田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

伊東香寧、踊る

2008-09-20 00:16:59 | Weblog
9月18日 アピア


ひばなみちる

大変可愛い男の子で、かなりの不思議ちゃん。
髪に挿した赤いお花が大変お似合い。
パンの歌が耳に残る。
‘パン屋でバイト’が有名なZAKIPPEがいるから、余計気になる。ZAKIPPE本人も気になったそうだ。



本家智樹

MCで、昭和を意識しているような話、例えば歌の内容とか、女の子に‘好きな人(本家君ではない)がいるんだけど、どうしたらいいか’と相談され、手紙を書いたら(今時手紙って昭和でしょ?と自分で言っていた)とアドバイスした話などをしていたが、ライブのスタイルそのものが昭和な感じなのだ。
ちゃんと考えてきてるんだろうなという感じのMCと、熱血フォーク系。
今時、これほどスタンダードなライブは、アピアでは珍しい。
いいのである、そのままで。
私は‘春のせいにしてしまえ’って曲が好きだな。もっと長くてもいいんじゃないかしら。
一曲一曲が、熱血なわりに淡泊に短くて、もっとクドクド来て~!と私は思った。
最後の、亡くなったお母さんの歌も。もっとクドクド歌ってくれたら、絶対泣いちゃうな、私。



さてこの日、リハの途中で素敵なお客様が。
レイク氏の奥さん、ジュリちゃんと、娘の香寧(こうね)ちゃんである。
くりくりお目々の香寧に始めて会いました。
赤ちゃんだと思っていたら、歩くわ走るわしゃべるわで、びっくり!
まぁ二歳半だから当たり前なんだけどね。こちらの認識が赤ちゃんだったものだから…

香寧ちゃんと、私のCDは同い年なのだ。誕生日が3日違い(笑)。
ぼ~っと過ごしていると、生まれたばかりの赤ちゃんが、こんなに大きくなっちゃうのだ。
あ~月日は恐ろしい…


ZAKIPPE

で、ママのジュリちゃんと香寧ちゃんは、ZAKIPPEからライブ鑑賞開始。
ZAKIPPEはガットギターをつま弾きながら、とつとつと、そして切々と心温まる歌詞を歌い、久しぶりに聞いて、そこ心地良さに酔いしれる…
ところだったのですが。
その、とつとつ&切々の歌に合わせて、香寧女史が全力で‘ノッて’いるのにクギヅケになってしまった。かなりリズム感の良い横ノリでなのある。
一方で、ライブを終えたひばなみちる氏も、ノリノリにノッているんである。
後方の席で聞いていた私の観察では、両氏は始め別々に、個人的にノッていた模様であるのだが、そのうち香寧女史がノリノリのひばなみちる氏が気になりだしたらしく、しばし彼をじぃ~っと観察、観察に飽きるとまたノリ出す感じで、ひばな氏もまたノリノリの香寧女史にほどなく気付いて意識し出し、途中から二人でノリノリ。
繰り返すと、とつとつ&切々のZAKIPPEの歌に合わせて、であるよ。
ずっと目を閉じて歌ってるなぁとは思っていたが、後で聞けば、やはり難儀であったらしい(笑)。
ZAKIPPEの歌に、これほどノッてくる観客は、彼女のライブ史上滅多にいないであろうからして、よい修業になったわね。
なお香寧ちゃんは、ママのお腹にいる時から度々ZAKIPPEを聞いているそうである。ノリノリも当然というところか。
本来のZAKIPPEの持ち味とはちょっと違う、幸福なひとときになっていた。



金沢栄東 with 田中眞紀子

リハで一瞬、ギターとピアノのチューニングが合ってないかも、と思ったりしたのだが、栄東さんいわく、こんなにハープとギターが合わないのは始めてで、天候が影響しているらしい。最高級の音叉が使い物にならなかったそうだ。
そんな裏話とは関係なく、ライブは精神力に満ちていた。
香寧ちゃんの反応が興味深い。
ライブ初めの‘つかみ’の部分はつかまれてステージを凝視しており、次の‘乗せ’の部分は、もう立ち上がって踊りまくり、中盤の‘聞かせ’の部分はママに抱き着いて甘えており、ハープの即興のスラッピングは凝視、最後のアンコールの歌詞は覚えちゃうし。
凄いぜ金沢栄東!と私は思った。
彼女は栄東さんの放つ‘気’に反応しているのだ。きっとそうだ!
久々に歌った「ライブシンガー」に、強烈に反応して歌い出した火取ゆき。アンコールの曲で思わずピアノに走り寄った、マネージャーの松下さん。
楽器の不調を精神力でカバーした栄東さんと、自分の感性に率直な香寧ちゃんが作ったムードの影響かもしれないね。
自分の気持ちに、素直に行動してね。
とっても‘ライブ’だったね。