田中眞紀子(シンガー・ソング・ライター)

ピアノの弾き語りで活躍する田中眞紀子のブログサイト。ホームページはブックマークから。

衝撃

2006-08-30 07:51:31 | Weblog
26日のライブの日、ビデオに取っておいたニュース番組を夜中に見ていて、その中に衝撃のシーンがあり、実はその衝撃でなんとなく諸々の対応が遅れたりした。

私、恥ずかしながら、ま、恥ずかしがることじゃないかもしれんが、`しろくまピース’の存在を知らなかったのです。
その写真集らしき物の図を何かで見た記憶はあるんだが、私、絵だとばかり思っておった。
実写ではないかっ!

ぎゃあ~~~っっ!  か、かわいぃぃぃぃぃ~っっ!!!

早速本屋をうろついてみたが、見当たらない。
注文しちゃおうか…


で、衝撃というのは、可愛いからではない。
ピースの話、ご存じの方も多かろうが、一応これは日記なので(笑)、自分の為に書き記しておきます。

双子として産まれたものの母熊がストレスで子育てができず、一匹は死に、生き残ったピースは飼育係に育てられる。
家に連れ帰った飼育係は110日間、15分以上ピースと離れた事がないそうだ。
シロクマは生後2年間、母熊とぴったりくっついて過ごす習性を考慮しての事だったが、その位の時期でもう家で飼育するのは限界になり、動物園デビューを機に動物園で暮らすようになる。
置いて帰られたピースは飼育係を探して、呼び続けて、声が出なくなってしまったりしたらしい。
それでも動物園ではその飼育係といつも一緒にいたが、3才になった頃、体長180センチ、160キロになったピースは、動物園の方針で飼育係とのスキンシップを断たれる。
その頃からピースは原因不明の激しい痙攣に襲われる。昨年には飼育係を見かけたピースが不自然に身体をのけぞらせたと思うと、プールの中に沈み込んで痙攣を起こし、飼育係が檻の中に飛び込んでピースの顔を引っ張り上げ、何とか事なきを得たというような事件が起きた。

恋い慕う相手を求めて、そこまで追い詰められるんだ、動物でも。
動物でもって言い方は違うかもしれない。
動物なら、なのかもしれない。
自然界なら2年間べったり母熊に寄り添い、思う存分甘え、そして多分、厳しくも完全に子別れをされ、もう母熊に逢うことなく単独で生き、自分もまた親になり、というようなある種のけじめがあるんだろうが、「2年間べったり」は、「110日間」で切り上げられ、完全な子別れもせず、母熊のように恋い慕う飼育係は目の前にいるのに触れて甘える事もできない。
そんな激しいジレンマが痙攣という現象を引き起こすのだろう。
その心理状態は人間と少しも変わらない。

先日、コメント欄で由月さんと犬の話をした。
飼っていた犬が幸せだったかどうか? 幸せだと思うしかない、なんて事。
ピースは幸せなのか。
そもそもシロクマを動物園で飼う事から始まり、親熊が育てられない子熊を人が育てるという不自然。自然界なら2匹とも死んで終わる事だ、残酷だが。そこを命が大切という迷い無い判断で選択されたこの方法は、しかし正しいのか?
新曲で「答えのない問いには、もう答えられない」と、さっき歌ったばかりの私には、かなり堪えるピースの痙攣シーンだった。どんなに身体が巨体でも、その飼育係の子供なのだ。

生き物には環境に慣れるという習性がある。なんとかピースには環境に慣れることによってこの苦境を乗り越えて欲しいと思う。
でもピースが悶絶するのは、母と慕う飼育係への思いなのだ。人ならば、死ぬまで母を想う。80才だろうが90才だろうが母を慕う。
耐えられるのだろうか。
あらゆる意味で人間の勝手に翻弄されるピースの姿だ。
それでも写真集が欲しいと思う私だ。

今、テレビで流れるニュースでは、迷子になったペットをすぐに探し出せる為にマイクロチップをペットに埋め込むサービスを始めただの、千葉県印旛郡ではペットだったカミツキガメが野生化して1000匹以上に増えているだの、人間の勝手を暴露するニュースが、まるで罪悪感無く伝えられている。








ライブ報告

2006-08-29 01:19:46 | Weblog
秋尾真喰

なんというか、浮世離れした方なんですね。しかもご本人に自覚のない感じの!(笑)
この方も、何故かライブを何度も何度も観る事になってしまっている人ですが、少しずつ発展している様子。
いつか大化けする事を期待いたしましょう!



宮内かおる&廣瀬康子

アンニュイなムードの、大人の女性デュオ。
繊細でセクシーな宮内かおるさんのヴォイスに、廣瀬康子さんの素朴なヴァイオリンが絡む。
そう、絡む。
これだけびっちり絡み続けて、お互いを邪魔し合ってないのは凄いよ。
長年のコンビネーションのたまものなんだな、きっと。
お二人及びお二人のお客様と`お友達’になったんだけど(笑)、皆さん絵を描いてらっしゃるらしい。ある画家の人生を歌った歌が非常に印象に残っていたので、そのお話しを聞いてなるほどと思った。

打ち上げで廣瀬さんが、私と同じアピア14・5年生だと知る。申し訳ないが全然存じ上げませんでした。一度もブッキングしたこともないし、相当足繁くアピアに鑑賞(笑)に来てるのに、全くぶち当たらなかった(笑)。アベちゃんみたいに、嫌ってほど聴いた人もいるのに(大好きなんだけど!)、不思議なもんです。
年代も同じなので、これからきっと良い感じで関わってゆける人達と`お友達’になれて嬉しいな。
って、やっぱり小学生みたいだけど(笑)、でも「Tシャツ」で歌ってる様に、友達は大事よ。私らくらいまでくると、それぞれの人生の流れが違うから、自分の知らない流れから生まれる考えや感覚を教えて貰うのは、大人のバランス感覚を養うのに大切だと私は思ってるんだ。



アベヨシヒサ&リキ

もう6・7年前位かな、その頃からピアノの弾き語りをする仲間が何人かいて、彼女たちのライブを観る為にせっせとアピアに通うようになり、火取ゆきもそれでぶち当たったんだけどね。
そんな中で`小粋な男と女の物語’的な世界のアベヨシヒサに当たると、「やった~」と心密かに喜んでいたんである。アベちゃん言うところの「一人物語的」な曲の作り方が私と共通するところがあって、それで惹かれるんだと思うんだ。前は一人でやってたよね。

で、去年。一年かけてCDをアピアで制作しましたが、アベちゃんのライブの日に必ず録音が当たったりしていたのだ。もうラッキー、ラッキー、ほぼ毎回彼のライブだのリハだのを見る事ができた。録音で殺伐となっていた私の心は彼のギターで随分癒されていたんです。
アべちゃんは寡黙なリキさんというべーシストと一緒にやるようになっていて、とても気持ちの良い音楽を繰り広げ、しかも物凄く良い音のするギターを使っていた。私はギターの事わかんないけど、とにかく私には深くて物凄く良い音に聞こえるのだ。なんと自分で作っているという。
8月27日の日記「8月26日アピア」のコメントに、アベちゃんが自分のHPのアドレス貼ってくれてます。ギターの制作過程の写真なんかもあるから、興味のある方は見てあげて下さい。
打ち上げでtatsu氏が彼を評して「バグダット・カフェ」みたいなイメージなんだと言っていたんだけど、それドンピシャリ!
そして私はこんなに彼を聴いているのに、彼が私を聴いてくれたのは今回が初めてなんであるよ。



田中眞紀子


セットリスト

 1.愛してやるさ
 2.夜の時代
 3.ハルノジダイ
 4.Tシャツ
 5.踏み絵
 6.組曲「未明」

アンコール
 死んじまいたい

終わった後、いやに疲れたな~。何でかなとこの2・3日考えていた。
多分、先日書いたように気が変わってこのラインナップにしたんだけど、気が変わってから日が浅いので(笑)`このラインナップの練習’が不足していた為だと思われる。
各曲はそれぞれ常に歌ってるが、この流れではほんの数日しかやってない。リズムのある曲をやるから当然汗もかくし、短縮してはいても組曲「未明」はある訳だから、メンタル面でもフィジカル面でも作っておく必要があったようだ。この言い回しは正しいかしら?
作っておかなかったので、前半なんとなく落ちつかない感じがあったのかもなー。
ま、いつもこんなもんと言えばそうなんですけど。(笑)

今回、照明も考えてスタッフと共にステージに挑んだのである。
後半くら~い内容なので、前半はレーザー等を駆使して楽しい感じの照明にしてもらい、前にあやはことりちゃんのライブを観て思いついた`ミラーボールで鳥籠を作る’にも「未明」内でトライ!
効果の程は? 誰からも感想頂いてないですが…(笑)
そうそう、テケタ氏から「レーザーが回るとそっち見ちゃう」と言われました。まぁいいや、楽しんで貰う為だから!
そうそう、実は新曲「踏み絵」はtatsu氏の日記に「バグダット・カフェ」の事が書いてあったのがきっかけで、あのアレンジになったんだけど、誰も気づいてないですね。アハハッ!
そうそう、先日弟子のテケタ氏が早々にアンコールを貰っていたので嫉妬したのであるが、今回私もアンコール頂き師匠の面目は保たれた。
やったやったぁ~!
それもこれも聴いて頂いた皆様のお陰です。感謝感謝です!
そして田中眞紀子のライブ、皆様に楽しんで頂けたものと嬉しく思います。
うん、ホントに楽しくて面白くて、良い一日だった♪

最後に。
眞紀子は嘘を言いました。
その1。ライブを聞いて下さった方々へ。「Tシャツ」は3月も4月もアピアで歌いました。
その2。打ち上げにいらした方々へ。トイレの右にペーパーホルダーがある時は、私は左手で引き出して右手で押さえて左手で切っていました。

ごめんなさ~い!





8月26日アピアライブ

2006-08-27 04:10:09 | Weblog
予想していた通り、すっごく楽しくて面白いライブだったよ~ん!
眞紀子も結構頑張ったじょ♪

まずはご来場頂いた方々、本当にありがとうございました。

そうそう、お二人ほど存知上げない方で私を観に来て下さった方がいらっしゃるようですが、ご挨拶できず失礼しました。これをご覧でしたら、コメントでも頂ければ幸いです。ありがとうございました。

でね、なんかね、お友達もたくさんできちゃったの。
、、、って、小学生みたいだな。(笑)

詳しいライブ報告は明日にでも。
アベちゃん、お疲れ!
コメントちょうだいよ~♪

気が変わったので

2006-08-25 02:20:23 | Weblog
5月以来、アピアのライブでは30分に及ぶ組曲「未明」究極版を演じてきた。
そう、これは歌うというより演じるに近いもの。そのためステージを積み重ねる事によってこの演目を極めていこうと、しばらくは毎回やり続けるつもりでいたんだが…
気が変わりました。

アハハッ! アタシって簡単だわ。

気が変わったきっかけは、PAのまりえちゃんから、
「ワンマンで歌ってる`愛してやるさ’って曲、まりえ知らない」
って言われたから。

そう、まりえちゃんは田中眞紀子のレコーディングディレクター。10年後に発売を予定している田中眞紀子のセカンドアルバムも彼女の手に委ねるべく、簡単に嫁に行くなと言ってある。
(お嫁に行くなら近場にしてね!)

そのまりえちゃんが、私の楽曲を把握していないとはオオゴトである。
この機会に彼女に披露すべく、今回の計画変更に至ったのであるよ。

そして、もう一つ。
このくそ暑い日々、ドンピシャリの曲「Tシャツ」を、「未明」究極版ばかりやっていると歌えないんである。
もったいない!

単純だけど一端変更を決めると、あんな事しよう、こんな事しようと色々アイデア浮かんじゃって楽しいのよね。
組曲「未明」究極版は9月6日の独唱パンクで演じる予定なので(まず気は変わんない・笑)、自分の中ではメリハリが付いて、「未明」に対しても独パンに対しても新鮮な気持ちになれるだろうし、アピア → 労音北千住センター → 大久保ホットショットと場所を変えて同じ演目を演じる事は、きっとこの作品にもよい影響を与えるだろうと思うのだ。

というわけで、

田中眞紀子ライブ
 8月26日(土)渋谷アピア
 開演18:50
 料金1,500円+ドリンク代

明日でございます。お待ち申し上げております!


弟子に抜かれる

2006-08-24 03:13:28 | Weblog
8月23日アピア。
一番弟子のテケタが、なんとアピアデビュー1年足らずで、トリを取るまでに。


横浜の自宅から上尾まで買い出しに行ったという、フリンジ付きのジャケットを暑苦しく着こなして、気合いの入ったサングラスで登場した。
派手な親父だ。
最近アタシがテケタと一緒に客席にいる時は、帽子をかぶれと指導している。
ステージから見ると、とても目立つのである。
下手をすると、客でありながら出演者より派手なのである。


今日のテケタは、とても歌っていた。
あれ~、こんなんだっけ?と思うくらい、歌が前に出ていた。

`歌に体重が乗る’

もうつかみかけているのか?
師匠のアタシは10年以上やって、やっと見え出したのに。
今だに出来てると思えないのに。

なんと、アンコールを受けていた。
師匠のアタシは最初のアンコールを貰うのに、7年もかかったのに。

なんてことだ…


やってくれたね、テケタ。

凄腕ギタリストtatsu氏が、しきりに焼き餅をやいていた。
アタシは師匠の立場を失った。

どうしてくれるんだ…


迷い無く青春を生きる51才の新人シンガーは、金髪を輝かせながら驀進中である。


ひえ~!

2006-08-22 02:15:48 | Weblog
その1

日曜日、人間ではなかった私の知らないところで、すごい事が起こっていたのだね。
昨日、職場でテレビ観戦している人達が…
「そんなことしていてはいけません」て、周りの人々も言いにくい、そんな状況。
西東京って私の住まいの地区だわよ。すごいぢゃないの!
ピッチャーの斉藤君、かわいいぢゃないの!
堪能したかったかしらん。もう終わっちゃったけど。


その2

地下道のファッションモールが模様替えというか、衣替えというか。
秋物に総入れ替えしていた。
総入れ替えはいいけど、なにもコートを店頭に飾ることはないんぢゃないかい?
見るだけで暑いのよっ!


その3

家に帰れば母親が何やら大片づけを始めていて、なによこれ!状態。
本をブックなんとかに売るんだと張り切っている。
手伝えと言われて逃げ出す。


本箱の隅から出てきたという簡易アルバムにはタロの写真。
いっぺんにタイムスリップしてしまう。あの頃に。
8月5日に死んで、その頃仕事が凄く忙しかったから気を紛らわせていたけれど、ちょうど今頃に夏休みがあって、毎年夏休みの夕方の散歩は全部私の仕事で、それは暑いし面倒で、でもあの夏、その`面倒’をしなくていい、その`面倒’はもう出来ないってのが猛烈にきた。たまらなくきた。

ピアノを押しつけられていたのを、自分の意志でやめた時に家に来て、私がもう一度ピアノを始めた時に逝ったんだ。

タロが死んだ時、「この家も老いに入るわ」と母が言った。

理屈ではないもの

2006-08-21 04:18:10 | Weblog
19日にいらして下さった方々、本当にありがとうございました!
疲れましたよね。私、昨日はもう起きられなかったです。


17日はカワカミアラタのライブを観にアピアへ行き、大雨に当たったりライブや打ち上げが楽しかったり大変!
アラちゃんは、このくそ暑いのに&突然の大雨にブチ当たったりなのに、ギターを2本持って来ていて偉い子でした。
2本のギターは効果的で、とにかく物凄く気持ちの良いライブだったよ。くそ暑かったあの日に、幸せなひとときを作り出してくれました。日程的にちとしんどかったんだけど、ワンマンに来てくれた何よりのお礼はライブに行く事だと思ったし、そして行ってほんと良かった。お礼なんかろくに言わなかったし、逆にプレゼント貰っちゃった感じ。その時なんとなく気持ちの中にモヤモヤしたものがあったりした私、アラちゃんのエネルギーがそんなもの噴き飛ばしてくれた。
あぁ、こういうの理屈じゃないな。

18日は佐渡山さんが沖縄からやってきた。とある知り合いのスタジオで、翌日の打ち合わせをして練習。練習すればするほど何だか咬み合わなくて、頭かかえちゃう感じだった。でも練習、少しはしておかないと、翌日リハ無しだし。
でも、あら不思議。翌日の本番ではすべてがピタ~っと咬み合って前日が嘘のよう。これもきっと理屈じゃないんだな。
そうそう18日は、練習の後、佐渡山バンド(超非公式自称)の面々がやって来て、今後の活動についての打ち合わせと称した宴会が…  あれこれやるらしいよ。お楽しみに!

19日の憲法フォークジャンボリーは、炎天下の野外。お客さんの顔がはっきり見える、一人一人。あ、あの人がいる、あの人が来てくれたって思ってました。
おいおい、走り寄って来ちゃったよとか!(笑)
冒頭にも申し上げましたが、本当にあんな暑い中のご来場、ありがとうございました。
前回より、なるべくお客さんの顔を見るようにして歌ってみた。
これ、結構シビア。
これだけの`現実’を前にして`虚構’をやりきるのは。
でもやってみた、つもり!(笑)
来年またチャンスがあったら、もっと頑張ってみよう。出来ないこともなさそうだ。

那良伊千鳥さんのライブは音響機器がなに一つない。生音のみ。
声の調子が悪かったらしいのと、サンシンも`チューニング’が定まらない。調子が悪いと彼女は曲の途中でもぼやきながらライブが進む。なのに全然気にならないんだ。それでも彼女が歌ってくれるのを待った。待たせる力が彼女にあった。待っても聴きたいんだよ。高校くらいから始めたというフォークも歌ってたけど、私は琉球民謡の歌の方がいいと思った。佐渡山さんは「千鳥はこ~んなちっちゃい時から客の前でやってるからな」と言っていた。
ここにも理屈ではないものがあった。


この日の私自身は`理屈ではないもの’であったか。甚だ疑問だ。
ライブの魅力は決してそれだけではないだろう。でも、これから続けて行くうちには、辿り着ける`域’なのかもと思っている。
金沢栄東さんが「大人のブルースをやりたい」と言うんだ。私、大人じゃないから、結構とんがっちゃってるから無理と思うんだ。そんな意志をぶつけるステージも魅力ありだと思うんだ。
でも千鳥さんの`域’と栄東さんの言う「大人」は同じ意味かもしれない。ライブを続けるという意志のもと、続ける流れの中に自然に`なるもの’。
`理屈ではないもの’
きっと自分で確かめられるものではないんだろうが。

あぁこんな濃厚な日々を過ごし、昨日はまた人として使い物にはならない私であったのだ。
こんな事でいいのか。甚だ疑問だ。

憲法フォークジャンボリー&那良伊千鳥

2006-08-19 23:56:07 | Weblog
セットリスト

1.ドゥチュイムニー(佐渡山豊)
2.人類館事件(佐渡山豊)
3.未明(田中眞紀子)
4.米兵たちのイラク(田中眞紀子)
5.紙の上(佐渡山豊)
6.マリア(佐渡山豊)&ノーモアレイン(田中眞紀子)


あづいぃぃぃッッ!

フーテナニーという、まぁ‘素人さんコーナー’が伸びに伸びて、40分押し。お陰で緊張感が消えてくれて、しっかりやってこれました。昨日の練習では、どーしよーって位メタメタだったのに、本番が一番良かった。ま、そんなもんだ。
自慢してやろっと。しいこちゃんが来てくれたんだよぉ!

このイベントに出るの3回目なんだけど、どんどん客席は減っていく。
来年はあるかしら?


佐渡山さんが、沖縄のシンガーのライブにゲストに出るというので、ついて行った。

那良伊千鳥さん。
いや~良かったよぉ!私、琉球民謡って初めて生で聴いたが、サンシンをつま弾きながらのそれは、いつまででも聴いていたい程で、‘聴き惚れる’ってこういう感じよ。
シンプルで深い。同じ弾き語りだもの、いつかこういうのを目指したいな。たとえピアノであってもね。
彼女などにとっては佐渡山豊は大先輩・大スターらしいが、楽しそうに仲良く「ドゥチュイムニー」を歌っていた。佐渡山さん本人は歌詞を見ながら歌うのに、那良伊さんは歌詞を覚えていて歌ってるのは面白かったけど!
まぁ「ドゥチュイムニー」って、下手すると30分近くあるらしいから。私は最長15分弾き続けたな、今日は4分位だったけどね。
いやはや暑いけれど、かなり充実した一日でした。

また一つ、デカイのが終わった。
次はアピアだ…

8月11日アピア(その2)

2006-08-15 20:40:09 | Weblog
まぁ~ったく、今年に入って何回あやはことりを観たかしらん?
私、時々こういう人に出会うんだ。それぞれ別の人を観に行ってるのに、なぜか`この人’がいつもブッキングされているという…
「けだものだもの」をしょっちゅう歌っていた頃のチバ大三とか、アピアに出始めた頃の宮良杏子とか、今月ブッキングするアベヨシヒサとか(ブッキングは初)。
で、本人の事は何にも知らないのに、その音楽変遷は結構しっかり知っていたりする。しかも本人と知り合いになったり友達になったりするのは、随分後になってからって事がほとんど。
ことりちゃんと最初から知り合い状態になれたのは、ネットのお陰だな。


まちゅこけ

独唱パンクで頻繁に名前を見ていたから気にはなっていた。`頻繁に’と思っていたけど実は独パンには2回しか出てないとか。その独特のステージネームが印象に残るんだな。
印象に残るのはステージも同じ。あの、50センチはある椅子に片足を乗っけて歌うスタイル。どうやって思いついたのかしらん?
オープニングは素敵だったな。スペイン風のSEに乗せて登場し、照明と相まって美しかった。ガットギターで「女戦士の唄」、これはかっこいい!
でも途中から随分やんちゃな唄を歌い出して、ガットギターをかき鳴らすんだけどかき鳴らないのよ、これが。この辺から照明ともちぐはぐな感じになって、私としては妙な`印象’になってしまった。「チャーム!」という彼女の元気な叫びと、他のステージ要素すべてが咬み合わないというのか…

彼女のエナジーというかパッションというか、そういうものを表すギターの音が欲しい。それはたぶん、ガットギターじゃないんだろう。照明とのかみ合わなさなどは、例えばアピアでの回数を重ねれば呼吸も合って、いいものになっていくのかもしれないが、彼女、大阪だしな。
音とか照明とかにこだわりの強いアピアならではの難しさ。もっとやんちゃな小屋なら、まちゅこけ嬢の良さを存分に堪能できたかもしれない。
5月の私のワンマンで、スポットライト一本で何にもないステージに、どう居たらいいのかわからなかった、そんな状況を、彼女ならいとも簡単にやってのけそうな強さがあるね。`加工’が似合わない人なのかもね。


高橋よしあき

2ヶ月ぶりのライブだそうで。このところサッカー三昧な日々を過ごしておられるようである。

いや私、日記なるものを書くのは小学生以来で、昨日のことりちゃんの件もですが、日記を`ひっくり返して’前に何を思ったかを確認できるというのは、なかなかいいものだなぁと感じております。

前回は6月15日のよしあきライブを6月17日に書いており、「マスターにライブが終わった後、元気だなぁって言われていた」とあって、あぁそうだったとはっきり思い出したんだ。
今回はおとなしかったね(笑)。2ヶ月ぶりでライブの身体になっていなかったとは本人の弁。しかしその分丁寧に言葉を繰り出したとの事。それは充分伝わっていた。

ことりちゃんのところで書いた`鳥かご照明’を思いついたのは、よしあき君の1曲目でミラーボールが廻る前に一瞬止まった時。そして、前に私のライブで「未明」でミラーボールが廻らない事に不満をもらしたが、ミラーボールは廻らない方がいいかもとか思っちゃった。和美ちゃんの組曲「エノラ・ゲイ」、訂正することの組曲「破壊・滅亡・再生の物語」で廻った時は羨ましかったんだけどな。
それから彼のギターを聴きながら、まちゅこけ嬢のギターにこういうのが欲しいという感じを強くした。曲を歌う彼の心情がギターに良く反映していて、合わせて聞き手に強烈に伝わる。正にそれが弾き語りならではの伝わらせ方だと思うのだ。

確かに前回よりおとなしかった。前回の遊び心全開のステージは、これまた確かによしあき君の魅力ではあるけれど、今回のライブでアンコールまでもう一息という反応だったのは実に納得できる。
前回と今回の間くらいなんだよ、きっと。アピアという場所としてのよしあき君の在り方って。
まちゅこけ嬢の`場所’の意識のない、恐れを知らない乱入的なステージに対し、`場所’に対して挑み続けてつかみかけて来ている彼のステージは、非常に大きく感じられた。
普通、よしあき君みたいにガタイのデカい奴がステージに立つとステージが狭く見え、まちゅこけ嬢のような華奢な女の子がいるとステージが広く見えるんだけどね。
この日のよしあき君のステージは奥行き広く感じられたよ。恐れを知ってそれを乗り越えつつある`確かな大きさ’だと私は思った。
ライブ後のお客の反応は、「もう1曲くらい聴いてもいいよなぁ」って感じ。「もう1曲聴かせろよ!」と言わせろよ!!

たぶん二人とも、私などとは違い、色んな場所で色んなステージを数多くやってきてる。そんな中で、どこであっても自分の全力・全開を、まちゅこけ嬢はぶつけて行くんだろう。
よしあき君は`場所’と対峙しようとしている。
大竹君は必死に`場所’に居ようとしていた。
ことりちゃんは`場所’を上手に使っていた。この日一番`場所’とマッチしていたのはことりちゃんだろう。もちろん彼女の力だけでそれができている訳ではない。
そして、アピアという限られた場所もまた一つの個性にすぎない。
その上、新しい照明器具と格闘して、場所を新しくして行こうとする`人達ち’がそこにいる。


様々な人が、人の作る場所で、その人である事を表現する。
この日のライブはこんなにエネルギーを使って感想文を書くに足るだけの、特に出演者として、そこに`立つ’者として実に興味深いものだった。
辛口に言えば各人とも、小屋の方も含めて`今一つ’`後一歩’であったと思うが、だからこそ次にそれぞれがどう進んで行くか、また田中眞紀子はどうやっていくか、思いを巡らせる楽しみを与えてくれた。

某所で某パンクシンガーが言っていた。
「ライブっておもしれぇなー」
同感!
意味合いは全然違うかもしんないけどね(笑)。