第二次世界大戦時の「硫黄島」での戦いを日米両方の視点から描いた作品の一部目・・・アメリカからの作品は「父親たちも星条旗」です。
イーストウッド&スピルバーグのコンビが、「一枚の写真」が持つ真実を求めていきます。そしてそのことを世間に知らしめることで、硫黄島で戦死した兵士たちへ鎮魂歌とした映画です。
単なる「戦争反対」、「戦争の悲劇」を描いた映画でなく、「政府の野心」「傷ついた心」「家族の愛」「真実を知る苦しさ」「人種差別」・・・様々なことを考えさせられる見ごたえのある映画でした。
→若き「ジョン・ドク・ブラッドリー」は、衛生兵として硫黄島の戦いに参加しました。そして5人の戦友といっしょに「擂鉢山の頂上」に「星条旗を立てたのです。
カメラマンが写したその時の写真は、アメリカ人の勇気と決意の象徴として全米に報道され、彼は一躍「英雄」としてたたえられることになるのですが・・・
この映画は、ドクが長い人生に別れを告げようとしていた時に、彼の息子が「硫黄島での戦いについて、家族にも一言も語ろうとしなかった父親の気持を知りたい」と、ドクの人生をたどり始めて、真実を知る・・・という形で描かれています。
ドクの懐古場面・・・硫黄島での壮絶な戦いの様子は、ちょっと恐くて思わず目を覆いたくなる場面も多かったのですが、それゆえに、決して再び「戦争」を起こしてはならないと強く訴えています!
山頂に星条旗をかかげた6人も、その後の日本軍のゲリラ作戦で3人が亡くなり、生きて本国へ帰ったのは、ネイティブ・アメリカンの「アイラ」と、伝令係の「レイニー」と「ドク」だけだったのです。
彼ら3人は「英雄」として「戦争資金調達のための国債売り出し」のために、全米をメグルツアーに借り出される日々を送るのです。
英雄扱いされればされるほど彼らの苦悩は大きくなり、「アイラは酒に逃避」し、ドクは硫黄島でいっしょだった「親友イギー」の行方や、上官のマイクやハンクの悲惨な亡くなり方が忘れられず「沈黙」を通して一生を終ろうとするのです。
レイニーは名声に頼り、良い生活を望むのだが・・・
彼らが、星条旗を掲げたのは事実なのですが・・・実は、「掲げられた星条旗」は、もう一つあったのです。
その隠された星条旗の存在、英雄として迎えられた6人目の人間が入れ替わっていた・・・この真実を通して、「本当の英雄」とは誰なのかを考えることになります。
かなり見ごたえのある映画でした!
日本側からの視点で描かれた「硫黄島からの手紙」は、9日公開です。
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