かぶとん 江戸・東京の歴史散歩&池上本門寺

池上本門寺をベースに江戸の歴史・文化の学びと都内散策をしています。

「法華経概論」 学年末試験・問題吟味

2014-01-13 | 法華経入門
記述途中ですが、とりあえずアップします。

一、次の語句について説明しなさい。
01 二処三会
02 十如是
03 一大事因縁
04 五仏道同
05 三周説法
06 法華覆講
07 三種教相
08 弘教の三軌
09 五種法師
10 証前・起後の宝塔
11 三箇の勅宣
12 起顕竟
13 三類の強敵
14 四安楽行
15 本化地涌の菩薩

01 二処三会(にしょさんね)
法華経において釈尊が説法される場所が霊鷲山(霊山)・虚空(空中)・霊鷲山と移り変わる。説法の場所が二か所、会合(会)が三度持たれたので、これを二処三会という。前霊山会・虚空会・後霊山会と称する。
[虚空会の中心に如来寿量品があり、仏の永遠性が説かれている。]

02 十如是(じゅうにょぜ)
「方便品」に出てくることば。「 所謂諸法。如是相。如是性。如是體。如是力。如是作。如是因。如是縁。如是果。如是報。如是本末究竟等。」 大乗仏教の真理をあらわす概念。「真如」に通ずる意味を持っている。
諸法実相(もろもろの存在の真実の姿)を十種の範疇で説明したものである

03 一大事因縁(いちだいじ(の)いんねん)
「方便品」に出てくることばで、諸仏が世に出現する一大目的の意味がある。
仏の知見を開かせ、示し、悟らせ、入らすために如来(釈尊)はこの世に現れた。
すべての衆生を仏の悟りの世界に導こうとする大慈悲心を現わしている。

04 五仏道同(ごぶつどうどう)
(これも方便品)
最澄の「法華秀句」による。「五仏道同帰一勝」で、五仏(諸仏章、過去仏章、未来仏章、現在仏章、釈迦仏章)が同じように一乗の法「法華経」を説くためにこの世に出現している(出世の本懐)、として法華十勝の第一にあげている。(五仏同道とも)

05 三周説法(さんしゅうせっぽう)
釈尊が弟子達それぞれの機根に応じて説き明かす三種の説法(教化方法)で、迹門の部分(方便品から授学無学人記品)に示される法説周・譬説周・因縁周をいう。それぞれの中に正説・領解・述成・授記の四段があり、仏の本意が徹底されていく。

06 法華覆講(ほっけふこう)
化城喩品、大通智勝仏の因縁説(前世物語)に出てくる。大通智勝仏が出家する前に十六人の王子がいたが、父王が仏になられたと聞き出家して沙弥となり、法華経の教えを信受し、体得した。菩薩となった十六王子は仏に代わり法華経を重ねて講説した。これを法華覆講という。

07 三種教相(さんしゅきょうそう)
「法華玄義」で述べられる法華経が他の経典よりも勝れている三つの教相。
一、根性の融不融の相 (信解品・長者窮子の喩)。
二、化道の始終・不始終の相 (化城喩品)。
三、師弟の遠近・不遠近の相 (如来寿量品)。

08 弘教の三軌(ぐきょうのさんき)
衣・座・室。軌とは筋道(軌範)。法師品の中で説かれる仏の教え。
如来の入滅後の時代に法華経を説き始めるには、如来の室(大慈悲の心)に入り、如来の衣(柔和忍辱の心、謙虚さ)を着、如来の座(一切法空、求道心)に坐って如来と同じ気持ちになりなさい、と説いている。

09 五種法師(ごしゅほっし)
(五種類のお坊さん、ではない。法師の意味は深い、と授業にてあり。)
法師が行う五つの実践。受持・読・誦・解説・書写。(もしくは受持・読誦・解説・書写・供養)受持は信受し持続す、解説は他者に対し体得・領解したものを伝えるの意。

10 証前・起後の宝塔
見宝塔品。天台に宝塔涌出に二意あり、とある。証前の宝塔とは法華経の迹門・正宗分で「開三顕一」、起後の宝塔は本門、分身来集による久遠の開顕「開迹顕本」「開近顕遠」をいう。

11 三箇の勅宣(さんかのちょくせん)
日蓮聖人の教学。勅宣は天皇のみことのりにも相応する。見宝塔品で釈尊滅後、法華経の弘教を勧奨する三つの段。一、付嘱有在「仏欲以此 妙法華経 付嘱有在」 二、令法久住「令法久住 故来至此」三、六難九易。

12 起顕竟(きけんきょう)
日蓮聖人の法華経観を示す言葉。『新尼御前御返事』に「宝塔品より事起こりて寿量品に説き顕し、神力品嘱類に事極(竟)まりて候」とあるのに基づく。

13 三類の強敵(さんるいのごうてき) 三類の怨敵ともいう。
俗衆増上慢・道門増上慢・僭聖増上慢の三つをいう。増上慢とはうぬぼれの心が強いこと。勧持品では菩薩が釈尊の入滅後の悪世において法華経を弘めるときはかならずこの三類の強敵にあうだろうと説かれる。
(参考)
俗衆増上慢とは無知のため仏法の正邪をわきまえられない在家の人々。
道門増上慢とは出家の身でありながらうぬぼれの強い者。
僭聖増上慢とは世間から生き仏のように尊敬されてはいるが、内実は世俗に執着している比丘。

14 四安楽行(しあんらくぎょう)
身・口・意・誓願の四つの安楽行で、安楽な状態に身心を置くための修行という意味。安楽行品で法華経を弘めることを決意した初心の菩薩たちが実践すべきこととして説かれる。
(参考)
身安楽行とは自らの身の処し方で、行処・親近処の二点にわたって説かれる。
口安楽行とは発言に関する注意で、言葉を慎み、人や他の欠点をいったりせず、慈悲の心を持って法を説くこと。
意安楽行とはすべての人々に対して平等の心を持つこと。
誓願安楽行とは大慈悲の心を持ち、悟りを得た時には神通力や智慧力によって法華経の教えに導くことを決意すること。

15 本化地涌の菩薩(ほんげじゆのぼさつ)
本化とは本門の教主久遠実成の釈尊により教化された菩薩をいう。従地涌出品で、仏は特別の弟子である地中より涌き出てきた本化の菩薩に末法における法華経弘通の使命を与える。本化地涌の菩薩の上首は上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩である。


二、法華七喩中 「〇〇〇〇喩」について解説しなさい。

1 三車火宅喩 (さんしゃかたく・ゆ) 七喩の第一
譬喩品第三。三車は三乗、火宅は穢土(現実の迷いの世界)を譬える。
火災に見舞われた邸宅とは三界のことであり、火災とは煩悩の譬えである。主人(仏)は子供たち(衆生)を方便をもって救い出し、最上の乗物をあたえる。
大白牛車は一仏乗の教え(法華経)。三周説法のうちの譬説周、正説の段。

2 長者窮子の喩 (ちょうじゃぐうじのゆ) 七喩の第二
信解品第四。長者は釈尊を、窮子(貧乏な子供)は衆生を譬える。父である長者が貧乏なわが子を教育して、種々の方便を用いて、わが子の卑しい心(小乗)を高貴な心(大乗)に変えていくという物語。三周説法中、譬説周の領解(理解)の段。天台の五時教判の根拠の一つ。

3 三草二木喩 (さんそうにもく・ゆ) 七喩の第三
薬草喩品第五。三草は大・中・小の薬草、二木は大樹小樹でさまざまな衆生を譬える。雨は平等に降り注ぐけれども、草や木はそれぞれの大きさに応じて水を吸い、枝葉を茂らせ花を開く。仏は平等に法を説くが、人々は立場に応じて教えを受けとる。三周説法中、譬説周の述成(さらなる釈尊の確認)。

4 化城宝所の喩 (けじょうほうしょ) 七喩の第四
化城喩品第七。化城は方便としての二乗の涅槃、宝所は真実なる仏の涅槃を譬える。
険しく困難な道に、宝物を求めて進む旅の一行がいた。これ以上先へは進めないという時に指導者は休息のための城をつくりだす。それは幻であり、再び目的地へと進み本当の宝の場所にたどりついた。
一行の指導者(仏)、旅の一行(衆生)、幻の城(二乗の悟り)、宝物(一乗の悟り)

5 衣裏宝珠の喩 (えりほうじゅ) 七喩の第五
五百弟子受記品第八。
親友が衣の裏に縫いつけておいた宝石(宝珠)に気がつかず、貧しい生活に満足していた男の喩え話。宝石(宝珠)は仏性・仏種をたとえる。

6 髪中明珠の喩 (けちゅうみょうしゅ) 七喩の第六
安楽行品第十四。明珠は法華経を譬える。
理想の王である転輪聖王は大功のあったものにだけ髻の中の宝珠をあたえた。諸法の王である如来は煩悩に打ち勝つという功績をあげた衆生に、最上の教えである法華経を説いた。

7 良医治子の喩 (ろういじし) 七喩の第七
如来寿量品第十六。腕のよい医者(父親)が、毒に当たって苦しむ子供たちを方便を用い、使いを遣わして治す話。良医は釈尊を子は衆生を譬える。
日蓮聖人の見解。父(良医)は久遠実成のお釈迦さま。すぐ治った子供たちは正法・像法の人々。本心を失った子供たちは末法の人々。良薬はお題目。使い(遣使)は地涌の菩薩・上行菩薩=日蓮聖人。
(参考)
ある所に父親(腕のよい医者)と大勢の子供たちがいた。父親の留守中に子供たちは誤って毒薬を飲んでしまい悶え苦しんでいる。そこへ帰ってきた父親(良医)は薬を調合して飲ませようとするが、症状の軽い子供たちは良薬を飲んで治るものの、症状の重い子供たちは気が転動しているのでこの薬が良薬とは思えずどうしても飲まない。そこで一計を案じ外出して使いを遣わし、父は亡くなったと伝える。驚き嘆き悲しんだ気の転動している子供たちは一時正気にもどり、ついにこの良薬を飲んで治った。それを聞いて父親は家にもどった。

(七喩中どれか一つ出題。5行程度)


三、「〇〇」について授業を通じて領解した内容を中心に論述しなさい。
1 方便
2 仏子
3 悪人成仏
(どれか一問出題。8~10行)
授業はまじめに受けたつもりですが、領解とはほど遠い。

* この項、自習用ですので内容については?もあります。
その都度、追加と手直しをしていきます。
ちなみに社会人オープン講座生は試験は受けません。(それにしては、やや入れ込みすぎかな)


参考)
「法華経概論」の授業ノート
授業テキスト 『ものがたり 法華経』他




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