズの前面は腿から下、びっしょり!
シャツの右腕、びっしょり!
何だか、そこまででクタクタな気分なのであった。



さて、こんなに頑張ってゲリラ雷雨下を歩いたのは、この夜アローンで行われるライブを観るためであった。

9月7日(日)高円寺アローン
  川上龍一・東喜恵子・まいだす

まいだすさんは、手作りのギターによる、インストのライブ。
少し前までは、ただの`ライブのお客さん’でしかなかったのに、見ることで彼の中に突き動かされるものがあったらしく、見る側からやる側に自らの居場所を変えたのである。
自分で創った楽器を弾くって、なんて素晴らしいことだろう!
そして、きっと物凄く難しいことでもあるんだろう。
これほどまでに奥深い`創造’を経験できる人、その才能を持ち合わせた人は数少ないであろうから、その贅沢な表現を、是非追求していって欲しいと思う。

川上龍一ことtatsuちゃんは、全曲新曲に変えてのライブ。
凄いな、全部歌詞も見ないで、身体に叩き込んできていた。
ギターは伴奏程度に、と言っていたが、それでも多いと私は思ったりした。
意地悪ね~!(笑)
でも、何かを変えて行きたい、という彼の心意気は充分伝わってきた。
CDを創るそうである。
楽しみにしています!

しかしこの夜、その変わり様に最も驚愕させられたのが、東喜恵子こと`きいたん’であった。
彼女は、私のCD「未明」のジャケットの作者である衣良ちゃんのママ。
1年半ほど前だったか、私の企画したスタジオライブに、衣良ちゃんの詩を読んでみたいと参加希望してきたのが最初で、昨年の10月には自ら企画した`ミライノキオク’というライブ(atアローン)において、衣良ちゃんパパのタケちゃんのギターをバックにポエトリー・リーディング、それが実質的なライブデビューであったようだ。
その後アローンで本格的にポエトリーのステージを始めて、今回が4回目、だったかな? なにやかやと都合がつかず、結局彼女のアローンでのライブをこの夜始めて見たのだが、昨年見たのと、え~?ホントに同じ人~!?って位の変貌ぶりであったのだ。
前に見た時は、失礼な言い方だが`素人さん’が頑張ってステージに上がっていただけなのに、この夜のきいたんは、既に`表現者’になっていた。
`空気’を持っていたのである。
たいしたもんだなぁ~、と、終演後思わず唸ってしまい、隣にいた純ちゃんに、おっさんみたいな事を言うなと笑われた。

もう、何も言う事はない。
ただ、その変わっていく様を、興味津々に見続けるだけである。
衣良パパ、タケちゃんもそうだった。
`本気’の大人は、成長が早いのである。
見逃すと、損だ!


素晴らしいライブと、その後の楽しい語らいに、ゲリラ雷雨の下を歩いた苦労は全て消えてしまったよ。


この日の雷雨を境に、空気が夏の空気から秋のからっとした空気に変わっていくそうである。
生きる活力を感じている。











9月5日アピア

2008-09-06 01:21:09 | Weblog
セットリスト

1.ダイヤモンド
2.忍び音
3.水花火(秋バージョン)
4.乙姫と白百合の記憶
5.セルリアンブルーの海
6.素通り
7.朱になれ



今回の目的としては、ます、例の咳が治っているかどうかの確認。
とにかく気管支に負担をかけない為に、リハ前、今までスタジオで2時間やっていた声出しを1時間半で切り上げた。
不安…
どちらかというと、自分をきゅうきゅうに追い込むタイプの私としては、確かに身体は疲労が少なくて楽だが、精神的に心もとなくて、ヒジョーに不安。
しかたないよなぁ。

で、本番前にやっぱり喉の奥に違和感がやってきてしまったが、咳は出なかった。
明らかに精神的なものだ。本番中に支障がなかっので、これはもう、諦めようと思います。


もう一つの目的は‘女の毒’。
今月がゆえさん、来月が紀さんとの競演という事で、何となく今回は‘女’向け、来月は‘男’向けみたいなイメージで、セットリストを組んでみた。
新曲の「忍び音」は、田中眞紀子的にはかなり恥ずかしい感じではあるんだが、来月の新曲がかなりヘビーな内容なんで、その反動的に出来た感がある。

「水花火」の秋バージョンは、前にやった「水花火」のキイをマイナーからメジャーに変え、コードをほぼ全て、メジャーはマイナーに、マイナーはメジャーに変えてアレンジしてみた。
思い付いた時は、すっげぇおもしれ~!と思ったが、やってみたら大した事なかったわ。(泣)
でも、お客さんで来てくれた`きいたん’さんが、低音が素敵と言ってくれた。
うん、良しとしよう。


お客さんで紀さんが来ていた。
嫌だわ緊張しちゃったわ!



リハまで一度たりとも間違えずに歌えなかった2曲目3曲目であったのに、本番は一番まともに歌えたんだが、変わりに「素通り」がメチャメチャ。
全体的に、むやみにアガることもなかったし、調子はよかったんだけど、この曲の時、何だか歌詞に伴う感情がどんどん先走ってしまい、口が着いていかないという、変な状態になった。
アフガニスタンの伊藤さんの事件があったから、どうしても歌いたかった曲で、この失敗は自分の中ではさほど苦にしていない。
しかしながら、聞いて下さった方には、お聞き苦しく申し訳ないことでした。

2ヶ月振りで、調子が良いといっても、ほんの少し足が宙に浮いた感もあり、それがこの曲で出たという面もあるだろう。
しかし、咳に怯えながら歌うという恐怖から解放され、たっぷりとじっくりと曲と対峙しながら歌えて、嬉しかった。
それは本当に嬉しかった!



帰り際、田中さんは歌い手なんだから、歌って表現しなけれは、とマスターからお言葉を頂いた。

うん!



たくさんの方々に来て頂きました。ありがとうございました。
スタッフのみなさん、大変お世話になりました。
競演のアーティストの方々の、それぞれの確固たる思いに裏打ちされたステージと共に、今夜、素晴らしいライブ空間を創れて、心から嬉しく思います。
重ねて感謝申し上げます。