田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

ライブのお知らせ

2014-02-17 23:58:33 | Weblog
2月22日(土)渋谷ラストワルツ

「KEY TO KEY」

  開場 19:00
  開演 19:30
  料金 前売り2000円/当日2500円 ドリンク別
  出演 赤座仁
      鍵盤家族
      山崎怠雅
      田中眞紀子


3月11日(火)高円寺ペンギンハウス

「吠えろ人間」

  開場 18:30
  開演 19:00
  料金 2000円+1ドリンク
  出演 藤原愛
      Ikasama宗教
      菅原年
      young mind soul
      青木マリtrio
      田中眞紀子
      チバ大三

少しは東京でもライブをやらなきゃ、と思っていた時、色々な方から紹介をして頂いたので、渋谷ラストワルツさんに初出演します。
それから、昨年に引き続き、3月11日にチバ君に呼んで頂きました。チバ君のピアノもちょっと弾かせてもらいます。
お誘い合わせの上、ご来場お待ちしております。
 
 

仕事をする 2

2014-02-15 11:13:00 | Weblog
2月1日(土)

『田中眞紀子@小川屋』 

  田中眞紀子
  中村兄
  モロコシボーイズ
  谷井大介
  松浦健太
  吉原トモヤ
 O.A サンイチゴ


  1.ゲジゲジの歌(江原光太)
  2.目晦まし
  3.ファンタジー
  4.幻影と残像
  5.桜並木~ふるさと~蜃気楼(詩:佐藤紫華子、曲:タテタカコ)

 アンコール
   元気でね 犬のいる風景




この日の目論見は「出会い」。

松浦健太とモロコシボーイズを、出会わせたい。住まいも近所だし(笑)。
そして彼らと、日立小川屋のイカしたミュージシャン達を出会わせたい。
同じように不器用でストレートな連中だから、きっと意気投合するに違いない。

と思っていたが、想像以上のマッチングであったらしい。


最初は、私と松浦健太と、日立の中村兄、吉原トモヤで考えていたのだが、昨年12月に武蔵境スタットに出演した時に、行きたい?と、ポロッと誘ったら、モロコシボーイズが出演熱望!こりゃ楽しいずーずー弁対決になるなぁと思った。
その日に初対面になるが、ご近所だから松浦健太を車で連れて帰ってくれないかとおねたりしたら、快諾してくれた。
本当に良いヤツらだぜ!

前日のいわきに出演依頼をしていた四畳半プリンが、仕事多忙につき出演できず、その代わり小川屋に出てくれる事になり、昨年小川屋で共演した日立の谷井大介が参戦を申し出てくれて、尚且つ、プリンちゃんが小川屋ライブに必ずオープニングアクトに器用しているという、以前私も共演したサンイチゴ君と、結局総勢8名の大イベントになってしまった。

開演前、誰かがボソッと、
「独パンみたいだな…」
と呟いた。


武蔵境スタットと日立小川屋の`ノリ´の質が似ている事も幸いして、全出演者渾身のパフォーマンスを展開し、夢のように素晴らしいライブになった。
各々が各々のファンになってしまうような、濃密な関係が、この日生まれたようである。

また一つ、良い仕事をしたようだ♪


私個人の感動といえば、谷井大介になるだろう。

昨年の同じ時期に小川屋で共演したのだが、当日の谷井君のライブは、あまり芳しくないものだった。
私も、ん? と思ったし(リハの方が断然良かったし)、本人も納得がいかなかったようだし、ライブが終わった直後、谷井君の彼女に「今日、全然良くないッ!」と言い放たれてたし(笑)。

1年前のその夜、プリンちゃんと3人で朝の5時位までしゃべっていたのだが、「今度絶対リベンジさせて下さい!」と言われてはいたのである。
しかし、私の方から彼に出演依頼をすると、何だか圧迫するような感じがしたので、今回はご指名しなかったのだが、本人から名乗りを上げてくれたようなのだ。
谷井君の出演を知った時は、モロコシボーイズのヒロシ君が谷井大介を非常に意識していたので、その事で`これは良かっなぁ´と思っていた。

実は、1年前に朝までしゃべっていた時に、私は「大震災世代の子供たち」の前身となる、「鉄腕アトム」を揶揄した詩の話をしたのだが、その話にインスピレーションを得て、谷井君はその日の内に曲をまとめて、これまでの1年間ずっと歌い続けてくれていたらしいのだ。

1年前のリベンジと、1年間歌い続けて私の前でその曲を披露するという、彼にとって非常に思い入れのある演奏を、全身全霊で叩きつけられた私は、間奏でアトムのメロディーが不意に奏でられた時、涙が溢れて止まらなくなってしまった。

本番前なのに〜!
本番迄に立て直すの大変!(笑)

まぁ、谷井君の方からも、真正面に座っている私が泣いているのが見えて、立て直すのが大変だったそうである。


鉄腕アトムを揶揄した詩というのは、震災の年の夏、一気に書き上げた後、何で私の脳ミソからはこんなモノしか出て来ないのかと、心底ソングライターとしての自分が嫌になって、本気で歌を止めようとした代物だ。
しかし、それは自分にとって本気の叫びでもあったわけで、それを、一番伝わって欲しい若い世代の人に真摯に受け止めて貰えた事は、この2年半の葛藤が無駄ではなかった表れだから、救われたような報われたような、今迄にないような感動であった。

本当の`大人の仕事´が出来たようだ。


いわき、日立のライブで読ませて頂いた「ゲジゲジの歌」の詩を書いた江原光太さんは、2012年の9月に亡くなっている。
私が、これが原発関連の40年前の詩だと知って鳥肌を立てたすぐ後だ。
思いを受け継いで、読み続けていこうと思う。



仕事をする その1

2014-02-05 19:43:41 | Weblog
1月31日(金)いわきバロウズ

  田中眞紀子の新年鍋ライブ

   出演 田中眞紀子
       松浦健太
       Aya
       三ヶ田圭三
       GARI
       藤野恵美
       佐藤賢治


 1.ゲジゲジの歌(江原光太)
 2.目晦まし
 3.ファンタジー
 4.幻影と残像
 5.桜並木~ふるさと~蜃気楼(詩:佐藤紫華子、曲:タテタカコ)


ついうっかり新曲が出来てしまったのだ。

今回のツアー、特にいわきでは、三ケ田圭三氏の前で、断りなく「ふるさと」を歌うという暴挙に出る事に、かなり精神的圧迫を感じながらの準備であったものの、新曲出来ちゃうと、やっぱ歌いたいしな~。
その上、二つの職場がどちらも人員不足で、ツアーの前日は必ず休みを取るという不文律も守れず、クタクタ&練習不足でツアーに突入してしまった。

で、東京に帰った日から熱を出し、今日やっとこ布団から出てきました。


昨年秋頃から、「ふるさと」を歌いたいという思いは募っていた。
震災という事に関しては「大震災世代の子供たち」という曲を作って歌ってきたけれど、震災に対する関心が明らかに薄れて行くこれから、どうしていこうかという思いはずっと続いていた。

この作品は、曲ではあるが、歌ではない。
聞く人の脳みそは刺激するだろうが、心に届くという類いのものではないと感じている。

心に届くのは「ふるさと」のような歌であり、「ふるさと」は歌そのものであり、歌ってみると更に一層分かるが、凄い名曲なのである。
詩の後王的な力が無ければ生まれ得ない作品だが、曲を付けたタテタカコは天才である。
誰か、この曲がヒットするような方向に持っていけばいいのに。
NHKの「花」みたいな感じで売れないかね。
そうとう良い曲だと思うんだけど!

石巻でタテタカコさんと共演した時、ご本人に、歌わせて欲しいという事を話したかったのだが、忙しい方で、ライブ後すぐ移動してしまわれたし、11月に三ケ田氏が来た時もすぐに帰ってしまって、この話が出来なかったのだ。

なので、もう勝手に始めちゃえ!と思って、今回のいわきに向けて練習開始。
そこは田中眞紀子さんであるからして、ただカバーする気はなく、佐藤紫華子さんの別の詩を組合せ、いかにも田中眞紀子さんな感じで仕上げていったが、私としては気に入っているんだが三ケ田さんにムッとされたらどーしよーとか、いわきの人達に嫌がられたらどーしよーとか、色々色々考えてしまっていたのである。

そしてその渾身の勝負の場としては、鍋パーテイという和みまくったライブであり、なおかつ三ケ田氏のお子達が走りまわるという、難儀なシチュエーションなのであった。

一応11月2日にアピア40で行った私の企画ライブの打ち上げ的に、同じメンツでいわきで鍋でもやりましょうという事で企画されたのだが、蓋を開ければこの日はもう、三ケ田日和(みかだ・ひより)オンステージといっても過言ではなかった。
三ケ田氏の下のお嬢さんが、ほぼ全ての出演者のステージに乱入!
しかも必ず後半の良い所を見計らって登場し、場をさらっていくのである。
もう乱入で有名な西山正規どころの騒ぎではないのだ。

この日の出演者で、最もこの手のシチュエーションが苦手なのが私であろう。
この日いわきデビューの松浦健太は、子持ちの強みを生かして微動だにせず、実に見事な力のこもったライブを展開していた。

それでも頑張って、とにかくやりたい事をやった。

「ゲジゲジの歌」は、北海道の詩人江原光太氏によって40年前に書かれた、「私達の未来に原発は必要か 北海道集会の為のビラ詩」で、私は10年以上前からこの詩が大好きだったのに、その但し書きに気がつかなかったのである。
震災後いわきに行った後で、その但し書きに気が付き、真夏なのに鳥肌が立ったものだ。
どうしても、いわきでこの詩を読みたかったのだ。

新曲「ファンタジー」は、母のお伴で見にいった、イギリスの風景画家ターナーの展覧会と、その事前勉強で見たテレビでのターナー特集などから出来上がった作品。ターナーはイギリスの産業革命時代の画家だが、そこから今に繋がり、未来に繋がっていく様を妄想したもの。
また、こんなの出来ちゃった的な曲だ。
何とかならないかな、この私の思考回路…

そして、さあ、「ふるさと」だぞ!という時に、三ケ田日和嬢が抜かりなく乱入してきた。
こんな若い娘に負けてられないわよ!
或いはパパに代わって、監視役ということであろうか。
何しろ彼女は「大震災世代の子供たち」を作るきっかけになった子である。
何だかお尻の辺りでモソモソする気配と戦いながら、ようやっと歌い切った。
20年歌ってきたが、経験のない緊張のしかたであった。

何とか三ケ田氏の及第点は頂けたようである。
今後いわきや、この曲を知っている私の周りの人々の前で歌うつもりはなかったが、いわきで歌ってもいいのではないかと言って貰えて、安心した。

そして、誤解を恐れず言ってしまえば、何より嬉しかったのが、高校生のAYAちゃんが‘私も「ふるさと」を歌いたいと思った’と言ってくれた事である。
そうなのだ。そういう事をしたかったのだ。
若い世代の人達に、そんな風に思ってもらえる事をやりたかったのだ。

私は大人として、一つ、良い仕事が出来た、と思った。


三ケ田氏の故郷の秋田から、きりたんぽを取り寄せてくれて、三ケ田氏の奥方が作ってくれた美味い鍋を堪能。
ライブが終わって少し経った頃、四畳半プリンちゃんが登場。翌日の小川屋ライブの為、いわきSONICから私が使うエレピを取りに来てくれたのだ。
プリンちゃんが、鍋の最後の一杯を食している途中で、それまで裏で大人しくゲームに熱中していた三ケ田氏のご長男が、「僕のきりたんぽが無い~~っ」と泣き叫び、子供に強い藤野恵美が見事なまでに言いくるめ、サトケンには子供はいなかったことが判明し、GARIはライブ前にべろべろになってしまい…
そんないわきの夜は更けて行った。


続く。