かぶとん 江戸・東京の歴史散歩&池上本門寺

池上本門寺をベースに江戸の歴史・文化の学びと都内散策をしています。

法華経の学習(この項、継続中)

2013-04-24 | 法華経入門
お経(経文)としての法華経から一端離れます。時空を超えた物語、ファンタジー、叙事詩の感覚で読み進め、後にお経を聞き、そして唱えていくと、何かが変ったと感じます。(と、自問自答)

『妙法蓮華経』
巻 第一
01 序品 第一
02 方便品 第二
巻 第二
03 譬喩品 第三
04 信解品 第四
巻 第三
05 薬草喩品 第五
06 授記品 第六
07 化城喩品 第七
巻 第四
08 五百弟子受記品 第八
09 授学・無学人記品 第九
10 法師品 第十
11 見宝塔品 第十一
巻 第五
12 提婆達多品 第十二
13 勧持品 第十三
14 安楽行品 第十四
15 従地涌出品 第十五
巻 第六
16 如来寿量品 第十六
17 分別功徳品 第十七
18 随喜功徳品 第十八
19 法師功徳品 第十九
巻 第七
20 常不軽菩薩品 第二十
21 如来神力品 第二十一
22 嘱類品 第二十二
23 薬王菩薩本事品 第二十三
24 妙音菩薩品 第二十四
巻 第八
25 観世音菩薩普門品 第二十五
26 陀羅尼品 第二十六
27 妙荘厳王本事品 第二十七
28 普賢菩薩勧発品 第二十八
以上、一部八巻二十八品


妙法蓮華経 (全28章)
[巻 第一]
01 序品 (じょほん) 第一  -はじめ-

 如是我聞 (にょぜがもん)
  かくの如く、われ、聞けり・・・
プロローグ。霊鷲山(りょうじゅせん)に集まった大衆の前での出来事。
 爲諸菩薩。説大乘經。名無量義。教菩薩法。佛所護念。
 佛説此經已。結跏趺座。入於無量義處三昧。身心不動。
  諸の菩薩の為に、大乗経の無量義・菩薩を教える法・仏に護念せらるるものと
  名づけるを説きたもう。
  仏はこの経を説き已って結跏趺座し、無量義処三昧に入りて、
  身心動じたまわざりき。
仏(世尊)が三昧(瞑想)に入ると曼荼羅華、曼殊沙華など天上の花の大雨が降りそそぎ、仏の国土は六種に震動した。そして仏(世尊)の眉間から一条の光が発せられ、東方万八千の世界、下は無間地獄から上は宇宙の頂にいたるまで、普く照らし出される。
弥勒菩薩が文殊菩薩に問う。これから何がおきるのか、と。文殊は、過去世の日月燈明仏(にちがつとうみょうぶつ)の物語りを語り始める。
法華経の幕開けと、この経が説かれる由来。法華経を聴くことのできる縁の深さ。


02 方便品 (ほうべんぽん) 第二  -教えの手だて-

 爾時世尊。従三昧安詳而起。告舎利弗。
 (にーじーせーそん・じゅうさんまい・あんじょうにーきー・ごうしゃりほつ)
 その時に世尊、三昧より安詳として起ちて、舎利弗(しゃりほつ)に告げたもう、

霊鷲山。集まった大衆の前で、世尊(仏、釈尊)と舎利弗との対話。
諸仏の智慧は、ものごとの真実のあり方[諸法実相]を究め尽したものであることを語る。すべての「そこにある」真実、は仏にしか理解できない。釈尊(仏・如来)がこの世に出現された理由が明かされる。それは衆生に仏の知見の道に入らせようとするため、あらゆる衆生を度(すく)うこと、である、と。方便(便宜的な手法)とは、仏の教化の方法であり、それぞれの機根(資質・宗教的能力)に応じて説かれるものである、という。(「三周説法」のうちの「法説周」)
霊鷲山での物語(説法)は、法師品 第十まで続く。


[巻 第二]
03 譬喩品 (ひゆほん) 第三  -譬喩物語-

 爾時舎利弗。踊躍歓喜。即起合掌。
  その時、舎利弗は踊躍し歓喜して、即ち起ちて合掌し・・・
舎利弗の領解(理解)、釈尊の述成(確認)と舎利弗への受記(成仏の保証)が語られる。
舎利弗は、他の弟子達のために、さらに分かりやすく説いてくれるよう世尊(釈尊)に懇願する。世尊は譬喩をもって語る。

 『三車火宅喩』(さんしゃかたくゆ) (1) 「法華七喩」の一
火災に見舞われた邸宅とは、三界のことであり、火災とは「煩悩」の譬えである。
大白牛車=一仏乗の教え(法華経)、の譬喩。(「三周説法」のうちの「譬説周」)


04 信解品 (しんげほん) 第四  -信仰の心構え-

 爾時慧命須菩提。摩訶迦旃延。摩訶迦葉。
 摩訶目揵連。從佛所聞。未曾有法。
  その時、慧命(えみょう)、須菩提(しゅぼだい)と摩訶迦旃延(まかかせんねん)と
  摩訶迦葉(まかかしょう)と摩訶目揵連(まかもっけんれん)とは、
  仏より聞ける所の未曾有の法と、
須菩提等の四大声聞衆は釈尊の教えを理解し、弟子が釈尊に喩をもって語りかける。

 『長者窮児喩』(ちょうじゃぐうじゆ) (2)
機根が熟していく様子を、時の経過とともに述べている。
長者(父)=如来、窮児(子)=衆生。三周説法中、「譬説周」の領解(理解)の段。


[巻 第三]
05 薬草喩品 (やくそうゆほん) 第五  -薬草の譬え-

 爾時世尊。告摩訶迦葉。及諸大弟子。
  その時、世尊は。摩訶迦葉 及び諸の大弟子に告げたもう
世尊(釈尊)は摩訶迦葉および声聞たちの中の上座の人々に「薬草の喩え」を示す。

 『三草二木喩』(さんそうにぼくゆ) (3)
同じ大地の上で、同じ雨の水を受けても、草木はそれぞれの性質によって千差万別である。「仏の平等の説は、一味の雨の如し。衆生の性(しょう)にしたがいて、受くること不同なり」
三周説法中、「譬説周」の述成(さらなる釈尊の確認)。


06 授記品 (じゅきほん) 第六  -成仏の予告-

 爾時世尊。説是偈已。告諸大衆。唱如是言。
  その時、世尊は、この偈を説き已りて、諸の大衆に告げて、
  かくの如きの言を唱えたもう
摩訶迦葉(まかかしょう)、須菩提(しゅぼだい)、迦旃延(かせんねん)、目揵連(もっけんれん) の四大声聞衆に授記が与えられる。


07 化城喩品 (けじょうゆほん) 第七  -幻の城の譬え-

 佛告諸比丘。乃往過去。無量無邊。不可思議。阿儈祇劫。爾時有佛。
  仏は諸の比丘に告げたもう「乃往(むかし)、過去の無量・無辺・不可思議の
  阿僧祇劫(あそうぎこう)に、その時に仏有(いま)せり。
釈尊とその弟子とのはるか遠い過去世からの「宿世(すくせ)の因縁」が明かされる。
数えることもできない、はるか昔の大通智勝如来仏の話を、釈尊は今の出来事のごとく語る。
十方世界の梵天王たちと、大通智勝如来の王子たち、十六王子のことも話される。
諸の梵天王は、偈をもって頌して世尊(仏)にもうす。
 願似此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成佛道
 (がんにしくどく・ふぎゅうおいっさい・がとうよしゅじょう
  かいぐじょうぶつどう)
 「願わくはこの功徳をもって、普く一切に及ぼし、
   われ等と衆生と、皆、共に仏道を成ぜん」

 『化城宝処喩』(けじょうほうしょゆ) (4)
険しく困難な道に、宝物を求めて進む旅の一行がいた。これ以上先へは進めない、という時に突如として城が現われる。
一行の指導者=仏、旅する一行=一切衆生、幻の城=二乗の悟り、宝物=一乗の悟り


[巻 第四]
08 五百弟子受記品(ごひゃくでしじゅきほん) 第八 -五百人の弟子への成仏の予告

 爾時富樓那彌多羅尼子。從佛聞是。智慧方便。隨宜説法。
  その時、富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)は仏よりこの智慧の方便による
  宜しきに随う説法を聞き、
千二百人の仏弟子の受記の話。その中で五百人の阿羅漢が、譬喩を示して彼らの心境を釈尊に告げる。
 『衣裏繋珠喩』(えりけいじゅゆ) (5)
衣服の裏に縫いつけられた宝石に気がつかず貧しい生活に満足していた男の喩え話。
宝珠は仏性・仏種をたとえる。


09 授学・無学人記品(じゅがく・むがくじんきほん) 第九
    -小乗の修行者への成仏の予告-

 爾時阿難。羅睺羅。而作是念。
  その時、阿難(あなん)と羅睺羅(らごら)は、すなわち、この念を作せり
阿難(多聞第一)と羅睺羅(密行第一)の、二人の仏弟子への授記が述べられる。

ここまでの各章は、声聞(仏弟子)を説法の相手としてきた。次章からは菩薩を相手とする。


10 法師品(ほっしほん) 第十  -説法者-

 爾時世尊。因藥王菩薩。告八万大士。
  その時、世尊は、薬王菩薩に因(よ)せて、八万の大士(だいじ)に告げたもう
世尊(釈尊)は、薬王菩薩をはじめとする多くの法師(弘法者)に、法華経の信仰やその功徳を説く。そして釈尊入滅後の来世に、どのように経典を弘めていくかについてが説かれる。
五つの行、受持・読・誦・解説(げせつ)・書写の実践と、十種の供養について説かれる。

「高原穿鑿 (こうげんせんしゃく) の喩え」
「弘経の三軌」(衣座室の三軌) が示される。


11 見宝塔品(けん ほうとうほん) 第十一  -宝塔の出現-

 爾時佛前。有七寶塔。高五百由旬。縦廣二百五十由旬。從地涌出。住在空中。
  その時、仏の前(みまえ)に、七宝の塔あり。高さ五百由旬、
  縦広(たてよこ)二百五十由旬にして、地より涌出(ゆじゅつ)し、空中に住在せり。
七宝で飾られた広大な塔が地面から涌き出てきて空中に止まる。多宝如来の宝塔である。多宝如来を拝見したいという聴衆の願いをかなえるため、釈尊は全世界に散らばる分身仏を娑婆世界に集合させる。
この章からは、空中(中空)における物語(説法)である。[虚空会・こくうえ]


[巻 第五]
12 提婆達多品 (だいばだったほん) 第十二  -提婆達多の話-

 爾時佛告諸菩薩。及天人四衆。
  その時、仏は、諸の菩薩と及び天・人と四衆とに告げたもう。
前半で、釈尊の前世について述べられる。釈尊は阿私仙人に仕え、法華経を聴いて成仏する。阿私仙人とは提婆達多である。その因縁によって提婆達多に将来には仏となることができるという授記(証明)を与える。[悪人成仏]
後半は、龍女(りゅうにょ) の成仏の話となる。大海の龍宮から虚空へと昇ってきた文殊菩薩に、多宝如来に従っていた智積菩薩が問いかける。法華経によって速やかに仏となった者がいるのかと。舎利弗が龍女に問う。[女人成仏]


13 勧持品 (かんじほん) 第十三  -弘経のすすめ-

 爾時藥王菩薩摩訶薩。及大樂説菩薩摩訶薩。
  その時、薬王菩薩・摩訶薩と及び大楽説(だいぎょうせつ)菩薩・摩訶薩とは
仏の滅後の悪世において、法華経を弘めていくことを誓う。釈尊は、摩訶波闍波提、耶輸陀羅(やしゅだら)とそれぞれの比丘尼たちに、将来仏になれることを証明(授記)した。[女人授記]


14 安楽行品 (あんらくぎょうほん) 第十四  -心やすらかな実践-

 爾時文殊師利法王子。菩薩摩訶薩。白佛言。
  その時、文殊師利法王子菩薩・摩訶薩は、仏に白(もう)して言わく
文殊師利と仏(世尊)との対話。釈尊の滅後、どのように法華経を説けばよいか、との問いに、身(しん)・口(く)・意・誓願の四安楽行の実践についてが示される。

 『髻中明珠喩』(けちゅうみょうじゅゆ) (6) (髻珠喩・けいじゅゆ)
転輪聖王(てんりんじょうおう)の宝珠とは、法華経説法の譬喩である。


15 従地涌出品(じゅうじゆじゅっぽん) 第十五 -地から涌き出てきた菩薩たち-

 佛説是時。娑婆世界。三千大千國土。地皆震裂。
 而於其中。有無量千万億。菩薩摩訶薩。同時湧出。
  仏、これを説きたもう時、娑婆世界の三千大千の国土は、地、皆、震裂して
  その中より、無量千万億の菩薩・摩訶薩ありて、同時に湧出せり。
大地が突然に震裂し、その中から、数えきれないほど多数の菩薩が出現する。
末法の世に、釈迦仏の真の弟子が現われて世を導くこと、泥沼の中から清らかに咲き出る蓮華の如しと説かれる。


[巻 第六]
16 如来寿量品 (にょらいじゅりょうほん) 第十六  -仏の寿命の長さー

 爾時佛告 諸菩薩。及一切大衆。 (第十六品の一行目)
 (にーじーぶつごう・しょーぼーさつ・ぎゅういっさいだいしゅー)
  その時、仏は諸の菩薩 及び一切の大衆(だいしゅ)に告げたもう
「諸善男子 汝等當信解 如來誠諦之語」(諸の善男子よ。汝等は、当に如来の誠諦(まこと)の語(ことば)を信解すべし)と仏(世尊)は三たび告げる。
「世尊 唯願説之 我等當信受佛語」(世尊よ、唯、願わくはこれを説きたまえ。われ等は当に仏の語(みこと)を信受したてまつるべし)と弥勒をはじめとする菩薩の大衆は合掌して仏に三たび申す。

 我實成佛以已來。無量無邊。百千万億。那由他劫。
  われは実に成仏してより已来(このかた)
  無量無辺百千万億那由他劫(なゆたこう)なり。
仏陀伽耶城の近くで成道した釈迦仏は、実に久遠の昔に成仏した本仏に他ならない、と説く。
 「五百億塵点劫(じんでんごう)の譬え」

 『良医治子喩』(りょういじしゆ) (7)
父(良医)とは、久遠実成の本仏・釈尊の譬え。

 自我偈の出だし
 自我得佛來。所經諸劫數。
 無量百千万。億戴阿儈祇。
 (じーがーとくぶつらい・しょうきょうしょーこっしゅー
  むーりょうひゃくせんまん・おくさいあーそうぎー)
  われ、仏を得てより来(このかた) 経たる所の諸の劫数は
  無量百千万 億戴阿儈祇なり。
お釈迦さまの寿命の永遠なること、教化・慈悲・救済の久遠無量なることが説き明かされる。


17 分別功徳品 (ふんべつくどくほん) 第十七  -さまざまな功徳-

 爾時大會。聞佛説。壽命劫數。長遠如是。
  その時、大会(だいえ)は仏の 寿命の劫数(こうしゅ)の長遠(じょうおん)
  なること 是くの如し」と説きたもうを聞きて…
前半、多くの菩薩がそれぞれに悟りを得て仏に近づくことが保証される。
後半、法華経を仏滅後に弘めるための教説を示す。[流通分(るつうぶん)]


18 随喜功徳品 (ずいきくどくほん) 第十八  -信仰の喜びによる功徳-

 爾時彌勒菩薩摩訶薩。白佛言。
  その時、弥勒菩薩・摩訶薩は、仏に白(もう)して言わく…
仏(釈尊)は、初随喜の素晴らしさを「五十展転(ごじゅうてんでん)」の例をあげて明らかにする。
功徳流通のうち信心の因の功徳を明かす。

随喜 梵 アヌモーダナ。教えを聞いて心に悦びが生じ帰依すること


19 法師功徳品 (ほっしくどくほん) 第十九  -説法者の功徳-

 爾時佛告。常精進菩薩摩訶薩。
  その時、仏は常精進菩薩・摩訶薩に告げたもう
法華経を受持・読・誦・解説(げせつ)・書写する人は、父母から与えられた眼耳鼻舌身意の六根に多くの能力が備わることを述べられる。
功徳流通のうち信心の果の功徳を明かす。


[巻 第七]
20 常不軽菩薩品 (じょうふきょうぼさっぽん) 第二十  -常不軽菩薩の物語-

原語「常に軽蔑された男」の意、を「常に他の人を軽んじない」とする。
釈尊は得大勢菩薩に、威音王如来について語る。次いで菩薩の比丘、常不軽について語る。
 爾時佛告 得大勢菩薩摩訶薩・・・(第二十品の一行目)
  その時、仏は得大勢菩薩・摩訶薩に告げたもう
 我不敢軽於汝等。汝等皆当作佛
 (がふかんきょう おにょうとう。にょうとうかいとうさぶつ)
  われ敢えて汝等(なんだち)を軽しめず。汝等は皆当(まさ)に仏と作(な)るべし。


21 如来神力品 (にょらいじんりきほん) 第二十一  -仏の神秘な力-

 爾時千世界。微塵等。菩薩摩訶薩。從地涌出者。
 皆於佛前。一心合掌。瞻仰(せんごう)尊顔。而白佛言。
  その時、千世界の微塵に等しき菩薩・摩訶薩の地より涌出せる者は、
  皆仏の前(みまえ)において一心に合掌し、尊顔を瞻仰(あおぎみ)て
  仏に白して言わく
 神力品偈
 諸佛救世者 住於大神通 爲悦衆生故 現無量神力
  諸の仏・救世者は 大神通に住して 衆生を悦ばしめんがための故に
  無量の神力を現わしたもう。
本化(ほんげ)の菩薩(地涌(じゆ)の菩薩)に対して付嘱(ふぞく)が説かれる。
地より涌出せる菩薩達は、世尊(釈尊)の滅後に、娑婆世界のどこにあっても、この法華経を説きましょう、と宣言をする。一切の衆生の前において、世尊は大神力を現わし、広長舌を出して梵天の世界に至り、無量の光を放って遍く十方の世界を照らした。そこで法華経の教えが告げられ、受持・読・誦・解説・書写して説の如く修行すべきこと、法華経を受持する処はどこにおいても道場(即是道場)である、と述べられる。地涌の菩薩の上首は上行菩薩である。


22 嘱類品 (ぞくるいほん) 第二十二  -経典の委託-

 爾時釋迦牟尼佛。從法座起。現大神力。
  その時、釈迦牟尼佛は法座より起ちて、大神力を現わし、
法華経の弘通(ぐずう)を付託する「付嘱(付属)」が前章に引き続き展開する。一切の無量の菩薩に対して法華経が付嘱される。
法華経を付嘱する儀式が終ると、釈迦牟尼仏は多宝塔を出でて宝塔の扉は閉ざされる。ここで会座(えざ)は、虚空会(こくうえ)から再びもとの霊山会(りょうぜんえ)にもどる。(次章から)


23 薬王菩薩本事品 (やくおうぼさつほんじほん) 第二十三
    -薬王菩薩の前世の物語-

 爾時宿王華菩薩。白佛言。世尊。薬王菩薩。云何遊於。娑婆世界。
  その時、宿王華菩薩は仏に白(もう)して言わく
  「世尊よ、薬王菩薩は云何(いか)にして、娑婆世界に遊ぶや。
ここの章から場面が展開して、再び霊鷲山(りょうじゅせん)で教えが説かれる。(後霊山会)
諸菩薩による菩薩道の実践が教示され、法華経修行者の守護と法華経の流布が誓願される。


24 妙音菩薩品 (みょうおんぼさつほん) 第二十四  ー妙音菩薩の物語ー

 爾時釋迦牟尼佛。放大人相。肉髻光明。及放眉間。白毫相光。
  その時、釈迦牟尼仏は大人相の肉髻(にくけい)より光明を放ち、
  及び眉間の白毫相(びゃくごうそう)より光を放ちて、
釈迦牟尼仏の光明は浄華宿王智仏の住む浄光荘厳国を照らし、さらに妙音菩薩を照らす。妙音菩薩は浄華宿王智仏に語りかける。
前章に続き、菩薩道の実践が説かれる。


[巻 第八]
25 観世音菩薩普門品 (かんぜおんぼさつふもんぽん) 第二十五
   -普く門の開かれた観世音菩薩- (あらゆる方角に顔を向けたほとけ)

 爾時無盡意菩薩。即從座起。偏袒右肩。合掌向佛。而作是言。
  その時、無尽意菩薩(むじんにぼさつ)は即ち座より起(た)ちて偏(ひと)えに
 右の肩を袒(あらわ)し合掌し仏に向いたてまつりて、この言(ことば)を作(な)す
無尽意(アクシャマ・マティ)は仏に問う。世尊よ、観世音菩薩は何の因縁を以って観世音(アヴァローキテーシュヴァラ)と名づくるや、と。


26 陀羅尼品 (だらにほん) 第二十六  -行者を守る呪文-

 爾時薬王菩薩。即從座起。偏袒右肩。合掌向佛。而白佛言。
  その時、薬王菩薩は即ち座より起ちて、偏(ひと)えに右の肩を袒(あらわ)し、
  合掌し、仏に向いたてまつりて、仏に白して言わく
薬王菩薩・勇施菩薩(ゆうせぼさつ)の二聖と、毘沙門天王・持国天王の二天と、鬼子母神とともに現われた十羅刹女が、各々、陀羅尼「咒(しゅ)」を唱えて、末代悪世に法華経を弘通する人を守護する誓いをたてる。


27 妙荘厳王本事品 (みょうしょうごんのうほんじほん) 第二十七
   -昔世に出た妙荘厳王一族の物語ー

 爾時佛告諸大衆。乃往(ないおう)古世。
  その時、仏は諸の大衆(だいしゅ)に告げたもう 「乃往古世(いにしえ)・・・
仏は諸の大衆に語る。はるか昔、雲雷音宿王華智仏が光明荘厳国にいた。その国の王は妙荘厳王、王の夫人の名を浄徳、二人の子を浄蔵、浄眼といった。その二人の王子が、父・妙荘厳王を法華経の教えに導く。その二人の王子とは・・・
 「優曇華喩(うどんげゆ)」 三千年に一度しか咲かない優曇波羅華の譬え。
 「盲亀浮木喩(もうきふもくゆ)」 大海に漂う浮木の孔に巡り会う一眼の亀。


28 普賢菩薩勧発品 (ふげんぼさつかんぼっぽん) 第二十八 -普賢菩薩の物語-

 爾時普賢菩薩。以自在神通力。威得名聞。
 輿大菩薩。無量無邊。不可穪數。從東方來
  その時、普賢菩薩は自在なる神通力と威得と名聞を以(もち)いて、
  大菩薩の無量無辺の不可称数(ふかしょうしゅ)なるとともに東方より来れり。
最終章に普賢菩薩が登場する。普賢菩薩は仏(世尊・釈迦牟尼仏)との対話の中で、後の世に法華経を受持する者あらば、六牙の白象王に乗りて現われ、普賢の神通力によって供養し守護しよう、と述べる。


注)
世尊 釈尊(仏・如来)
弥勒菩薩 マイトレーヤ
文殊菩薩 マンジュ・シュリー
舎利弗(しゃりほつ) (シャーリプトラ) 仏弟子中の智慧第一。
不軽菩薩 サダー・パリブータ

大通智勝如来仏 マハー・アビジュニャー・ジュナーニャナ・アビブ如来

授記 成仏の保証。


参考図書
『法華経(上・中・下)』 岩波文庫
『大法輪』 平成25年 5月号 大法輪閣発行
 特集 法華経・全28章を知るために(65~136p.)
『法華経入門』 菅野博史著 岩波新書
『真訓対照 法華三部経』 東方出版
 開経 無量義経徳行品 第一
     無量義経説法品 第二
     無量義経十功徳品 第三
 本経 妙法蓮華経 一部八巻二十八品
 結経 仏説観普賢菩薩行法経

表題どおり、この項、作成中です。現在、随時追加・訂正を入れてます。

2013.12.8
先日、『眞訓兩讀 法華經荓開結』(平楽寺書店版)を購入しました。今までは大学図書館のを借りていましたが、それでは虫がよいかなと。旧漢字もずっと見ていると、見慣れてきます。
さてさて釈尊成道会はどうなっているのでしょうか。
(学習順は適宜、いったりきたりしています。)




4月20日 穀雨

2013-04-20 | (旧) 暦
今日、4月20日(土)は旧暦の3月11日。二十四節気のひとつ穀雨です。

穀雨(こくう) 二十四節気のうち、立春から数えて6番目。
〇春の雨が田畑を潤し、穀物の生長を助ける。


読売・朝刊、日付け、曜日の下に「穀雨」の文字が載っていました。そういえば、いままでも二十四節気は載っていたような。見る側・読む側の関心の有る無しで「見れども見えず、読めども読まず」が起きるんだと再び三度、感じたしだいです。